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『道浦TIME』

新・読書日記 2020_030

『BLUE GIANT SUPREME9』(石塚真一、小学館:2019、11、4)

「第10巻」を読んで、「第9巻」を読んでいないことに気付いて購入。そうそう、この巻、大事!なぜって、舞台は(私が大好きな)スペインのバスク地方はビルバオ!5年前に行った!あの「グッゲンハイム美術館」が出て来るんですよ!

そのビルバオで初めてのレコーディングを行う主人公・大たち。エキサイティング!

そして、欧州ツアー・ファナルは、スタートの地・ドイツはベルリン。

最初のライブは大失敗だった。それを、同じ店のステージで汚名返上・名誉挽回をするためにチャレンジ!泣けるなあ・・・。


star5

(2020、3、17読了)

2020年3月19日 11:54

新・ことば事情

7386「ウイルスまで殺菌」

うがい薬の箱に、こう記されていました。

「ウイルスまで殺菌」

これに引っかかりました。というのは、

「殺菌」

というのは、

「細菌・ばい菌を殺すこと」

ですね。それなのに、

「生物ではない『ウイルス』を『殺す』」

という意味の「殺菌」という表現で良いのでしょうか?

「比ゆ的表現」

と解釈すべきか?それとも、

「消毒」

と直すべきでしょうか?「殺菌」も、目的は「消毒」ですが。

気になって、夜も眠れません。(懐かしい!)

(2020、3、13)

2020年3月13日 21:23

新・読書日記 2020_029

『重版出来14』(松田奈緒子、小学館:2020、2、12第1刷)

「重版出来」の「出来」は「しゅったい」と読む。

主人公である漫画雑誌の女性編集者が、自分が初めて担当してブレークした作家(漫画家)の担当を外される。作家が精神的な病に陥ってしまったのだ。

いつも明るい編集者だが、さすがに落ち込む。

どう立ち直って行くのか?作家も、編集者も。注目である。


star5

(2020、3、9読了)

2020年3月13日 21:20

新・読書日記 2020_028

『訳詩集 月下の一群』(堀口大學、岩波文庫:2013、5、16第1刷・2017、4、26第3刷)

この詩集が最初に出版されたのは、1925年(大正14年)9月17日。フランスの近代詩人66人の作品・339編を収容して、第一書房から初版1200部、「定価4円80銭」で売り出された。当時の「4円80銭」は「破格の値段」(=高い)だそうだから、いまだと・・・「4万8000円」ぐらいかな?想像だけど。一応、昔の物価などを調べてみたら、

【1925年(大正14年)の物価】

白米(10kg)   3円20銭

給料(大卒初任給) 50円

金(1g)      1円73銭

ということです。

【今(2020年)は大体...】

白米(10kg)   3500円(1100倍)

給料(大卒初任給) 20万円(4000倍)

金(1g)      6400円(3700倍)

ですから、この3つから見るおおよその物価は、

「1000~4000倍」

になっているでしょう。そうするとこの詩集「月下の一群」(4円80銭)の現在におけるお値段は、

「4800円~1万9200円」

と、やはり、かなり高いですなあ。豪華本だとしても。

この詩集からの詩・5編に曲を付けた南弘明作曲の男声合唱曲『月下の一群』を、大学2年のときに歌い、東芝EMI(当時)で録音(レコーディング)もした。40年近く経って、今年秋に同志社グリーOBの皆さんと一緒にまた歌うことになり、「詩集」全体を初めて読もうと、この文庫本を手にした。文庫だけど、650ページもあるんですよ、これ!すごいなあ!

実際に歌った曲の歌詞が、この詩集の詩と、微妙に変わっているところも見つけました。

それと、詩人の似顔絵というかデッサンというかも載っているんですね。66人全員ではないですが。そのほか

「十法」

と書いて「法」は、

「フラン」

と読むのは知りませんでした。

そして、この詩集は「親友」の「佐藤春夫」に捧げられているのも知らなかったし、堀口大學が外交官の息子で、一高受験に失敗した後、慶應義塾大学に入ったものの、すぐに中退して父の赴任先のメキシコへ行ったというのも初めて知りました。33歳で1925年に帰国するまでの14年間のほとんどを海外で暮らし、ブラジルやベルギーにもいた。もちろんフランスにも。父の後妻はベルギー人で、礼儀作法に厳しかったと。ベルギーなんかは「月光とピエロ」の舞台なのではないかなあ。あ、これも「男声合唱曲」ですが。「高等遊民」だったんですね、大學は。

本格的に帰国する前の1923年の夏に一時帰国した際の9月1日、「関東大震災」に遭遇。東京・大森のホテルに佐藤春夫と一緒にいたそうです。この「月下の一群」の出版は、その2年後の1925年です。そういえば寺田寅彦は、関東大震災の日は、上野の美術館に「院展」を見に行った帰りに、カフェーでその感想を話し合っていた時に被災したと書かれたのを読んだことがありますが。

いろいろと新しい発見があった詩集でした。


star4

(2020、3、11読了)

2020年3月13日 21:13

新・読書日記 2020_027

『Jリーグ全選手名鑑完全ガイド2020』(日刊スポーツマガジン:2020、2、14)

一番「字が大きい」のを選ぶと、この「日刊スポーツの」になる。去年と同じ。

そしてヴィッセル神戸のイニエスタ選手の年俸が、ことしも、

「32億5000万円」!!

1年で、ですよ!スゴイなあ・・・って去年も書いたかな。

新型コロナウイルスの影響でJリーグも、開幕した途端に中断してしまい、ワールドカップの予選も中止の方向。この閉塞感・・・一日も早く解決してほしいです!

そして、この名鑑を持って、Jリーグを観戦したい!


star4

(2020、3、8購入)

2020年3月13日 21:09

新・読書日記 2020_026

『東京あんこ巡り』(川田裕美、KADOKAWA:2020、2、27)

知らない間に、川田の「あんこ本」の第2弾が出ていた!

雑誌で連載をしていたものをまとめたというのですが、カラー写真が豊富で、

「これはもしかして、田中みな実に対抗して写真集を出したのか?」

と思いましたが、そうではないようです(笑)。その辺は、ちゃんと自覚があるでしょう、本人も。

でも、本当にすごいですねー。取材のために訪れた店も、いくつかはあるみたいですが、ほとんどは「プライベート」で訪ねているのですから!まさに、

「好きこそ、ものの上手なれ!」

ですね。極めている感じ。私も「おいしそう!今度このお店に行ってみようかな?」と思いました。

「あんこ愛」溢れる一冊、ぜひ手に取ってお買い求めください!(販売促進に、ちょっと協力!)


star5

(2020、3、8読了)

2020年3月13日 21:07

新・ことば事情

7385「『パンデミック』のアクセント4」

令和ことば事情7356「『パンデミック』のアクセント」と

令和ことば事情7380「『パンデミック』のアクセント2」

令和ことば事情7381「『パンデミック』のアクセント3」の続報です。

3月12日夜の日本テレビ「news zero」では、メインキャスターの有働由美子アナウンサーが「頭高アクセント」で、

「パ\ンデミック」

と言っていました。

その後に出て来たゲストの順天堂大学・堀賢教授も「頭高アクセント」の

「パ\ンデミック」

と言っていたので、たぶん有働さんは堀教授と打ち合わせをした際に、堀教授が「頭高アクセント」で話していたので、それに合わせたんじゃないですかね?

翌日・・・ってきょうですが、3月13日のお昼の日本テレビ「ストレイトニュース」では後藤春菜アナウンサーが、

「パ/ンデ\ミック」

という「中高アクセント」で読んでいました。

きょうの報告、終わり!

(2020、3、13)

2020年3月13日 20:25

新・ことば事情

7384「ヤイトガツオ」

去年の秋に、辛坊さん達とご飯を食べに行った際に出て来たメニューの一つに、

「ヤイトガツオ」

という魚がありました。「カツオ」は知っていましたが、この「ヤイトガツオ」というのは知りませんでした。この、

「ヤイト」

というのは、

「お灸」

のことですよね。

「ヤイトを据える」

と言いますからね。しかしこれは「お灸」の「関西弁」なのか?それとも「標準語」なのか?ということも話題に挙がりました。

家に帰って調べると、一応「標準語」のようでした。

また、この「ヤイトガツオ」というのは、

「ヤイトを据えたような黒く丸い痕が並んでいるのが特徴のカツオ」

だということでした。この魚の名前を付けたころには、「ヤイト」が一般的なモノだったのでしょうね。食べるとおいしかったです、「ヤイトガツオ」。

(2020、3、12)

2020年3月12日 21:06

新・ことば事情

7383「タクシーは公共交通機関か?」

「新型コロナウイルス」の感染の恐れがある人は、

「公共交通機関を使わずに医療機関に行きなさい」

と、政府は言います。また「3月9日午前0時以降」に中国・韓国から日本に入国する人は、何国人かを問わず、

「自宅か滞在先(ホテル)で2週間、缶詰め状態」

を要請され、そこにたどり着くのにも、

「公共交通機関は使わないように」

と言われています。この際に、

「タクシーもダメ」

と書かれているのを見て、

「そりゃあ、タクシーは閉鎖空間だから、運転手さんにうつる恐れがあるもんなあ」

と一旦、納得したものの、

「じゃあ、自家用車でしか行けないということ?自家用車のない人は、どうすればいいの?」

という疑問と、

「タクシーは『公共交通機関』なのか?」

という疑問が出てきました。

実際に、3月9日に関西国際空港に到着した韓国からの留学生は、

「そうは言っても、全面禁止だとは、思わなかった」

ために、宿泊先へ向かう「足」がなく、そういう事態を予想して関西空港に待機していた、「韓国領事館の職員の車」で送ってもらうという事態になっています。

この「タクシーは『公共交通機関』なのか?」について調べてみました。すると、

2014年4月に書かれた加藤博和・名古屋大学准教授(当時)の論文、

「公共交通として位置づけられたタクシーが果たすべき社会的役割」

というものが出て来ました、その冒頭に、

「タクシーは日本において、バスや鉄道と違い公共交通機関という認識はなされてこなかった。しかし、2002年の規制緩和後に生じた供給過剰や運賃低下を適正化する必要に迫られ、そのための立法において、はじめて公共交通と位置づけられた。そのため『タクシーが公共交通として何を提供するべきか』についての事業者や自治体の意識は高くない状況にある」

と記されていました。そうなんですよね、「タクシー」は「鉄道」「バス」と違うイメージがあります。しかし今回の「新型コロナウイルス」を巡る騒動では、

「タクシーも公共交通機関である」

ということが再認識されたのではないでしょうか。そして同時に、

「公共交通機関を使わないで、どうやって移動すればいいのか?」

という疑問が、おそらく高齢者を中心に生まれたのではないでしょうかね?

だって、一方で、

「高齢者の運転は危ない」「免許は返上すべきだ」

と言われて、その一方で今回のようなケースでは、

「公共交通機関は使うな」

だと、

「動くな!」

と言われているようなもの。そういった人たちに対して、国や自治体がどう対応するのか?が問われているとも言えるのですね。

(2020、3、12)

2020年3月12日 20:56

新・ことば事情

7382「『デブリ』のアクセント」

東日本大震災斎から丸9年。

3月11日の夜7時のニュースで、NHKの高井アナウンサーが、福島第一原発の5号機の中に入って取材・リポートしていました。その際に

「燃料デブリ」

のことを略して、

「デ/ブリ」

「平板アクセント」で話していました。

しかしこれは「頭高アクセント」で、

「デ\ブリ」

ではないでしょうか?

その言葉をよく使う人たちによる「専門家アクセント」で、原発関連の仕事の人たちは、もしかしたら「平板アクセント」なのかもしれませんが。しかし「デ/ブリ」という「平板アクセント」では、何だか、

「出振り」

という漢字を当てはめたくなってしまいます。もしくは「太ること」を指して、

「デブり」

ですかね。

もともとは「フランス語」で、それを見るとやはり「アクセント記号」が、

de(デ)の『e』の上」

についています。

『NHK日本語発音アクセント新辞典』には、この言葉は載っていませんでした。

(2020、3、12)

2020年3月12日 20:34

新・ことば事情

7381「『パンデミック』のアクセント3」

令和ことば事情7356「『パンデミック』のアクセント」と

令和ことば事情7380「『パンデミック』のアクセント2」の続報です。

気になっていた「パンデミック」のアクセントに似ているものに気付きました。

「インターバル」

「パラグアイ」

「ラムズフェルド」

これらの5拍あるいは6拍の外来語は「中高アクセント」と「頭高アクセント」のどちらか悩む言葉ではないでしょうか?(「平成ことば事情1139ラムズフェルドのアクセント」「平成ことば事情4036パラグアイのアクセント」「平成ことば事情6836パラグアイのアクセント」もお読みください)

そう思って、ここで初めて「載っていないだろうな」と思いながらも、「載っていないことを確認するため」に「NHK日本語発音アクセント辞典」で「パンデミック」を引いたところ、何と載っていました!

「パ/ンデ\ミック」「パ/ンデミッ\ク」

という2種類の「中高アクセント」が載っていて、「頭高アクセント」は載っていませんでした。

きょう(3月12日)ニュースを見ていたら、「パンデミック」のアクセントは、日本テレビ「ストレイトニュース」の藤田大介アナウンサーは、

「パ/ンデ\ミック」

という「中高アクセント」でしたが、VTRに出て来たWHO(世界保健機関)のテドロス事務総長の英語では、

「パ\ンデミック」

と「パ」にアクセントがありました。日本語で言うならば「頭高アクセント」ですね。

テレビ朝日のお昼のニュースの野村真季アナウンサーは、

「パ/ンデミッ\ク」

という「ミッ」のところまで高く言う「中高アクセント」でした。

NHKお昼のニュースの三條雅幸アナウンサーは、3月10日と同じく、

「パ/ンデ\ミック」(中高アクセント)

でした。

夕方の日本テレビ「news every.」の中島芽生アナウンサーは、テレビ朝日の野村真季アナウンサーと同じ、

「パ/ンデミッ\ク」

という「ミッ」のところまで高く言う「中高アクセント」でした。

NHK夜7時のニュースの高井正智アナウンサーは、最初、

「パ/ンデ\ミック」(中高アクセント)

でした。つまりここまで、きょう私が耳にした日本人アナウンサーでは、

「パ\ンデミック」

という「頭高アクセント」で読んだ人はいなかったと・・・思ったら、その高井アナウンサーが、

「パ\ンデミック」

と「頭高アクセント」で読んだぞ!そしてその後にすぐ、WHOのテドロス事務局長が、

(3月10日に「エ\ピデミック」と「エ」にアクセントを置く「頭高アクセント」で言ったのと同じアクセントで)

「パ\ンデミック」

と言いましたが、高井アナウンサーはその後の2回はまた、

「パ/ンデ\ミック」(中高アクセント)

で読みました。

また、きょう(3月12日)の夕刊各紙の「パンデミック」の説明文は、

(読売)パンデミック(感染症の世界的な大流行)

(朝日)世界的な流行を意味する「パンデミック」

(毎日)世界的な大流行を意味する「パンデミック」

(産経)パンデミック(世界的な大流行)

(日経)パンデミック(世界的な大流行)

と、おとといの夕刊と微妙に違っていました。

(2020、3、12)

2020年3月12日 19:44

新・ことば事情

7380「『パンデミック』のアクセント2」

令和ことば事情7356「『パンデミック』のアクセント」の続報です。

3月10日ニュースを見ていたら、「パンデミック」のアクセントは、きょうは、

「パ/ンデ\ミック」

という「中高アクセント」が多かったです。

テレビ朝日のお昼のニュースの男性アナウンサー(たぶん大熊アナウンサー)、NHKお昼のニュースの三條アナウンサー、「ミヤネ屋」出演の村中璃子先生、そして宮根さんも、

「パ/ンデ\ミック」(中高アクセント)

でした。先日(2月12日)の加藤厚労相もそうだったので、私もきょうの吹き替えでは、「パ/ンデ\ミック」(中高アクセント)

で読みました。なお、2月の用語懇談会放送分科会で質問した際は、

(TBS)「頭高アクセント」の「パ\ンデミック」が多い気がするが...。

という意見もあったのですが。TBSニュースは見なかったです...。

また、その際にKTVの委員から、

「一部地域のみに流行する『エピデミック』は、原音に近い『エピ/デ\ミック』という『中高アクセント』で言う。『頭高アクセント』で『エ\ピデミック』とは言わない。」

という意見が出て、たしかに英和辞典でもそういうアクセントで載っているなと確認したのですが、きょう(3月10日)のNHKのニュースに出て来た、

「WHOのテドロス事務局長」

の英語の発音を聞いていたら、

「エ\ピデミック」

と「エ」にアクセントがありました・・・。

また、きょう(3月10日)の夕刊各紙の「パンデミック」の説明文は、

(読売)感染症の世界的な大流行

(朝日)世界的な病気流行

(毎日)世界的大流行

(産経)世界的大流行

(日経)世界的な大流行

というように、微妙に各社違っているようです。「ミヤネ屋」では、

「パンデミック(世界的流行)」

とテロップを出しています。

(2020、3、10)

2020年3月10日 18:48

新・ことば事情

7379「『小さい』と『小さな』」

ミヤネ屋のTデスクから質問を受けました。

「『小規模の集団感染』でしょうか?それとも『小規模な集団感染』でしょうか?」

一応、私は、

「小規模な(集団感染)」

と答えたのですが、どちらもあるな。

「小さい~」と「小さな~」の使い分けに似ている気がします。

「小規模の」「小さい」の後には「名詞(もの)」が来ますが、

「あくまで、その『名詞(もの)』がメイン」

で、その「様態」は「小規模」「小さい」という特徴があると。

これに対して「小規模な」「小さな」は、

「『名詞(もの)』を形容するほうの『小規模』『小さな』のほうがメイン」

のような気がします。微妙ですが・・・。

「集団感染」

という言葉は「名詞」ではありますが、

「感染(する)」

という「動詞」を含んでいるので、そういう名詞に係る場合は、

「小規模な」「小さな」

といった「~な」で終わる「形容動詞」的な方が合うのかなと。

『三省堂国語辞典』で「ちいさな」を引くと、

「『小さい』に比べて、数字であらわしにくい」

と書かれていました。

(2020、3、10)

2020年3月10日 18:47

新・ことば事情

7378「『収束』か?『終息』か?」

朝生ワイド「す・またん」の用語担当者から、こんな質問のメールが届きました。

「このところのコロナ報道で『収束』か『終息』か、迷います。他メディアを見ても両方あるようで、話している方は、どちらを意識しているのか。。。(意識してない気もする)

ケースバイケースで判断するしかないと思いますが。いかがお考えでしょうか。疫病は『終息』、事態は『収束』ですから、コロナは『終息』、騒ぎは『収束』なのですが、話し言葉の場合、どちらを指しているのかわからない場合がある、ということです。」

これに関しては、こういう返事をメールしました。

「これは難しいですが、文脈で両方あります。現時点については『コロナウイルスの流行の「収束」』に努め、最終的には、五輪までに『終息』することを希望すると、そういうことだと思います。つまりピークを越えて、その『流行のベクトルがマイナス』に向かい始めたら『収束』。『流行の停止』が『終息』だと思います。」

という感じで私は区別しています。

いずれにせよ、このコロナウイルスが、早く「収束」して「終息」してくれることを、強く願います。

(2020、3、10)

2020年3月10日 18:46

新・ことば事情

7377「ゴメイ」

<2015年1月26日に書き出して、3行だけ書いてほったらかしでした。ゴメイなさい。>

お笑いトリオ「グランジ」のメンバーの一人に、

「五明(ごめい)拓弥」

さんという人がいるそうです。

(ここから、5年ぶりに書き継ぎます)

「ゴメイ」

って変わった名字ですね。お店で呼び出しを受ける時に、

「2名でお待ちのゴメイ(五明)さま」

と言われたりすると

「一体、何名なんだ!?」

と思って戸惑いますよね。

そして「グランジ」が「お笑いトリオ」ですからメンバーは「3名」ですが、つまりなんですか、

「グランジ3名のうち1名がゴメイ(五明)、合わせて何名?」

って、余計にややこしくなりますね。

でも、放送では「名」は使わずに、できるだけ「人」を使うんですけどね。

その後この「グランジ」のメンバーの誰かが、たしか誰か有名人と結婚したんだよな。

あ、大(佐藤大)さんが、女芸人の椿鬼奴さんと結婚したんだった。

それが「2015年」。だから「グランジ」というお笑いトリオを知って、その中に「ゴメイさん」がいると知って、これを書き出したんだったね、今つながった。

それから、もう5年かあ・・・。ボーッとしていると、本当に時間が経つのが早いですねえ...ボーッとしていたわけじゃないですけどね。

(2020、3、9)

2020年3月 9日 20:52

新・ことば事情

7376「團十郎と団十郎」

3月2日の「読売新聞・夕刊」で、ことし「十三代目・市川團十郎」を襲名する市川海老蔵さんを取り上げていました。

その中で、海老蔵さんを指す「十三代目」には、旧字体の「團」で、

「團十郎」

で表し、それ以外は略字体(新字体)の「団」を使った、

「団十郎」

が使われていました。使い分けには何か理由があるのでしょうか?海老蔵さんサイドから、

「十三代目に関しては、旧字体を使ってくれ」

という要望があったのでしょうかね?

役者にとっては、名前はその「字体」も含めて、

「ブランド」

であり、

「字体も固有名詞」

ということなんでしょうね。

昔、作曲家の團(だん)伊玖磨(いくま)さんは、郵便物の宛て先に、新字体の「団」で、

「団 伊玖磨様」

と書かれていると、受け取らなかったそうです。

「俺は『團』だ!断じて『団』ではない!故にこれは俺宛ての郵便物ではない」

ということだったんでしょうねえ。

(2020、3、9)

(追記)

3月12日の「産経新聞・夕刊」に、「十三代目・市川團十郎」の特集記事が載っていました。ここでは、「十三代目」以外で使われているものも、全て旧字体の「團」を使った、

「團十郎」

で、「団十郎」ではありませんでした。そこは「読売新聞」とは違うんですね、「産経新聞」は。

(2020、3、12)

2020年3月 9日 20:50

新・ことば事情

7375「髄膜炎のアクセント」

3月9日の午前中、他局のニュースワイド番組で女性アナウンサーが、

「髄膜炎」

を「平板アクセント」で、

「ズ/イマクエン」

と言って(読んで)いるのを聞いて、違和感がありました。

さっそく『NHK日本語発音アクセント新辞典』を引くとい、やはり、

「ズ/イマク\エン」

という、

「中高アクセント」しか

載っていませんでした。

ちなみに、巻末の「~えん(炎)」という複合語のアクセント一覧を見てみたら、

「〇〇〇\エン」

しか載っていませんでした。用例としては、

「関節炎」「気管支炎」「結膜炎」「脊髄(せきずい)炎」「中耳炎」「虫垂炎」

が載っていました。また(注)として、

「関節炎は『〇〇〇エン(平板)』も」

とありました。他は全部「中高アクセント」で、「炎(エン)」の「エ」の前で下げるということですね。個人的には「結膜炎」は「平板アクセント」で言うのを聞いたことがあるような気がするな。

なお、同じ番組の男性アナウンサーは、ちゃんと「中高アクセント」で、

「ズ/イマク\エン」

と言っていました。

(2020、3、9)

2020年3月 9日 11:38

新・ことば事情

7374「産生」

新型コロナウイルスの「ワクチン」の製造に着手した、大阪大学大学院の

「森下竜一・寄付講座教授」

を、3月6日の「ミヤネ屋」のスタジオにお招きして、ワクチンについての解説をしてもらいました。

その際に、森下先生が記者発表で使われた資料を「ミヤネ屋」でも使わせていただいたのですが、その中に、

「抗体を産生」

という言葉が出て来ました。これは、

「生産」

の間違いではないのか?と思ったのですが、一応、辞書を引いて調べてみました。

すると、ちゃんと、

「産生」

という言葉が載っているではないですか!この分野では使われる専門用語なのですね。

でも、テレビではどうしても、

「『生産』の間違いではないか?」

と視聴者に思われることでしょう。そこで、この文言は、

「抗体を作る」

に変えて放送しました。

(2020、3、6)

2020年3月 9日 11:35

新・ことば事情

7373「最大戦速」

『ビッグコミック』に連載中の、かわぐちかいじの漫画空母いぶき GREAT GAMEを読んでいたら、

「最大戦速」

という言葉が出て来ました。自衛隊の船の船長の発言のシーンです。

「へえ、軍隊(自衛隊)用語では、こういう言葉があるのか」

と、思ったのですが、よく考えると、これはもしかして、

「最大船速」

なのではないかと思いました。

そこでグーグル検索(3月5日)をしてみたところ、

「最大戦速」=11万3000件

「最大船速」= 1万1400件

と、「戦速」「船速」両方出て来て、「戦速」のほうが10倍ぐらい使われているではないですか!「戦速」で正しいのか!

そして、「最大戦速」の説明の一番上に出て来た掲示板には、こう記されていました。

「海上自衛隊及び日本帝国海軍の艦船は、

『微速、半速、原速、強速、第一~○戦速、最大戦速、一杯』

の順に速度が速くなります。」

へえー知らなかった!

国語辞典も、いくつか引いてみましたが、載っていませんでした。

(2020、3、9)

2020年3月 9日 11:31

新・ことば事情

7372「バンペイユ」

6年前の「2014年2月13日」に初めて見かけた果物(フルーツ)は、大きなミカンでした。私の知っているカンキツ類で言うと、

「ザボン」

のような大きさの感じのものですが、名前が違いました。売り場には、こう書かれていました。

「バンペイユ(晩白柚)」

恐らく、「中国語の読み方」なのでしょうね。でもそれだと、

「『ペイ』は、『白』ではなく『北』」

のような気もしますが、「白」は「ハク」。それは日本語の音読みか。麻雀の話。

あれから6年、この「バンペイユ」は、だいぶ一般的になって来たようですね。

その証拠に、「2019年9月22日」に見つけた商品の写真が、これです。

20200306.jpg

果物からそれを利用したお菓子になっています。それだけ一般化した証拠ですね。

それと、「くまモン」が宣伝していることが示すように、

「熊本県八代市」

の名産品になったようです。

(2020、3、6)

2020年3月 6日 20:51

新・ことば事情

7371「3・11」

「3月11日」

が、またやって来ます。

「東日本大震災」

2011年3月11日でした。

あれから丸9年。

大阪も揺れたんですよ。

ことしは、「新型コロナウイルス」対策のために、政府主催の式典が「中止」となってしまいました。

仕方ないとは言え・・・。

それを報じた3月6日の夕刊各紙を見て、この「3月11日」も見出しで記しているかを見ました。朝日新聞と産経新聞のみ、見出しに「日付」を使って居mした。

(朝日)「3・11追悼式典中止」閣議決定

(産経)3・11追悼式中止を決定

ともに、日付は、

「3・11」

というように、「・」(中黒)を使っていました。

これが、まだ震災や事件・事故から近い時期は、

「3.11」

のように「.」(ドット)になるのではないか?

「1・17」(阪神・淡路大震災)

「9・11」(米・同時多発テロ)

のように、

「歴史的出来事」

になると「・」(中黒)になるのではないでしょうか?

実際、歴史的な事件の、

「5・15事件」「2・26事件」

も「・」(中黒)で、教科書などでは「アラビア数字(洋数字)」ではなく「漢数字」で、

「五・一五事件」「二・二六事件」

と書くようですね。

これに関する過去の「新聞用語懇談会」での討議では、8年前(2012年2月)の放送分科会で一度、議題に上っています。その際は、

『「3・11」「9・11」「1・17」という「・(中黒)」表記を目にするが、これは正しくは、「サン・テン・イチイチ」のように「テン」で読むときは、

「3.11」「9.11」「1.17」(ピリオド)

ではないか?「中黒(・)」で書く「2・26〔事件〕」「5・15〔事件〕」では「中黒」を読まずに、「ニーニーロク」「ゴーイチゴ」とするが。

→(読売テレビ)『放送で気になる言葉2011』では、阪神大震災を「1・17」と表記して「イチ・テン・イチナナ」と読むようになっている。つまり、原則はそうかも知れないが、必ずしもそうはなっていない。』

ということでした。

(2020、3、6)

2020年3月 6日 18:48

新・ことば事情

7370「合説」

2月26日に見かけた言葉に、

「合説」

があります。恐らく、

「ごうせつ」

と読むのでしょうが、省略語ですね。「豪雪」ではありません。元の言葉は、

「合同説明会」

でしょう。「就職活動用語」の一つですね。何でも略すなあ。

でも、「合同〇〇」という言葉は、

「合同コンパ」→「合コン」

「合同ハイキング」→「合ハイ」

など、学生の言葉としては、元々略されていましたね。もっとも、

「合ハイ」

は、私が学生時代だった40年ほど前にギリギリ使われていたもので、その当時でももう「死語」

になりかけていましたが。当時、私たちのクラブ(合唱団)の「合ハイ」は、

「新宿御苑」

でやっていました。今だと「桜を見る会」ですね。同じ日のその後に渋谷のパブで行われていた「合コン」の会費は「3000円」だったかな?「2500円」だったかな?「5000円」でなかったことは確かですが、それにしても当時の学生にしては高額でした。

今、「合ハイ」と言うと、

「チューハイの一種か何か」

と間違えられそうですね。

この他、学生関係の省略語で言うと、

「就職活動」

を略して、

「就活」

と言い始めたあたりの言葉が初めて使われ出してから、もう20年。すっかり定着し、それどころか

「〇活」

という言葉の形で、より広く広がりましたね。

この20年で活用され定着した省略語は、この、

「〇活」

と、「セクシャル(セクシュアル)・ハラスメント」から広がった、

「〇〇ハラ」

ではないでしょうかね。ちなみにグーグル検索では(3月6日)、

「合説」=129万件

「合説・合同説明会」=8万3700件

もありました!!

(2020、3、6)

2020年3月 6日 18:46

新・ことば事情

7369「クロノスとカイロスと新型コロナウイルス」

きのう、風呂の中で、ふと考えました。
今回の「新型コロナウイルス対策」の「全校休校」「外出自粛要請」で、
「これから1~2週間が瀬戸際」
と言われたことに関して、
「時間の進み方」
の中の、
「『クロノス』と『カイロス』」
の問題についてです。「クロノス」と「カイロス」というのは
*「クロノス」=過去から未来へ一定速度・一定方向で流れる「物理的時間」のこと。
*「カイロス」=速度が変わったり、繰り返したり、逆流したり止まったりする、人間の内面を流れる「意味的時間」のこと。

ですね。つまり今回は「物理的時間」の「クロノス」によってしか進まない、
「ウイルスの感染拡大阻止・終息」
を目的として、「全校休校」「外出自粛」という方法で、
「『意味的時間』の『カイロス』を『止める』」
ことによって、
「相対的に、クロノス(の針)を進めようとしている」
のではないですかねえ。
風呂の中でだけに、
「エウレカ!」
と叫んだかと言うと、それほどの感動はなかったので、叫んでいません。夜中だったし。
これを一言で言うならば、
「やり過ごす」
ということなのですが。まあ、
「だから何なんだ?」
という話なんですが・・・。

(2020、3、6)



(追記)
和歌山県串本町の「スペースワン」で、民間初のロケット打ち上げが行われた2024年3月13日、ロケットはリフトオフ(発射)から数秒で爆発しました。軌道がずれたので中止措置(爆破)を行ったということです。このロケットの名前が、
「カイロス」
でした。それで気付いたのです。
「あ!『カイノス』ではなく『カイロス』だ!」
と。修正させていただきました。

(2024、3、13)

2020年3月 6日 18:45

新・ことば事情

7368「デスマッチか?サドンデスか?」

他局のクイズ番組を見ていたら、

「先に間違えた方が負けの『デスマッチ方式』」

と言っていました。テロップも出ていましたが、これに違和感がありました。なぜならば、

「デスマッチ」

というのは、

「どちらかが死ぬまで戦い続ける方式」

だからです。まあ、「先に死んだ方が負け」ということですが、普通はそんなにすぐにはギブアップしないでしょう。

この、クイズ番組が言いたかった、

「先に間違えた方が負け」

というのは

「サドンデス方式」

なのではないでしょうか?最近この、

「サドンデス(=突然死)」

という言葉が嫌われているようです。昔はサッカーのPK戦でも、

「どちらか先にゴールを外した方が負けの『サドンデス』」

といっていたのに言わなくなりました。代わりに、

「ゴールデンゴール方式」「Vゴール」

とかの言い換えが行われているようです。最近の、もっと詳しいことは知りませんが。

「サドンデス」はダメで「デスマッチ」はOKという理由もわかりませんが、いずれにせよ、この言葉遣いは間違っていますね。

(2020、3、5)

2020年3月 6日 18:42

新・ことば事情

7367「和菓子の恩」

3月9日放送のNHK「鶴瓶の家族に乾杯!」は、愛知県知多市を街ブラしていました。

鶴瓶さんが駅で見つけたのは、中学3年生の女子二人組。ちょうど高校の入学試験が終わっての帰り道。どこか商店街がないか?と尋ねた二人が案内してくれたお店へ向かう途中、

「もう、卒業式の準備とか、してるのか?」

「卒業式では、何か歌うのか?どんな歌を歌う?」

「『仰げば尊とし』は歌わへんのか?」

と聞いていったのですが、

「あおげばとーとし?」

と彼女らの反応は鈍い。

「知らんか?♪あーおーげばー、とおーとしー、わがーしのーおんー♪って」

と歌って聞かせても、2人はキョトンとしています。

「『わがしのおん』って意味わかるか?」

と聞くと、女の子はこう答えました。

「わがし?日本のお菓子ですよね?」

すかさず鶴瓶さん、

「ちゃうわ!それは『和菓子』や。なんでそんなもんに恩があるねん!『きんつば』に何か恩があるんか!」

と突っ込んでいました。そして「そんなんで、卒業できんのか!?」とまで言っていました。しかし、これ、ちょっと彼女たちがかわいそうだったのは、鶴瓶さんの「わがしのおん(我が師の恩)」のアクセントが、

「ワ/ガ\シノ・オ\ン」

と言ったのです。これだとそりゃ普通は「和菓子」だと思ってしまいますよね。思わんか?ここはちゃんと、

「ワ\ガシノ・オ\ン」

と言うべきでしたが、そこは関西訛り、あるいはわざと「和菓子」を引き出すための「計算されたアクセント」だったのかもしれませんが。

それにしても、そのあとも彼女たちは鶴瓶さんに、

「西暦で言うと何年生まれや?」

と聞かれて、

「『セイレキ』って何ですか?どっち?『二千何年』とか?」

と言っていたので、「和菓子」と合わせて、彼女たちの高校入試の結果が、ちょっと不安になったのでした・・・。

(2020、3、5)

2020年3月 6日 18:38

新・ことば事情

7366「ソープ・オペラ」

新型コロナウイルスの感染者のクラスター(小規模な集団感染)の場所の一つとして、2月15・16日にライブが行われた大阪・京橋のライブハウス、

「アーク(Arc)」

が挙げられています。そこでの感染者が、別のライブハウスにも行っていて感染を広げてしまったようです。そのライブハウスというのは、大阪・西天満にある、

Soup opera classics-Umeda-」(ソープ・オペラ・クラシックス-ウメダ-

というお店です。

3月4日の夜にその発表をした大阪府の吉村知事に対して、取材陣から出た質問にテロップを出す際に、「ミヤネ屋」の若いスタッフが、こういうものを発注しました。

「<Q>ソープも全部検査するんですか?」

その昔、

「トルコ風呂」

と呼ばれた「特殊浴場」がありました。それを知った、トルコ人留学生のサンジャクリさんは、自国の国名が性風俗の名前に付けられていることを知り、しかもそれが伝統的なサウナのような「トルコ風呂」とは似ても似つかないものであることを知って、国の名誉のためにも、「名称の変更」を日本政府に求めました。その要請を受けて、当時の渡辺恒三厚生相(まだ、「労働省」と合体していなかった)は、名称を変えるよう指示して決まった名前が、

「ソープランド」

通称、

「ソープ」

だったのです。1984年(昭和59年)の話、私が入社した年。「昭和」の時代です。

ですから、いくらライブハウスの名前

「ソープ・オペラ・クラシックス-ウメダ-

が長くても、

「ソープ」

と略してしまうのは、いかがなものか?と思い、テロップは、

「<Q>『ソープ・オペラ』も全部検査するんですか?」

に変更して放送しました。

(余談ですがそういえば水泳で「イアン・ソープ」という名前・名字の選手もいましたね。)

ちなみにこの、

「ソープ・オペラ」

の日本語訳は、

「昼メロ」(昼のメロドラマ)

です。アメリカのTVでお昼に放送していた「メロドラマのスポンサー」が、

「石けん(ソープ)の会社」

つまり「P&G」とか「ジョンソン&ジョンソン」とか、日本だと「花王」とかの「家庭用品」「洗剤」の会社だったところから付いた俗称です。テレビマンなら、知っているはずです。

(2020、3、5)

2020年3月 6日 18:37

新・ことば事情

7365「豚熱・豚コレラ」

従来、

「豚(とん)コレラ」

と呼んでいた「ブタの伝染病」の呼称について、農水省は2019年11月に、国際的に使われている、

「CSF(=Classical Swine Fever=古典的な豚の熱病)」

に変更しました。それに伴い各放送局も、

「CSF、いわゆる豚コレラ」

などとナレーションで読み、文字表記(テロップ)は、

「CSF(豚コレラ)」「豚コレラ(CSF)」

などとされてきました。それから1か月余りたった2019年12月24日、

「アルファベットの略称では、法律上の名称とするのは困難」

という見解が法制局から示されたため、「家畜伝染病予防法(家伝法)」の改正案では、日本語の、

「豚熱(ぶたねつ)」(=日本獣医学会が考案)

に改める方針を示し、年明けから名称変更に向けた手続きを始めると発表しました。

「ASF(アフリカ豚コレラ)」

についても、

「アフリカ豚熱」

に変更する方針だそうです。ただし農水省は、

「混乱を招かないため、改正後も呼称はCSFとASFを使用する」

としています。

これに関して新聞各社の用語委員の知り合いに、メールで「どう対応していますか?」と尋ねたところ、返事がきました。

【日本経済新聞】

2月1日付朝刊から変更し、社会面に「おことわり」を出した。

【朝日新聞】

朝日新聞では今のところ「CSF(豚コレラ)」を維持している。改正家畜伝染病予防法が施行されるタイミングで「CSF(豚熱)」か「豚熱(CSF)」への変更が見込まれる。

と「2月4日」に返事があり、その2日後の「2月6日」に、

【朝日新聞】

改正法が2月5日に施行されたため、同日から、

「豚熱、アフリカ豚熱」

を基本とすることになった。初出箇所は、

「豚熱(CSF、豚コレラ)」「アフリカ豚熱(ASF、アフリカ豚コレラ)」

で、「豚コレラ、アフリカ豚コレラ」まで書くかどうかは場合により判断する。

と返事が。そして、

【読売新聞】

弊社では2月5日付以降、

・初出は「CSF(豚熱=豚コレラ)」、「ASF(アフリカ豚熱=アフリカ豚コレラ)

・2回目以降は「CSF」、「ASF

と表記するようにしている。

【毎日新聞】

2月3日の夕方の作業から方針を変更した。「改正家畜伝染病予防法」が今国会で成立し、「豚(とん)コレラ」と呼んでいた家畜伝染病は「豚熱(ぶたねつ)」と変更された。これまで「豚コレラ(CSF)」(2回目以降は「豚コレラ」)

としてきたが、本法の2月5日施行予定を受け、今後は初出を、

「豚熱(CSF)」

2回目以降は、

「豚熱」

とする。政府は「基本的に『CSF』を用いる」としていることにも配慮した。また、同様に「アフリカ豚コレラ」も初出を、

「アフリカ豚熱(ASF)」

2回目以降は、

「アフリカ豚熱」

とし、見出しも、

「豚熱」「アフリカ豚熱」

を使用する。「豚熱」が定着するまでしばらくは、

「従来、豚コレラと呼ばれていた」

などと適宜補って丁寧に説明するよう工夫すること。

【共同通信】

同様の方針で、一致を図る。

そして放送各社に関して、2月上旬の「新聞用語懇談会・放送分科会」に向けて、

「名称変更への対応はどうされますか?」

という質問を出したところ、新聞協会から、

「1月20日に開かれた用語懇談会・関東幹事会でもこれに関する質問があり、在京テレビ局は『対応未定』、もしくは暫定ルールでも『豚熱』使用社はなかった。」

という返事がありました。この時点では「豚熱」はまだ使われていなかったのです。

実際の会議は2月7日、つまり法律の施行(2月5日)の「2日後」でした。

会議では、『新聞用語集2007年版』の「放送で標準とする読み方例」(411ページ)に載せた、

「豚コレラ 〇トンコレラ ×ブタコレラ」

の扱いに関しても質問しました。(これに関しては、「項目自体を削除する」方向になりました。)

その結果、「2月5日の法律施行」を機に、ほとんど全社が、

「豚(トン)コレラ」

の名称をやめて、

「豚熱」あるいは「CSF」「ASF」

に変更していました。

(TBS)移行期間なので、初出は「豚熱、いわゆる豚(トン)コレラ」でやっている。「CSF」「ASF」はあえて使わないが、農水省が「CSF」「ASF」を使っている場合のスーパーフォローでは「CSF(豚熱)」「ASF(アフリカ豚熱)」とする。

(NHK)「豚の伝染病CSF・豚熱」としている。テロップは「CSF(豚熱)」。2月5日から。「おことわり」も出した。

(日本テレビ)2月5日から「豚(トン)コレラ」は、スーパーフォロ―などでも使わない。この会議の前日(2月6日)に、読売テレビ・アナウンス部に、日本テレビからNNN系列に対して、

×「豚コレラ」→〇「CSF、豚熱(ぶたねつ)」「ASF、アフリカ豚熱」

このように一度は読んだり表記して、その後は「CSF」「ASF」と略称のみで使用するで良いことを原則とする。(テロップで、"CSF(豚熱)"と併記形式にすることは自由)。

従来の「いわゆる豚コレラ」、「いわゆるアフリカ豚コレラ」(読み:とんコレラ)は基本、使用しないこととする、というお知らせが届いたそうです。

(2020、2、28)

2020年3月 6日 18:35

新・読書日記 2020_025

『マエストロ時間です~サントリーホール ステージマネージャー物語』(宮崎隆男、ヤマハミュージックメディア:2017、3、10)

3年前に読んで「2017読書日記065」で感想を書いた本。

先日「2020読書日記022」で書いた『至高の十大指揮者』(中川右介)を読んで、

「そういえば、この本には『十大指揮者』は出て来るかな?」

と思って本棚から引っ張り出してきて、パラパラッと読んだわけです。つまり「2020読書日記024『指揮棒は魔法の杖?~マエストロが語る「指揮棒」考』」と同じですね。

こちらには小澤征爾やカラヤンが出て来た。サントリーホールに関わる話ですからね。

前回に読んで書いた時に書き忘れていたこと、誤植の話。見つけたので書いておきます。

43ページに「カーネギーホール」が「一九八一年」(1981年)に建造されたと記されているが、これは明らかに「一八九一年」(1891年)の誤りでしょう。調べてみたら、やはりそうでした。本全体が、ちょっと「自費出版」ぽい感じでした。それはそれで面白い、興味深いのですけどね。


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(2020、3、4読了)

2020年3月 5日 19:16

新・読書日記 2020_024

『指揮棒は魔法の杖?~マエストロが語る「指揮棒」考』(エックハルト・レルケ編、野口剛夫訳、音楽之友社:2007、2、10)

3年前に読んで「2017読書日記063」で書いた本。

つい先日「2020読書日記022」に書いた『至高の十大指揮者』(中川右介)を読んで、「そういえばあの本には、『十大指揮者』は出てきたかな?」

と思って、本棚から引っ張り出してきてパラパラッと読んだ。再読。

今回は巻末の索引で「十大指揮者」を調べてその部分を読んだのだが、実はこの本の著者がインタビューした指揮者の中に「十大指揮者」は出て来なかった。しかし、インタビューをした指揮者たちの話の中には、勿論「十大指揮者」のことも頻繁に出て来た。

この本の中の指揮者と、「十大指揮者」のつながりを知ることが出来た。

たとえば「サイモン・ラトル」の「古楽器」の話や、彼が目を掛けている若い指揮者のインタビューなどもあって、興味深かった。


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(2020、3、4読了)

2020年3月 5日 19:15

新・読書日記 2020_023

『宇宙兄弟37』(小山宙哉、講談社:2020、2、21)

月に取り残された兄・ムッタ。同じチーム6人中4人は、先に地球へ帰還する。

しかし、それもそう順調にはいかない。微細なスペースデブリの衝突によって帰還船に直径5ミリの小さな穴が開く。一体、どこに穴が?気圧が下がる船内。穴を捜せ!これを完璧に修復しなければ、大気圏投入時に大きな支障が...。無事に地球に戻れるのか?宇宙で手術をした女性乗組員は?月に「2人」残されたムッタらの救出作戦は?わくわくドキドキの漫画。雄大な漫画だけど、生活感も十分。


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(2020、3、4読了)

2020年3月 5日 19:13

新・読書日記 2020_022

『至高の十大指揮者』(中川右介、角川ソフィア文庫:2020、1、25)

音楽論ではない。指揮者論でもない。

十大指揮者の「処世術」というか、音楽業界の中でどう生き抜いたか、出世したかという視点。中川右介さんの本は、よく考えたら一貫してそういう視点のように思える。20冊以上読んで、ようやく気付いたかと。そして、

「ヨーロッパの『オーケストラ』と、日本の『歌舞伎』はよく似ている」

と思った。「伝統芸能」なのだ、それぞれ。「歴史」があるのである。中川さんがその両方に惹かれて通じている理由が、少しわかった気がした。

紹介された「10人」の偉大な指揮者は、年代順に、

「トスカニーニ、ワルター、フルトヴェングラー、ミュンシュ、ムラヴィンスキー、カラヤン、バーンスタイン、アバド、小澤、ラトル」。

生で演奏を聴いたことがあるのは、

「小澤とラトルだけ」。

しかも、つい数年前のこと。それ以外でレコ-ドやカセットテープ・CDで聴いたことがあるのが、

「ワルター、フルトヴェングラー、ミュンシュ、カラヤン、バーンスタイン、アバド」。

トスカニーニとムラヴィンスキーは、名前しか知らなかった。

ワルターとフルトヴェングラーとカラヤンは、中川さんの本で前に読んだので、その確認のような感じ。でもフルトヴェングラーって「婚外子が13人」もいたのか!知らなかった。

バーンスタインも大体確認だったが、チェコのハベル大統領とも会っていたのは知らなかったし、「プラハの春音楽祭」のつながりも感動的。

ミュンシュは、フランス人だと思っていたら、実はフランス系ドイツ人。あの「アルザス・ロレーヌ地方」の出身だったとは!アルフォンソ・ドーデの「最後の授業」の舞台ではないか!音楽は国境を超えるけど、やはり色濃く出身の国の影響が出るな。

そのミュンシュの弟子・小澤征爾は、別の本を読んでいたので、これも確認のような感じ。でも、ミュンシュの指揮を少しでも学ぼうと1960年7月「バークシャー音楽祭(後の「タングルウッド音楽祭」)で、ミュンシュ指揮のボストン交響楽団の「ファウストの劫罰」(ベルリオーズ作曲)やベートーベンの「第九」のコーラスに参加していたのは、知らなかった。また、38歳になったばかりの1972年9月の「タングルウッド音楽祭」の開幕演奏会で、ボストン交響楽団の音楽監督として「ファウストの劫罰」を振っているそうです。ベルリオーズの「ファウストの劫罰」は、私も学生時代に、小林研一郎先生の指揮で歌ったことがあるのです!なつかしい!

また、私の誕生日である「1961年8月26日」に、小澤は大阪御堂会館で武満徹の「環」の初演を行っていたと!記号だなと思いました。1998年「長野冬季五輪」の開会式で、小澤が音楽監督となり、衛星中継で世界五大陸を繋いで「ベートーベンの第九」を歌ったのは、テレビで見ていたので覚えているが、あれは感動的でした。

いや、それにしてもここまで詳しく記録を追っていくのは、本当にすごいと思います、中川さん。

ムラヴィンスキーは、ほとんど知らなかったので、そういう人だったのか!と。これも「ソ連」という国、東西冷戦が大きく影響を与えている。時代の波。

クラウディオ・アバドは好きな指揮者なので、興味深く読んだ。アバドは2014年1月に亡くなったが、その時が「80歳」。常に「40代」のイメージだったので、亡くなった時に「80歳」というのは信じられなかった。生で演奏を聴くことはついぞなかったが・・・。カラヤン、アバドの後にベルリンフィルの常任指揮者になったサイモン・ラトルは、一番若いので、それほど詳しくは書かれていなかったような気がした。

オーケストラの音楽監督・首席指揮者を「マエストロ」と呼ぶのは知っていたが、

「シェフ」

とも呼ぶのは知らなかった。

また、ラトルの項に書かれていた「オーケストラの配置」で、ステージに向かって左側に「第一ヴァイオリン」その横の真ん中に近い所に「第二ヴァイオリン」が並ぶ形は、20世紀に入ってストコフスキーが始めたとされるので、

「ストコフスキー配置」

というそうです。それに対して「第二ヴァイオリン」が向かって「右側」に並ぶのはステレオ効果のような感じで、

「対向配置」

と呼ぶそうです。ラトルは、ウィーンフィルにその並び方を求めたと。やっぱり、そういう配置もあるのか。大変勉強になりました。


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(2020、3、3読了)

2020年3月 4日 19:56

新・読書日記 2020_021

『BLUE GIANT SUPREME10』(石塚真一、小学館:2020、3、4)

感動した!

ロックのフェスティバルに、2組だけ出演したジャズのグループ。

四面楚歌の中で、その中で存分に実力を発揮して、観客を虜にしていく。最初は、

「へん!気取りやがって!」

と敵視していたロックバンドの大御所たちも、その実力を認めていく。そこが感動的。

ライバルのサックスプレーヤーが、主人公のオナジクサックスプレーヤー・大(ダイ)を連れて二人でドライブした、ライバルの故郷(ビートルズと同じ)イギリス・リバプールの丘の光景。リバプールと言えば、前・ベルリンフィルの首席指揮者、サイモン・ラトルの故郷でもある。こんなシーン、どうやって思いついて描いたんだろうか。取材旅行をしたのかな、作者は。感動した!

読み終わって気付いた。これは連載を読んでいるのだが、単行本の「第9巻」、買ってなかったのではないか?


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(2020、3、3読了)

2020年3月 4日 19:47

新・読書日記 2020_020

『プロ野球選手名鑑2020』(日刊スポーツマガジン:2020、2、17)

毎年2月下旬に出たら、仕事のため買ってはいるが、最近はあまり役に立ったことが無い。でも何種類かあるこの手の名鑑では、これが一番、老眼には優しい。つまりは、文字が大きめで読みやすい。

でも、1つ、注文するならば「背番号」が各ページ「右」にあるので、「左側ページ」の「背番号」が真ん中に埋もれてしまって見にくい。「右側ページ」はいいが。「左側ページ」だけ背番号を「左」にはできなかったのだろうか?税込み510円。

サッカー選手名鑑は、まだ出てないのかな?


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(2020、3、3購入)

2020年3月 4日 19:46