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『道浦TIME』

新・ことば事情

7367「和菓子の恩」

3月9日放送のNHK「鶴瓶の家族に乾杯!」は、愛知県知多市を街ブラしていました。

鶴瓶さんが駅で見つけたのは、中学3年生の女子二人組。ちょうど高校の入学試験が終わっての帰り道。どこか商店街がないか?と尋ねた二人が案内してくれたお店へ向かう途中、

「もう、卒業式の準備とか、してるのか?」

「卒業式では、何か歌うのか?どんな歌を歌う?」

「『仰げば尊とし』は歌わへんのか?」

と聞いていったのですが、

「あおげばとーとし?」

と彼女らの反応は鈍い。

「知らんか?♪あーおーげばー、とおーとしー、わがーしのーおんー♪って」

と歌って聞かせても、2人はキョトンとしています。

「『わがしのおん』って意味わかるか?」

と聞くと、女の子はこう答えました。

「わがし?日本のお菓子ですよね?」

すかさず鶴瓶さん、

「ちゃうわ!それは『和菓子』や。なんでそんなもんに恩があるねん!『きんつば』に何か恩があるんか!」

と突っ込んでいました。そして「そんなんで、卒業できんのか!?」とまで言っていました。しかし、これ、ちょっと彼女たちがかわいそうだったのは、鶴瓶さんの「わがしのおん(我が師の恩)」のアクセントが、

「ワ/ガ\シノ・オ\ン」

と言ったのです。これだとそりゃ普通は「和菓子」だと思ってしまいますよね。思わんか?ここはちゃんと、

「ワ\ガシノ・オ\ン」

と言うべきでしたが、そこは関西訛り、あるいはわざと「和菓子」を引き出すための「計算されたアクセント」だったのかもしれませんが。

それにしても、そのあとも彼女たちは鶴瓶さんに、

「西暦で言うと何年生まれや?」

と聞かれて、

「『セイレキ』って何ですか?どっち?『二千何年』とか?」

と言っていたので、「和菓子」と合わせて、彼女たちの高校入試の結果が、ちょっと不安になったのでした・・・。

(2020、3、5)

2020年3月 6日 18:38