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『道浦TIME』

新・ことば事情

7174「ビイル」

先月の新潟出張で見つけた「風味爽快ニシテ」という地元のサッポロビールのラベルには、

「新潟限定ビイル」

という表記が。

20190621.jpg

普通は、

「ビール」

というように「長音符号」(「-」)で引っ張りますよね。でもこれは

「イ」

という表記を使っていて、ちょっと「レトロ」な感じがしました。

でも、昔は本当に「ビイル」と書いたのかな?と思って、少し古めの本を読んでみることにしました。そのうちの一冊は、

「太宰治」の『ろまん燈籠』」(新潮文庫:1983、2、25第1刷・2004、8、30第25刷)=「2019読書日記075」で、そこに、

「ビイル」(15・188・218・219・236・237・238)

が出て来ました!(数字はページ数)

その他の「長音符号を使わない長音」も記しておきます。

モンテエニュ(11)

ゲエテ(11)

ホオムズ(19)

セエタア(31)

デリカシイ(40)

ピアノのキイ(52)

モオツアルト(52)

メンデルスゾオン(52)

アアメン(52・53)

ウイスキイ(66)

ロオマンス(66)

ミルクホオル(70)

電車のレエル(71)

シルレルの詩(74)(=ベートーベンの「第九」の歌詞「歓喜の歌」を書いた「シラー」)

二階のホオル(78)

外国のサアカス(78)

バアナアド・ショオ(84)

ビヤホオル(85・188)

ヴェルレエヌ(97・98)

ファン・レタア(132)

純白のシイツに寝る(154)

タキシイ(155)

ラジオニュウス(164)

重大なニュウス(165)

クリイム(167)

銀座裏のバアの前(179)

ニイチェ(183)

つぎのペエジ(183)

ウィスキイ(186・189)

ビエルなど東北訛りが(188)

店のカウンタア(189)

モオニング(249・250・251・252)

ユウモア(260)

そういえば、小林秀雄のエッセイのタイトルも、

「モオツアルト」

だったなあ。「-」を使わないと、

「のんびりした感じ」

がしますね。

(2019、6、20)

2019年6月21日 09:11

新・読書日記 2019_078

『真夜中の太陽』(米原万里、中公文庫:2004、8、25)

米原万里さんが亡くなってもう13年経つのか・・・2006年の5月25日没。

ツイッターで見かけた「ブレジネフ書記長」に関するアネクドート(政治的小噺)を、どこで読んだのか、阿刀田高か米原万里か?と思って、米原さんの本を読み返してみた。ブレジネフのアネクドートは見つからなかったが、斜め読みしていて気付いた。

15年前の本は、字が小さい。

いや、そういうことではなく、

「米原万里さんのエッセイは、それ自体がアネクドートである」

と。クスッと笑わせて、チクッと刺す。

「1990年代後半から2000年代前半にかけて、あれだけ忠告したのに、ほ-れ、ごらんなさいな」

と、あの世で言っていることだろう。


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(2019、6、18読了)

2019年6月20日 19:07 | コメント (0)

新・ことば事情

7173「栄耀栄華と栄誉栄華」

4月下旬、「ミヤネ屋」のテロップチェックをしていたら、ある人の発言コメントをフォローするテロップに、

「栄誉栄華」

というのがありました。あれ?何かおかしいぞ・・・・そうか、これは、

「栄耀栄華」

だ!しゃべっている人が、

「エイヨーエイガ」

の「ヨー」を短めに、

「エイヨエイガ」

と言ったように聞こえたのでしょうね。発注をしたディレクターに、

「これは『栄誉栄華』じゃなくて『栄耀栄華』だよ!」

と言って直したのですが、実は、

「若いディレクターは、誰も『栄耀栄華」という言葉を知らなかった』

のです・・・。そんな時代なのか。まさに「栄耀栄華」は過去の物・・・。

(2019、6、20)

2019年6月20日 19:02 | コメント (0)

新・ことば事情

7172「刺さる」

最近、何気なく聞いていて増えてるなあと思う表現に、

「刺さる」

があります。あるいは、さらに強調表現として、

「突き刺さる」

「何」が「どこ」に「刺さる」のかというと、

「畳に包丁が刺さる」

のではありません。

「心に<何か>がインパクトを与える」

という意味です。つまり、これまでの言葉で表現すると、

「心を打つ」

という意味だと、私は感じています。

耳にはしますが、私は使ったことはありませんし、多分、今後も使わない表現です。

ひと昔前に、

「心が折れる」

という言い方が出て来て定着しましたが、これも私は使いません。

折れたり刺さったり、なんか痛そうなのですよね、今の人たちの「心」は。

グーグル検索では(6月20日)

「心に刺さる」  =163万0000件

「心に突き刺さる」= 53万4000件

でした。トップに出て来た「コトバンク」で「心に刺さる」を見ると、

「『胸に刺さる』を見よ」

となっていて、「胸に刺さる」を見ると、

「心に強い衝撃を受ける。心に刺さる。(例)恩師の言葉が胸に刺さる」

とありました。

「胸に刺さる」「心に刺さる」

という言葉から「胸に」「心に」を省略した言い方が、

「刺さる」

なのですね。でも「胸に突き刺さっ」たら、死んじゃうよ。

(2019、6、20)

2019年6月20日 19:00 | コメント (0)

新・ことば事情

7171「セットリスト」

昔は聞かなくて、いつの間にか耳にするようになった言葉に、

「セットリスト」

があります。コンサートに行くと、ロビーの掲示板に、

「きょうのセットリスト」

なんて書かれています。もう、この言葉も定着したのでしょうか?これまでなら、

「演奏曲名」

と書いていたと思うのですけどね。

国語辞典には載っているのか?

『広辞苑』『精選版日本国語大辞典』『新明解国語辞典』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『旺文社標準国語辞典』『現代国語例解辞典』『新選国語辞典』『岩波国語辞典』『三省堂国語辞典』を引いてみましたが、

「セットメニュー」「セットポジション」「セットポイント」「セットプレー」「セットアッパー」「セットバック」

などは載っていましたが、「セットリスト」は載っていませんでした。

しかし!ことし1月10日に出た(奥付が。実際は去年の秋に出ている)新しい辞書、

『三省堂現代新国語辞典』

には載っていました。さすが!

*「セットリスト」=コンサートの曲目。セトリ。

そうそう、

「セトリ」

と略すんだよね。グーグル検索では(6月20日)、

「セットリスト」=1140万件!!

そんなに!そして省略形の「セトリ」は、

「セトリ」   = 711万件

これも結構多い。「セドリ」ではないからね。

ライブコンサートに行くと、よく使われている言葉ですね。

(2019、6、20)

2019年6月20日 18:58 | コメント (0)

新・ことば事情

7170「割卵」

一人で夕飯を食べていた「うどん・そば・丼屋さん」で、カウンターの中に、おそらく「食中毒予防マニュアル」のようなものがあるのが、目に入りました。そこには、こんな文言が。

「割卵は使う直前に」

この中の、

「割卵」

という言葉が目に留まったのです。初めて見る熟語です。おそらく、

「カツラン」

と読むのでしょう。意味は見て字のごとく、

「生卵を割ること」

でしょう。おそらく「カツドン」も「カツラン」して作るんだろうなと思いました。

果たしてこの言葉、辞書に載っているのかなあ?

『広辞苑』『精選版日本国語大辞典』『新明解国語辞典』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『旺文社標準国語辞典』『現代国語例解辞典』『三省堂現代新国語辞典』『新選国語辞典』『岩波国語辞典』を引いてみました。しかし、「カツライス」や「かつらむき」は載っていましたが、「割卵」は載っていませんでした。

しかし、

「料理関係の言葉は、料理に詳しいNHK放送文化研究所の塩田雄大さんが担当しているはずだから、もしかしたら載っているかも...」

と思った『三省堂国語辞典』には、予想通り、載っていました!素晴らしい!

*「かつらん(割卵)」=(文)たまごを割ること(例)割卵機・割卵工場

「文語」だったのですね、「割卵」は。勉強になりました。

と、ここまで書いて、ちょっと過去の原稿を調べたら・・・、

「平成ことば事情5357 液卵&割卵」

で、「割卵」について書いていました、5年前に!しかも『三省堂国語辞典』を引いていました・・・。

全然、身についてないじゃん!

(2019、6、19)

2019年6月20日 18:55 | コメント (0)

新・ことば事情

7169「和ラスク」

先日、「ミヤネ屋」にご出演頂いているSさんから、スタッフの皆さんへと差し入れとして頂いたのが、写真の、

「和ラスク」

です。

20190619_3.jpg

頂きました、美味しかったです。Sさんありがとうございます!

それにしいても、今や何でもかんでも、

「和」

が付きますね。これも

「和スイーツ」

の一種なんでしょうか?

過去に書いた「和〇〇」には、

平成ことば事情7107「和パスタ」

「平成ことば事情6826和豚の読み方」

「平成ことば事情6569和グラノーラ」

「平成ことば事情6557和ジェラート」

「平成ことば事情6428和ジェラート」

「平成ことば事情4203和栗のモンブラン」

「平成ことば事情0521和チック」

などがあります。あわせてお読みください。

グーグル検索では(6月19日)

「和ラスク」=3万2000件

でした。美味しければ、まあいいんですけどね。

(2019、6、19)

2019年6月19日 18:39 | コメント (0)

新・ことば事情

7168「グレーチング」

近くのホ-ムセンターで、こんな看板を見つけました。この、

「グレーチング」

って、何でしょうか?あまり私は見慣れない言葉です。何かの工具かな?

20190619_2.jpg

ネットで調べたところ、

「側溝の蓋、すのこ、格子」

のことを言うようです。うーむ、ホームセンターっぽい物体だ。

国語辞典には載っているのか?引いてみましょう。

『広辞苑』『精選版日本国語大辞典』『新明解国語辞典』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『旺文社標準国語辞典』『現代国語例解辞典』『三省堂現代新国語辞典』『新選国語辞典』『三省堂国語辞典』『岩波国語辞典』を引いてみましたが、「グレーチング」は載っていませんでした。

(2019、6、19)

2019年6月19日 18:13

新・ことば事情

7167「水配管」

ヴィッセル神戸の試合を見に行った5月末、神戸の地下鉄の車内で見つけた広告に、こんな文字が。

「水配管を延命!!」

この、

「水配管」

というのは聞き慣れません。

20190619.png

「配水管」

ではないのか?と思ったのですが、もしかしたら、「はいすいかん」と言うと、

「排水管」

と同音で紛らわしいので、「あえて逆」にしているのかもしれないなとも思いました。

グーグル検索では(6月19日)、

「水配管」= 153万件

「配水管」= 301万件

「排水管」=2010万件

「廃水管」=     1530件

でした。あ、そうか「水配管」の読み方は、もしかしたら「はいすいかん」ではなく、

「みず・はいかん」

かもしれませんね。

(2019、6、19)

2019年6月19日 18:01

新・ことば事情

7166「警官か?警察官か?2」

平成ことば事情6398「警官か?警察官か?」の関連です。

その後の「警察官」「警官」の表記、気付いた時にメモしていました。

2018年4月11日夜、滋賀県彦根市の河瀬駅前交番で、勤務中の警察官(犯行当時19歳の巡査)が、貸与された拳銃で上司の警察官(事件当時41歳・巡査部長)を射殺した事件で、4月11日「毎日新聞・夕刊」が、

「警官」

4月12日「毎日・朝刊」は、

「巡査」

4月12日のMBS(毎日放送)関西ローカルでは、帯スーパーとサイドスーパーは、

「警官」

で、ナレーションは、

「警察官」

でした。

同じ12日の朝刊の見出しは、全紙、

「警官」

でした。

2018年9月19日早朝に、宮城県仙台市宮城野区の東仙台交番が、ナイフなどを持った21歳の大学生に襲われ、33歳の巡査長が死亡するという事件が起きました。

この報道では、9月21日のNHKのお昼のニュースでは、ナレーションもスーパーも、

「警察官」

でした。

(2019、6、19)

2019年6月19日 17:46 | コメント (0)

新・ことば事情

7165「きゅうりか?キュウリか?」

近くのホームセンターで、「キュウリ」の苗を売っていました。いろんな種類があるんですね。その表記を見たら「平仮名」の「きゅうり」と、「カタカナ」の「キュウリ」があったのです。普通、野菜は「カタカナ」で書きますけどね。具体的には、

【平仮名】

「イボありきゅうり」「イボなしきゅうり」「病気に強いきゅうり」

【カタカナ】

「おうち野菜キュウリ夏バテ知らず」「よくなるキュウリ」「半白キュウリ苗」「接木淀苗キュウリ夏すずみ」「キュウリ苗」「昔なつかしいキュウリ」「スティックミニキュウリ」

「きゅうり」「キュウリ」の名前が入っていないものには、

「うどんこつよし」

というものも。想像ですが、

「うどんこ病に強い種」

なんでしょうね。

「きゅうひ強四川」

これは「きゅうり」じゃないのか。

そのほかの植物は、やはり「カタカナ」で、

「トウガラシ」「ナス」「シシトウ」

そして、

「スイカ」「すいか」

は、両方の表記がありました。

また、ナスには、

「やわらか焼きナス」「とろとろ炒めナス」

という「サントリー本気野菜」シリーズのもののネーミングが。苗の段階からすでに、

「料理方法指定」

なんですね!

(2019、6、13)

2019年6月14日 18:55 | コメント (0)

新・ことば事情

7164「背筋が凍る2」

実は「背筋が凍る」は過去に3回書いていますから、その意味では「4」になるかもしれませんが・・・

「背筋が凍る」

の使用例を記しておこうと思います。

4月8日深夜(4月9日午前0時台)放送の日本テレビ『月曜から夜ふかし』の中で、大学生の一発芸、

「はっけよーい、のこらない!」

というのを見たマツコ・デラックスさんが、

「背筋が凍る」

と一言。

また、6月12日の「毎日新聞」夕刊「特集ワイド」の連載コラム「理(り)の眼」というジャーナリストの青木理(おさむ)さんの文章の中で、イージス・アショアの国内配備先候補地の一つである秋田県で、実際に現地に行って計測をせず、無料の衛星写真サービスで"測量"していて、しかも縮尺を読み間違うという初歩的なミスをしていたことが、「秋田魁新聞」の調べで分かったというニュースに関して、

「現地調査もせず、ネット情報で済ませるなどという態度は、お粗末という以前に余りの不実ぶりに背筋が凍るほど。」

と書いていました。その通りだと思います。

(2019、6、13)

2019年6月13日 18:32 | コメント (0)

新・ことば事情

7163「女医」

山形県で50歳の女性眼科医が殺害された事件から3週間。6月12日、容疑者の山形大学に通う23歳の男が逮捕されました。それを報じた6月12日の夕刊各紙の被害者の肩書の表記を見ると、

(見出し)               (本文)

(読売)医師殺害 山形大生逮捕            眼科医師

(朝日)眼科医殺害容疑 山形大生を逮捕        眼科医

(毎日)山形大生 女医殺害容疑            眼科医

(日経)大学生の23歳男逮捕 山形の女性医師殺害容疑 医師

(産経) 記事なし

でした。

ということで私が気にしたのは、毎日新聞のみ使っていた、

「女医」

という表現です。そこに注目して並べ直すと、こうなります。

(見出し)  (本文)

(読売)医師     眼科医師

(朝日)眼科医    眼科医

(毎日)女医     眼科医

(日経)女性医師   医師

(産経) 記事なし

ということです。問題は3つあります。

(1)「女性」という性別

(2)「眼科医師」か「医師」か

(3)「眼科医師」か「眼科医」という省略形か

この3つをどう扱うか。そもそもこの事件での「被害者に関するニュースの要素」は2つ。

(1)「女性である」ということ

(2)「眼科」の「医師」ということ

ですね。それをどう扱っているかということになります。

6月13日のテレビニュースを観察したところ、テロップ表記は、

(日本テレビ)女医(「スッキリ」「ストレイトニュース」)

(NHK)女性医師(正午のニュース)

(テレビ朝日)女性医師(昼ニュース)

(フジテレビ)眼科医(昼ニュース)

「TBS」見逃したというか確認できませんでした。

また、この日の朝刊の「ラ・テ欄」(関西版)では、

(日本テレビ)独身女医(「スッキリ」)

(MBS)女性眼科医(「朝チャン!」)、女医(「ひるおび!」)

(カンテレ)女性医師(「とくダネ!」)

でした。「スッキリ」は、

「独身」

もニュースバリューに上げて来ましたが、これは「週刊誌的」な視点ですね。

「2016年3月9日」に書いた文章に、「タレント」としてテレビ出演もしていた「女性の医者」が、金をだまし取ったとして逮捕されたニュースを放送した際、当初は、

「タレント女医」

というスーパーが出ていたと。しかし「女医」は要注意の表現。

「職業名」

としては「女医」は使いません。「対」の言葉として「男医」があれば別ですが、ありません。ジェンダー(性差)に関しては、

「非対称な職業名」

は避けたほうが無難です。(男女ともに「男○○」「女○○」という名称が一般的であればOK)

「医師」あるいは「女性医師」

とすべきだ、と書いています。

×「タレント・女医」→○「タレント・医師」

×「女医」→○「女性医師」

ただし「キャラクター」として、

「セクシー女医」「タレント女医」

などは「カギカッコ付き」で「OK」の場合もあります。実際、テレビ朝日の人気ドラマ『DoctorX(ドクター・エックス)』の冒頭の、田口トモロヲさんのナレーションは、

「これは一匹狼の『女医』の物語である。」

というふうに「女医」を印象的に使っていますが、特に苦情が来たという話は、聞いたことがありません

2016年3月9日付の夕刊各紙は、

*「産経」「毎日」=「女医」

*「読売」「朝日」「日経」=「医師」

と載っていました。この時から「毎日新聞」は「女医」か。「女医」が好きですね。♪「女医to the world」か?(「毎日」は、見出しは「女医」、本文は「タレント女医」とカギカッコ付きでした。)

また、日本テレビ「every」は" "付きの

"美人女医""タレント女医"

でした。TBSの夕方ニュースは、サイドスーパーは、カギカッコなしで、

タレント女医

「職業の紹介」のスーパー&ナレーション原稿は、

「タレントで医師の」

だったようです。

「女医」に関しては「平成ことば事情6586女社長・女医」も、お読みください。

(2019、6、12)

2019年6月13日 18:29 | コメント (0)

新・ことば事情

7162「ロウハニか?ロハニか?」

安倍首相が、日本の総理大臣としては福田赳夫元首相以来「41年ぶり」に、きょう(6月12日)からイランを訪問しています。向こうでは、ハメネイ師を始め、ロウハニ大統領にも会うそうです。41年前...1978年(昭和53年)、私は高校2年生でした。イラン革命の頃、「ホメイニ師」という名前を初めて知って、

「『師』って何やねん?」

と思っていましたね。そういえば先日、元・キャンディーズの伊藤蘭さんが、やはり「41年ぶり」にコンサートを開いたと。キャンディーズ解散の年でもありました、1978年。そんな年でした。それ以来かあ。

この、イランの大統領の名前を、テレビでは日本テレビ系やNHK、TBS、フジテレビは(テレビ朝日は未確認)、

「ロウハニ大統領」

とお伝えしていますが、新聞は2つに分かれています。

(毎日・日経・産経)=「ロウハニ大統領」

(読売・朝日)   =「ロハニ大統領」

つまり「ウ」が入るかどうかですね。

グーグル検索では(6月12日)、

「ロウハニ大統領」=6万9900件

「ロハニ大統領」 =  4000件

圧倒的に「ロウハニ」でした。「ロイター通信」も、

「ロウハニ」

でした。でも「ウィキペディア」は、

「ロウハーニー」

でした。「ハリポタ」のヒロイン「ハーマイオニー」みたいです。

「朝日新聞」は「紙」の夕刊の記事では、

「ロハニ」

だったのに、ネットの「朝日新聞DIGITAL」では、自社の記事ではなく「ロイター通信」の記事を載せているために、

「ロウハニ」

でした。こんなこともあるの?「ロイター」の記事を載せる時には「朝日新聞」の編集権が及ばないということなんでしょうけどね。「朝日新聞DIGITAL」でも自社記事は、

「ロハニ」

でした。なんで「ロイター通信」の記事を載せたのだろう?

いずれにせよ、同じ人物のカタカナ表記が異なると「別人」に思えてしまうので、困りますね。

その昔、ロシアの「プーチン」大統領が登場した際には、

「プーチン」「プチン」

の両方の表記がありましたが、

「プーチン」

に統一されました。もう20年前の話なんですね。「平成ことば事情59ウラジーミル・プチン」にそのあたりのことを書いてあります。お読みください。

(2019、6、12)

2019年6月13日 18:26 | コメント (0)

新・ことば事情

7161「午後5時半前」

2019年1月8日のNHKニュースで、

「午後5時半前」

という時刻表記が出て来て、違和感を覚えたというメモがあります。

その後も、6月11日、昼の日本テレビのニュース「ストレイトニュース」(青森放送発)を見ていたら、青森県深浦町で、行方不明の男女二人が崖から転落した車の中から遺体で見つかったというニュースで、

「おととい午後5時半前」

という時刻の表現が。

同じ日の夕方の日本テレビ系のニュース「news every.」(福島中央テレビ発)を見ていたら、別の車の事故で、

「午前5時半前」

という時刻表現が出て来ました。

そして、6月12日の正午のNHKニュース(東京発)を見ていたら、上皇ご夫妻が京都の孝明天皇陵と明治天皇陵を参拝されたというニュースで、

「午前10時半前」

という表現が出て来ました。

「ミヤネ屋」では、「前」は、

「正時(アナログ時計の長針が「12」の位置の時刻)にしか使わない」

ことにして、

「30分=半(アナログ時計長針が「6」の位置の時刻)には『前』は使わない」

ことにして、代わりに、

「ごろ」

にすることにしています。理由としては、例えば、

「午後5時13分」

のことを「午後5時15分」の「少し手前」だからと言って、

「午後5時15分前」

と言ったら、「午後5時」の「15分前」、つまり、

「午後4時45分」

と勘違いしてしまいます。同じく「午後5時28分」を、

「午後5時30分前」

と言ったら、

「午後4時30分」

と勘違いしてしまいます。

「午後5時30分前」がダメなら「午後5時半前」も同じ理由でダメでしょう。

「いや、『半』は『数字(30分)』ではないから、そういう間違いはしないはず」

とも言えますが、基本的には、

「『前』は正時だけに使うこと」

にしておいたほうが、誤用が広がらなくてよい、と私は考えています、放送では。

しかし最近、この「5時半前」が、平気で放送に出て来ているような気がします。

次回の新聞用語懇談会放送分科会で、各社に聞いてみるつもりです。

(2019、6、13)

2019年6月13日 18:24 | コメント (0)

新・ことば事情

7160「ひきこもりか?引きこもりか?」

5月から6月にかけて、嫌な事件が続きました。そこでよく、テレビや新聞で見かけた言葉に、

「ひきこもり」

があります。この表記は、

「ひきこもり」か?「引きこもり」か?

<6月4日>の各紙夕刊などでは、

(読売)引きこもり

(朝日)ひきこもり

(毎日)引きこもり

(産経)引きこもり

(日経)引きこもり

(東京)引きこもり(6月6日ネット記事)

で、「朝日」のみが「平仮名」の「ひきこもり」で、他は全部、漢字の「引」を使った、

「引きこもり」

でした。

テレビで、私がチェックしたものでは、

<6月3日>

(日本テレビ)ひきこもり(「news zero」)

(TBS)ひきこもり(「ニュース23」)「全国ひきこもり〇〇」という団体名も「平仮名」。

<6月4日>

(テレビ朝日)引きこもり

(TBS)引きこもり(団体名は、そのまま「ひきこもり」)

(日本テレビ)ひきこもり(「スッキリ」)

(NHK)ひきこもり(「NC9」)

と、新聞よりは「平仮名」の「ひきこもり」が多いように感じましたが、統一はしていないような、番組によって異なるイメージも受けました。

今後も「ひきこもり」「引きこもり」には注目していきます。

(2019、6、13)

2019年6月13日 18:23 | コメント (0)

新・読書日記 2019_077

『天皇陛下と美智子さまの言葉~国民に寄り添った60年』(近重幸哉、祥伝社:2019、4、10)

天皇皇后両陛下、現・上皇さまご夫妻の皇太子時代から天皇時代までのお言葉をまとめたもの。貴重。一つ一つの言葉が重い。当然のことながら、思い付きの言葉ではなく、練りに練られたお言葉で、一言一句、疎かにできない重みを持っている。

言葉って「軽い言葉」「重い言葉」って言うけれど、本当にそれがあるのだなと思わせる言葉の数々だ。心して読むべし。


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(2019、6、9読了)

2019年6月11日 17:24 | コメント (0)

新・読書日記 2019_076

『現代に生きるファシズム』(佐藤優、片山杜秀、小学館新書:2019、4、8)

目からウロコの一冊。

抜き書きします。

「イスラム原理主義には生産の思想がない。従って、自立できず資本主義体制に寄生することしかできないので、共産主義やファシズムのように抜本的な社会転換をもたらす力がない。」(5ページ)

「労働者にストライキ権を認めず、生産性向上を志向するファシズムは(中略)イタリア型ファシズムとドイツのナチズム(民族社会主義)を区別すること」(6ページ

「イタリア型ファシズムは、国家の介入によって資本家の利潤を社会的弱者に再配分し、戦争によって外国を侵略し、そこから収奪した富で自国民を豊かにするという、民族や文化にとらわれない普遍的な社会理論の性格を帯びている。」(67ページ)

ということで、

「ファシズムは、全てが悪ではない」

という一冊なんですね。ドイツのナチスのようなファシズム(ナチズム)やソ連のスターリン的全体主義はダメだけど、イタリアのムッソリーニ的ファシズムは良かった、という視点なのです。

「えー!?そうなの?」

と思いますよね。排他的な民族主義的なファシズムはすぐに滅びるが、「加わる物はウェルカム」という帝国(主義)的なファシズム・足し算主義(拡大主義)はOKなのだと。本当かなあ。

ファシズムは出自や民族・人種は問わないと。そんな「論理どおり」にいくのかな?いかなかったんじゃないの?

「ファシズム」と「ナチズム」の決定的な違いは「障害者差別」(66ページ)だと。

ナチズムは優生思想で障害者の安楽死や人工中絶手術を行ったが、ファシズム体制下のイタリアでは障害者を保護したと。そうか、日本の「旧・優生保護法」(1948〜1996年)下での強制的な不妊手術の裁判がニュースになっているが、あれもつまりは「ナチズム的」な行動だったのですね。それが戦後もずっと続いていた。日本は「イタリア的ファシズム」ではなかったということか。

少し「本当かなあ」という部分もありながらも、勉強になる一冊でした。


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(2019、5、11読了)

2019年6月11日 17:23 | コメント (0)

新・ことば事情

7159「フレー!の語源」

ふと、思いました。

「応援の掛け声」として出て来る、

「フレー!フレー!〇〇」

の、

「フレー」

は、「外国語」だと思っていました。でも「英語」ではないわなあ、何語だろう?と思っていたのですが、ハタと気付きました。これは、紛れもなく日本語、

「ふるえ(奮え)!」

「ルエ」が「レー」になっているのではないかと。多分、合ってる。

「奮い立つ」

という言葉は使わないでもないけど、

「『奮う』の命令形の『奮え』」

は、今は使わないもんなあ。

(2019、6、10)

2019年6月11日 15:19 | コメント (0)

新・ことば事情

7158「くりまる」

認知症になった父親の介護と家族を描く映画『長いお別れ』を見ました。

認知症の父親は山崎努さん。そして、二女があの蒼井優さんでした。結婚会見の前の日曜日に映画を見たので、結婚のニュースには本当にビックリしました。

その映画の中の印象的なシーン。

結婚も考えていた彼氏が、離婚した妻と娘と会っている姿を見て、これは無理だと思い、仕事もうまく立ち行かずに落ち込む二女の蒼井優さんが、

「つながらないって切ないね」

と漏らすと、父親で認知症の父親・山崎努さんが、こう慰めるのです。

「そう、くりまるな。そういう時は、ゆーっとするんだ。」

と答えます。意味の分からない言葉ですが、蒼井さんはそれを受けて、こう言います。

「くりまっちゃうよ・・・」

これは、心温まるシーンでした。

「くりまる」「ゆーっと」

なんて言葉は、意味が分からないけど、何となくわかる。十二分に伝わる。

結局、コミュニケーションは「伝えたい気持ち・感情」が伝われば良く、「言葉」はそのための「容器」にすぎないのではないか、と「ノンバーバルな(言葉ではない)」感覚を思わせる、"役者ならでは"というシーンだったんですね。

「そう、くりまるな。」「くりまっちゃうよ・・・」

これは、名場面でしたねえ。

(2019、6、9)

2019年6月11日 15:18 | コメント (0)

新・読書日記 2019_075

『ろまん燈籠』(太宰治、新潮文庫:1983、2、25第1刷・2004、8、30第25刷)

2019読書日記071で書いた『二度読んだ本を三度読む』(柳広司、岩波新書)に出て来たので、「そういえば、全部は読んでなかったなあ」と思って、この短編集を本棚から取り出してきて読んだ。

今回は、実は話を読むよりも「言葉チェック」だった。太宰が外来語の表記、特に、

「長音表記」

についてどのように書いているかをチェックしてみました。これは昭和15年(1940年)ぐらいに書かれたものです。

結論から言うと、太宰はあまり「長音符号」の「-」を使わない傾向が見られました。

具体的に挙げます。(数字はページ数)

モンテエニュ(11)

ゲエテ(11)

ビイル(15・188・218・219・236・237・238)

ホオムズ(19)

セエタア(31)

デリカシイ(40)

ピアノのキイ(52)

モオツアルト(52)

メンデルスッゾオン(52)

アアメン(52・53)

ウイスキイ(66)

ロオマンス(66)

ミルクホオル(70)

電車のレエル(71)

シルレルの詩(74)(=ベートーベンの「第九」の歌詞「歓喜の歌」を書いた「シラー」)

二階のホオル(78)

外国のサアカス(78)

バアナアド・ショオ(84)

ビヤホオル(85・188)

ヴェルレエヌ(97・98)

ファン・レタア(132)

純白のシイツに寝る(154)

タキシイ(155)

ラジオニュウス(164)

重大なニュウス(165)

クリイム(167)

銀座裏のバアの前(179)

ニイチェ(183)

つぎのペエジ(183)

ウィスキイ(186・189)

ビエルなど東北訛りが(188)

店のカウンタア(189)

モオニング(249・250・251・252)

ユウモア(260)

<長音符号>

ペーパーナイフ(44)

チョコレート(53)

ヴィクトル・ユーゴー(67)

ビール(97)

ジャンパー(165)

<その他>

グワム空襲(167)

面白いなあ(12)

ばかだなあ(32)

なあんだ(46)

ああ、むずかしい(46)

ということでした。


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(2019、6、6読了)

2019年6月 9日 17:29 | コメント (0)

新・読書日記 2019_074

『空母いぶき1』(かわぐちかいじ、協力・惠谷治、小学館:2015、10、5)

以前、尖閣の問題が起きた頃に、タイムリーな漫画だと思って「読もう!」と買って置いたのだが、どうも登場人物の描き分けがよくわからないので、読めなかったが、今回、映画を見て「よし、これなら読める」と読み出した。知り合いのA先生も「大人買い」したそうだから、私もこれから読むかな。この第1巻は「映画」のお話が始まる前の話でした。楽しみ。


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(2019、6、4読了)

2019年6月 9日 17:25 | コメント (0)

新・読書日記 2019_073

『マリアージュ~神の雫 最終章17』(亜樹直・作、オキモトシュウ・画、講談社:2019、1、23)

新刊発売の広告は出ているものの、本屋さんでも、なかなか見つけることが出来なかった。あまり売れてないのかな?取り寄せてもらいました。

内容は、一番の山場、いよいよ「神の雫」の決戦の大一番、「中華料理」しかも、あの辛い「麻婆豆腐」にマリアージュできるワインを探り当てるという難問。

これ、連載漫画は読んでいたのに、読んだ覚えがなかったんです。見逃していたのかな?

ネタばれですが、要は、王大人が求めていたのは、やはり普通の豆腐ではなく中国・内陸部の海がない地方の豆腐=「にがり」を使わない「石膏豆腐」と呼ばれるもので、それにマリアージュさせなければいけなかったということですね。もう、コナンばりの推理合戦なんですね、このワインの物語は。そこが面白いんですけどね。

次は「日本ワイン」がテーマになっているようですよ!


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(2019、6、5読了)

2019年6月 9日 17:24 | コメント (0)

新・読書日記 2019_072

『警察用語の基礎知識』(古野まほろ、幻冬舎新書:2019、3、30)

サブタイトルは「事件・組織・隠語がわかる!!」

やはり仕事柄、俗語とか隠語とかにも興味がありますからね。

著者は、東大法学部を出て警察庁キャリア警察官。警察大学校主任教授を最後に退官。今は作家。有栖川有栖、綾辻行人両氏に師事したというから、その手の小説なのね。でもこれは、「元職」の「警察」に関する一般書。勉強になりますね、現場の話だし。

詳しくは、読んでもらったらいいんですが、まあ一言で感想を言うと、

「刑事ドラマなどで使われている刑事の言葉は、必ずしも現場では使われていない」

ということですかね。たとえば、「犯人」のことを、

「ホシ」

とは言わないんですって!へえー。

警察・刑事関係の漫画や小説を読むときに、参考になります!


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(2019、6、1読了)

2019年6月 5日 15:11 | コメント (0)

新・読書日記 2019_071

『二度読んだ本を三度読む』(柳広司、岩波新書:2019、4、19)

「一度読んだ本を、二度読む」ことさえ難しいのに「二度読んだ本を、三度も読む」の?

と思ったら、もう著者の術中に、はまってしまっています。

で、この本を買って読んだ。

でもちょっと、やはり買うに値するか(つまり面白いか)を疑って、まず目次を読んでみて、面白そうな本が取り上げられているか確認したところ、紹介された18冊の本の中に、ジョージ・オーウェルの『動物農場』があり、スウィフトの『ガリヴァー旅行記』があったので「よし!」と買って読んだ。

他に紹介されていた本で読んだことがあったのは、『シャーロック・ホームズの冒険』(コナン・ドイル)、『山月記』(中島敦)、『ろまん燈籠』(太宰治)、『キング・リア』(シェイクスピア)ぐらいかな。

実は、漱石の『それから』は読んでいない。『星の王子様』のサン=テグジュペリが書いた『夜間飛行』も読んでいないと思う。司馬遼太郎は『坂の上の雲』は読んだが『竜馬がゆく』は読んでいない。あ、太宰の『ろまん燈籠』も、その中の一編は読んだが、当の『ろまん燈籠』は読んでいなかったから、これを機に読んでみた。そういうきっかけになったので、良い本だと思う。

『動物農場』に関する記述なんか、全部の文章に赤線を引いてしまったぞ!

ぜひ読むべきだ。


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(2019、6、2読了)

2019年6月 4日 21:02 | コメント (0)

新・読書日記 2019_070

『1979年の奇跡~ガンダム、YMO、村上春樹』(南信長、文春新書:2019、4、20)

「1979年」=「昭和54年」という年は、私は高校3年生・受験生でした。もちろん、いろんなことを覚えている年です。その年が、実は「ガンダム」「YMO」「村上春樹」、さらには「ルパン三世 カリオストロの城」「SONY・ウォークマン」「地球の歩き方」「江夏の21球」といった現代につながる伝説的な人・モノ・芸術が始まった年である、という切り口で書かれた本。1979年は「ポップカルチャー・ワンダーランド」だったと。そういえば「軽チャー」なんて言葉が生まれたのは80年代だけど、その「胎動」が、1979年にはあったかもしれない。

1979年にソ連(!懐かしい響き!)のアフガン侵攻が始まって、翌年のモスクワ五輪を、日本はアメリカに歩調を合わせてボイコット。五輪のない年でしたね。

その年に私は大学生活が始まった。東京での下宿暮らし。初めて親元を離れての生活。80年代は「自由」への切符をもらった年でしたね、私は。その意味で、その前年も印象深い年でした。

著者の南信長さんは、1964年生まれ。私、南さんのツイッターをフォローしています。私より3つ年下なので、同じように「青春真っただ中」であったが、やはりこの時期の「中3」と「高3」では、だいぶ感じ方が違っただろうなと思う。今は共に「50代半ばのおっちゃん」ですが。

「1979年」のいろいろなものについて書いてあり懐かしいが、その中に「角川映画と情報誌」についても書かれていて、

「おやおや、これは中川右介さんの縄張りだな」

と思ったら、案の定、巻末の参考文献に中川さんの本も出て来ました。

楽しい一冊でしたね。


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(2019、5、7読了)

2019年6月 3日 20:59 | コメント (0)

新・ことば事情

7157「社員さん」

テレビで若手芸人が、所属する事務所の社員に向けて、

「社員さん」

と呼んでいるのを何度か耳にしましたが、この「さん付け」は、

「過剰敬語」

ではないでしょうか?

「社員」

というのに「さん」を付けなくてはならないような「立場」なのでしょうか?「同じ事務所(会社)」所属なのに。

また、求人広告のコマーシャルで、真剣な顔をした若い男性が、

「決めた・・・オレ・・・」

と、恐らく女性に告白する場面で、

「好きだ」「結婚してくれ」

というのかと思ったら、

「正社員になる!」

と言うのがあります。「正社員」になって「給料が上がって・安定」するから、「結婚してくれ」というつながりなのでしょうね、きっと。つまりあれはギャグでも何でもない。

今、これだけ「非正規雇用」の人が増えた現代においては、

「正規雇用」=「正社員」

という立場が、「かなり希少価値」になっていることの表れなのだろうなと思いました。

そして、芸人が「社員さん」と呼ぶのも、少しそれに関連しているのではないか?という気がしました。あまり、良い響きの言葉ではないですよね、「社員さん」は。

(2019、6、3)

2019年6月 3日 20:58 | コメント (0)

新・ことば事情

7156「寺院」

「寺院」

と言うと「お寺」ですよね。「お寺」と言うと、

「仏教」

ですよね。「神道」なら「神社」ですから。では、

「ウェストミンスター寺院」

は「仏教」か?と言うと、

「キリスト教」

です。また、

「ヒンズー教」

も「寺院」と言います(訳します)し、

「イスラム教」

でも一般的には「モスク」と呼ばれますが、

「イスラム寺院」

と呼ばれることもあります。つまり、

「『寺院』という日本語がカバーするのは『仏教』に限らないのではないか?」

ということです。

ところが、国語辞典で「寺院」を引いてみると、

『広辞苑』=(「院」は支院を指す)寺(てら)。

と極めてシンプル。

『明鏡国語辞典』=てら。また、キリスト教・イスラム教などの礼拝堂。

とあり、こちらの方が実態に即して説明している感じが。

『新明解国語辞典』=(1)「てら」の総称的呼称。(広義では、キリスト教の聖堂や、イスラム教のモスクを指す)(例)イスラム教寺院、ウェストミンスター寺院。

(2)「てら」の本堂とそれに付随する諸建造物を含めた総称。

とさらに詳しくなりますが、不思議なことに、これまでの3つの辞書には「仏教」の「ぶ」の字も出て来ません。

『旺文社標準国語辞典』=てら。僧院。仏閣。

とここで初めて「仏」の文字が。

『精選版日本国語大辞典』=寺とそれに附属した別舎の総称、また、寺をいう。

とシンプルな説明です。引用文が「法隆寺伽藍演技」や「徒然草」であるところから見ると「仏教」のことを指していると考えられます。

『現代新国語辞典』=寺と、それに関連する建物。

と、『精選版日国』と同じような内容、同じようにシンプルです。

『新潮現代国語辞典』=てら。また、寺の本堂。鐘楼・支院・僧坊などの総称。

とあって「仏教っぽい」のに、引用例は、

「モンテ・カヴァロの寺院小庭の泉のほとり」

という「キリスト教くささ」を感じさせるもの。

『デジタル大辞泉』=仏寺とそれに付属する別舎をあわせた称。また、広くイスラム教。キリスト教の礼拝堂にもいう。てら。

と、「仏教・イスラム教・キリスト教」がそろい踏み。でも、「ヒンズー教」は入っていません。

『現代国語例解辞典』=寺。また、広くキリスト教・イスラム教の礼拝堂もいう。

おお、これは必要最小限っぽい。そして、

『岩波国語辞典』=寺。

何これ?手抜きでは?と思って、こっちを引いてみたら、

『三省堂国語辞典』=てら。

シンプルです。そうだけどさ。行の下に余白があるんだし、もう少し説明してほしい。一応「寺」を引いてみると、

「(1)(仏)僧が住んで、仏像をまつり仏堂を修行し、また、仏事をおこなう(建物・場所)(2)(俗)寺銭」

と、「寺」はもう完璧に「仏教」のものです。だとすると「寺院」のほうは「仏教以外の宗教」に触れるべきではないでしょうか?

私が言いたいのは、『岩波国語辞典』や『三省堂国語辞典』の説明は、いくらなんでも不親切ではないか?ということです。ぜひ次の改訂では、もう少し詳しく網羅した説明にしてほしいものですね。

(2019、6、3)

2019年6月 3日 20:57 | コメント (0)

新・ことば事情

7155「花々と花」

ことしの春、「桜の花」が満開の様子を指して書かれた原稿で、

「桜の花々が満開です」

というような表現が出て来て、「ちょっと待てよ」と思いました。

というのも私の語感では、

「花々」=「花の種類がたくさんある」

ことを意味し、

「単に『花』の複数形ではない」

のではないか?と思ったのです。

つまり「1種類の花」は、いくら数が多くても「花々」とは呼ばないのではないか?と。

例えば、「人」の複数形である「人々」や、「村」の複数形である「村々」(注・「ムラムラ」ではない)も、「人」「村」を「々」で繰り返してはいるので「複数」ではあるが、その一つ一つは「決して同じではない」ように思うのですね。すなわち、この繰り返し記号「々」が示す同音の反復は、

「多様な個性」

を示していると思うのです。それに対して「桜の」を断定された「ソメイヨシノ」は、

「多様性に欠ける」

ように思うのですね。

ということで、ここは、「桜の花々が満開」ではなく、

「(総体としての)桜の花が満開」

とすべきではないか?と思い、そのように原稿を直しました。

(2019、6、3)

2019年6月 3日 20:55 | コメント (0)

新・読書日記 2019_069

『東大から刑務所へ』(堀江貴文・井川意高、幻冬舎新書:2017、9、30第1刷・2017、10、1第2刷)

著者というか対談の二人、どちらもはっきり言って好きなタイプではない。でも興味は一応ある。新刊で買って読もうとは思わなかったのだが、たまたま新古書店に行ったらあったので、新刊の定価が820円のところが、古本は300円だったので買って読んだ。

刑務所内での様子と言うのが面白かった。堀江は長野の刑務所で、井川は栃木の刑務所。長野の方が重い犯罪を犯した人も入る所らしいが、ホリエモンによると「メシ」は良かったと。栃木のメシは、井川によるとダメだったと。やっぱり「メシ」の話になるのね、人間、どこかに閉じ込められたら。

私も刑務所ではないが、網膜剥離で病院に入院していた時には、楽しみと言えば「メシ」とか「お菓子」でしたね。酒は飲めないからね。

ま、入りたくはないが、ちょっと知ってみたい「刑務所生活」の「実録対談」ということでは意味のある一冊でした。


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(2019、5、23読了)

2019年6月 3日 16:53 | コメント (0)

新・読書日記 2019_068

『橋を渡る』(吉田修一、文春文庫:2019、2、10第1刷・2019、3、5第2刷)

2014年~2015年にかけて『週刊文春』誌上で連載された小説。『週刊文春』は毎週読んでいるが、連載小説は全く読んでいないので、こんな作品だとは知らなかった。

他の本を読んでいて「これは読むべきだ」と思い、文庫を購入して読んだ。(単行本は2016年に出ていたが、知らなかった。)

物語は大きく分けて「4つ」に分かれている。まず、別々の人物(主人公)の、現代における「3つ」の物語・エピソードが語られる。最初は、

「これは一体、どういうことなんだ?」

と思う・それが4つ目の物語、これは「未来」の話なんだが、そこに収斂していく。ある種の「パラレルワールド」的な、また「縁(えにし)」とでもいうべき感じか。すべてのことはつながっているんだよ、という感じで、「点」と「点」だった内容が「線」に繋がり「面」を構成して立体的になっていく。

これ、単行本や文庫本で一冊になっているからいいけど、「週刊誌の連載」で読者が全体像をつかむのは、相当難しかったのではないか?

この、ある種「ディストピア的小説」から、「現代」を生きる我々は、「未来」を見据えた(予測した)行動を取らなくてはならないと、強く感じた。

そういうことを言いたかったんじゃないのかな?吉田修一は。


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(2019、5、21読了)

2019年6月 1日 22:44 | コメント (0)

新・読書日記 2019_067

『「日本国語大辞典」を読む』(今野真二、三省堂:2018、9、13)

今、飯間さんと並んで、一番精力的に「日本語」のことについて書いてらっしゃるのは、今野先生ではないか。次々本が出る。

これは、あの「あ」から「ん」まで13巻もある日本最大の国語辞典『日本国語大辞典・大二版』を「読んでみた」という企画ですね。私も『新明解国語辞典』は、以前1600ページぐらいのものを2か月かけて読んだことがありますが、これは規模が違う!『日国・第二版』、私も持っているが、読み通そうとは思いません。できません、そんなこと。もうそれをやったら、お坊さんで言うところの「千日回峰」ぐらいなもんで、「日本語の大阿闍梨」ですね。

今野先生は、2010年に出た『そして、僕はOEDを読んだ』という本に触発されて『日国』を読みだしたそうですが、実はその本は、私も買ったが、9年経ってもまだ読んでいない。その差ですねえ・・・。

で、今野先生が読み通して気付いた点を書き出したという一冊。マニアックですねえ。でも、好きです。

もちろんこれは、今改訂中であろう次の『日本国語大辞典・第三版』のためにぜひとも役立てて頂きたいですね。


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(2019、4、25読了)

2019年6月 1日 22:42 | コメント (0)

新・読書日記 2019_066

『鉄条網の世界史』(石弘之・石紀美子、角川ソフィア文庫:2019、1、25)

帯には、

「世界で分断が加速するのはなぜか」

「安価なローテク兵器が人類の冷酷さをあぶりだす」

という文字が。「ローテク兵器」?何のこと?と思いながら読みだす。

著者は同じ「石」という少し珍しい名字。夫婦かと思ったら、何と紀美子さんは「娘さん」だそうだ。お父さんは1940年生まれの元・朝日新聞記者で、娘さんは元・NHK記者というマスコミ家族。でもその後は、二人とも国連や国際関係の仕事をされていたようだ。

ふだん気にも留めない「鉄条網」は、アメリカ西部開拓時代に、牛たちを囲い込むために発明されたものだそうだ。確かに安価で、持ち運び等も手軽でしょう。しかも効果抜群。

しかし、それによって何と「生態系」まで変わってしまったのだという。

そして「動物」を囲い込むものが、次第に「人間」を囲いこんだり、戦争では塹壕の前に張り出して「防御兵器」となったり。

人種の憎悪の「壁」となり、「強制収容所」は「鉄条網」で手軽に作ることが出来るようになってしまった。そして、「ベルリンの壁」、「なげきの壁」...。

そうだ、今トランプのアメリカは、メキシコとの間に「壁」を作っているではないか。「ゲーティッドシティー」というのもあるな。なぜ「壁」で仕切ろうとするんだろう、人間は。「防御」は「安全」のため。その「安全」とは「自分達だけ」というコミュニティー。そのための手段として「鉄条網」が使われる。

究極的には、人間と人間の間に鉄条網なんか使っちゃいけないのではないか?

今、使われている鉄条網は、昔の単純なものよりも効果的な新しいものだという。気付かなかった。

鉄条網がなくなれば、いったん崩れた生態系が元に戻ったという。そこから人間は、何を学ぶのか。

文庫本だけど、大変読み応えのある、大きな内容の一冊です!


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(2019、4、15読了)

2019年6月 1日 22:40 | コメント (0)

新・読書日記 2019_065

『ふたり~皇后美智子と石牟礼道子』(髙山文彦、講談社文庫:2018、11、15)

単行本は、この文庫本と同じく講談社から2015年9月に出ていたが、それは気付かなかった。

平成の終わるこの時期、「皇后・美智子」さま、そして昨年亡くなった「石牟礼道子さん」に惹かれて、そして書き手の「髙山文彦さん」に惹かれて購入。サブタイトルを読まなければ、絶対に、手に取っていない一冊。「平成」のうちに読まねば!と読んだ。皇后さまと石牟礼さんは、期せずして「名前」が同じ「みちこ」だったのだなあと。

そして、その皇后・美智子と石牟礼道子は、数回にわたって会って、言葉を交わしている。

水俣病の患者にも天皇皇后両陛下はお会いになっている。「海づくり大会」という、ご公務の中でも重視されているものが、熊本で行われた際に。

水俣病の元となった有機水銀を垂れ流した会社・チッソの社長を10年に亘って務めた江頭豊は、皇太子妃(現・皇后さま)の雅子さまの「母方の祖父」なのである。息子の嫁(雅子さま)がそういった「重荷」を背負っていることを、義父ぼである天皇皇后両陛下(現・上皇ご夫妻)は、もちろんしっかりと認識している。その上での熊本訪問であった。

「令和」の時代になった際に、皇后・雅子さまの「父方の祖父」(新潟)の話は出てきたが、「母方の祖父」の話は出て来なかった。しかし、皇后となられた雅子さま、そしてその夫である天皇陛下にとって、この問題は終わっていない。今後、どう対応されるのだろうか。何よりも「水俣病」の問題はまだ終わっていないのに、政府も国民も「過去のこと」として関心を示さない。

あれ?これって、同じことが今、起きていないか?

福島の原発・放射能による汚染水の問題は、まだ終わっていないどころか、日々汚染水は増え続けているのに、もう終わったかのように関心を持たない政府、国民・・・。

結局、同じことを繰り返しているじゃないか、ニッポンは・・・。

過去に学ばない民族なのだろうか・・・。


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(2019、4、29読了)

2019年6月 1日 22:37 | コメント (0)

新・読書日記 2019_064

『自選 谷川俊太郎詩集』(谷川俊太郎、岩波文庫:2013、1、16第1刷・2019、2、15第17刷)

「自選」というところに惹かれて買いました。

「クレーの絵本」の詩に曲を付けたものを、学生時代に男声合唱で歌ったけど、それも載っていた(「ケトルドラム奏者」「死と炎」)ので。良い詩ですよ。子ども目線の詩も好きですね。

解説を読んで、あの「佐野洋子」さんと谷川俊太郎さんが結婚していた(3番目の奥さん)と知ってビックリしました。知らんかった!」


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(2019、5、24読了)

2019年6月 1日 21:56 | コメント (0)

新・読書日記 2019_063

『名画で学ぶ主婦業~主婦は再びつぶやく』(田中久美子・監修、宝島社:2019、6、8)

去年「ミヤネ屋」で紹介して、吹き替えを担当しました。先日放送した今回の第2弾も、また吹き替え担当。「トリビアの泉」風にやってみました。今回も面白かった。

でもね、分かりました。「主婦」という仕事の「苦しみの原因」と言うか「笑いの根源」にあるもの。それはつまり「主婦の仕事」は次の「3つ」からできていると。

  1. 家事

  2. 育児

  3. 親戚などの人間関係。

「悩みの元」であり「笑いの元」であるのは、この3つだね。

そこを、夫婦で分かち合っていかないとね、と思いました。笑っているうちはいいけど、いつか爆発しますよ。


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(2019、5、22読了)

2019年6月 1日 21:55 | コメント (0)

新・読書日記 2019_062

『チェ・ゲバラとキューバ革命』(内藤陽介、えにし書房:2019、2、25)

「ポスタルメディアで読み解く」とサブタイトルが付いているが、もう今回これは「ポスタルメディア」はまさに「サブ」で、「チェ・ゲバラ」を狂言回しとして「その時代」を詳しく詳しく、まるでその時代をゲバラと一緒に見て来たかのように説いていく「千夜一夜物語」のような、「世界史の教科書」のような。だって、2段組で693ページもあるんですよ!もう「辞書を読んでいる」ような感じでした。頑張りました。お値段も3900円+税」ですから、辞書並みです。

丁度この本を読んでいる時に見に行ったJリーグの「ガンバ大阪対浦和レッズ」の試合で、レッズのサポーターが振り回している大きな旗に、ゲバラのあの有名な顔のデザインのものがあって、奇遇だなと思いました。

ゲバラはフェデル・カストロの盟友でもあったが、途中で遠ざけられた。カストロと言えばキューバだから、ゲバラもキューバ人かと思っていたら、アルゼンチン人なんですね。しかも"汎中南米人"のような感じなんだなあ。勉強になりました。


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(2019、4、30読了)

2019年6月 1日 21:53 | コメント (0)