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『道浦TIME』

新・ことば事情

4258「一番たのしい」

1229日の日本テレビお昼の「ストレイトニュース」で伝えていた帰省ラッシュのニュース。乗客にインタビューしていて、その字幕スーパーが、

「一番たのしい」

となっていました。「たのしい」は、もちろん漢字で「楽しい」と書けます。ですから、本来であるならば、

「一番楽しい」

と書くのかな?と思うところですが、こうすると、「一番楽」まで漢字がつながってしまい送り仮名の「しい」だけが目立ってしまう。「たのしい」を目立たせるために、「あえて平仮名にした」のでしょう。

同じようなやり方としては、逆に「いちばん」を平仮名で書いて、

「いちばん楽しい」

とする手もあったと思いますが、そのあたりはディレクターの判断なんでしょうね。

もう一つは「一番」も「楽しい」も漢字を使って、その間にちょっと「スペース(隙間)」をあけるという手もあります。つまり、

「一番 楽しい」

とするやり方です。字幕スーパーに関して、同じことを表現するのに色んな手があるということですね。より見やすく分かりやすい表現を、送り手はみんな考えていると思います。

 

(2010、12、29)

2010年12月31日 17:49 | コメント (0)

新・ことば事情

4257「肩付き脚肉」

年末。テレビ通販コマーシャルで、「ズワイガニ」を紹介していました。そこで販売していたのは、

「ズワイの肩付き脚肉」

という代物でした。え?「肩付き」の「脚」肉?

「肩」というのは人間の場合はもちろん、

「腕の付け根」

のことを「肩」と呼びますが、カニの場合は、

「脚の付け根」

「肩」と言うのでしょうか?

あ、でも、「牛肉」では「肩肉」がありますね。の場合も(「四足」ですから)、あれは全部「脚」です。その付け根を「肩」と呼ぶのですね。

『広辞苑』で「肩」を引いて見ると、

(1)人・鳥獣の胴体の、腕・前肢・翼が接する部分の上部。

(2)位置が人の方にあたる所。①衣服の肩にあたる部分②山頂の少し下の平らな所。(例)山の肩③物の、脇の上部。(例)肩書④和船の最も幅広いところの横幅。和船の大きさを示す場合、肩幅何尺何寸という。

(3)肩を使う動作、またその力。①かつぐ力(例)肩を貸す②転じて、負担。責任。(例)肩が下りる③物を投げる力。(例)肩がよい

(4)(肩に倶生神(ぐじょうじん)が宿っていて人の運命を支配するという俗説から)運。(別の説もある。)

 

いやあ、「肩」いろいろな意味を持っているのですね!この後に「肩が怒る」「肩がつかえる」「肩で息をする」「肩で風を切る」など15もの慣用句が並んでいて、日本人がいかに「肩」になじみがあるかがよくわかりました。

そして(1)の意味で、人間だけでなく鳥獣にも「肩」を使うと。その場合は「腕」のほか「前肢」「翼」が接する部分の上部を「肩」と言うと。ただ『広辞苑』は「カニ」については書いていませんね。カニは、どれが「前肢」なんでしょうか?一番上の「脚」が「前肢」にあたるんでしょうか?マンガに出てくるはさみを持ったカニの場合は、確かにはさみの付いてるのが「前肢」のように見えますが、はたしてズワイガニはどうか?

もし「一番上の脚」だとすると、「ズワイの肩付き脚肉」というのは、

「一番上の脚の肉ばかりを集めたもの」

を売っているのでしょうか?すると、残りの脚はどのように売られているのでしょうか?

それを考えると、カニを食べているわけでもないのに、無口になって考え込んでしまいます・・・確認のために一度注文してみますか・・・サイフが・・・妻が許せば・・・・。

(2010、12、29)

2010年12月30日 17:46 | コメント (2)

新・ことば事情

4256「ゆず風呂」

 

12月22日は「冬至」でした。さあ、ここから「春」に向けて、日本も元気が出るといいですが・・・。

さて、「冬至」といえば、「かぼちゃ」を食べる、そして、「ゆず湯」に入るという出来事が思い浮かべられますね。「かぼちゃ」、食べました。おいしゅうございました。そして「ゆず湯」、入り損ねました。「バブ」の「ゆずの香」を買ってあったにもかかわらず・・・。

さて、その「冬至」のニュースで「ゆず湯」が取り上げられていました。

読売テレビのお昼のニュースで紹介されたものは、「ゆず湯」ではなく

「ゆず風呂」

という表現をしていました。何年か前に「ゆず湯」から「ゆず風呂」に名称が変わったのを覚えています。主催者側(銭湯)の呼び名にあわせたというような話だったと思います。

そのことに関して元キャスターで北海道出身のS君から質問が。

「『ゆず風呂』というのは関西弁なんですか?」

「いやあ、知らない。単に、相手さん(銭湯)の呼び方にあわせただけじゃないの?数年前に『ゆず湯』から変わったよな」

と答えてから、各紙夕刊(12月22日)をチェックしてみると、

(毎日)ゆず湯

(朝日)ユズ湯

(産経)ユズ風呂

(読売)表記なし(ユズを浮かべた、と)

でした。産経が「ユズ風呂」ですね。

Google検索したら(12月22日)

「ゆず湯」=44万2000件

「ユズ湯」= 2万2800件

「柚子湯」=18万9000件

「ゆず風呂」=7万2400件

「ユズ風呂」=  4250件

「柚子風呂」=5万8000件

でした。「ゆず風呂」という言い方も(数は「ゆず湯」よりは少ないものの)、一定量、使われているようです。「関西の言い方」かどうかですが、ネット検索で出てきた中には、「下野(しもつけ)新聞」(栃木県)で「ユズ風呂」がありましたし、高知新聞でも「ユズ風呂」を浸かっている・・・いやいや「使っている」ようでしたから、一概に「関西の言い方」とは言えないかもしれません。

そもそも昔は「風呂」と「湯」は別物だったのですね。「風呂」というのはサウナのような「蒸し風呂」をさし、「湯」は浴槽にお湯が入った状態。そのあたりも影響しているのかどうかは全く知りませんが、2種類の言い方があるのはたしかのようです。

(2010、12、23)

12月22日は「冬至」でした。さあ、ここから「春」に向けて、日本も元気が出るといいですが・・・。

さて、「冬至」といえば、「かぼちゃ」を食べる、そして、「ゆず湯」に入るという出来事が思い浮かべられますね。「かぼちゃ」、食べました。おいしゅうございました。そして「ゆず湯」、入り損ねました。「バブ」の「ゆずの香」を買ってあったにもかかわらず・・・。

さて、その「冬至」のニュースで「ゆず湯」が取り上げられていました。

読売テレビのお昼のニュースで紹介されたものは、「ゆず湯」ではなく

「ゆず風呂」

という表現をしていました。何年か前に「ゆず湯」から「ゆず風呂」に名称が変わったのを覚えています。主催者側(銭湯)の呼び名にあわせたというような話だったと思います。

そのことに関して元キャスターで北海道出身のS君から質問が。

「『ゆず風呂』というのは関西弁なんですか?」

「いやあ、知らない。単に、相手さん(銭湯)の呼び方にあわせただけじゃないの?数年前に『ゆず湯』から変わったよな」

と答えてから、各紙夕刊(12月22日)をチェックしてみると、

(毎日)ゆず湯

(朝日)ユズ湯

(産経)ユズ風呂

(読売)表記なし(ユズを浮かべた、と)

でした。産経が「ユズ風呂」ですね。

Google検索したら(12月22日)

「ゆず湯」=44万2000件

「ユズ湯」= 2万2800件

「柚子湯」=18万9000件

「ゆず風呂」=7万2400件

「ユズ風呂」=  4250件

「柚子風呂」=5万8000件

でした。「ゆず風呂」という言い方も(数は「ゆず湯」よりは少ないものの)、一定量、使われているようです。「関西の言い方」かどうかですが、ネット検索で出てきた中には、「下野(しもつけ)新聞」(栃木県)で「ユズ風呂」がありましたし、高知新聞でも「ユズ風呂」を浸かっている・・・いやいや「使っている」ようでしたから、一概に「関西の言い方」とは言えないかもしれません。

そもそも昔は「風呂」と「湯」は別物だったのですね。「風呂」というのはサウナのような「蒸し風呂」をさし、「湯」は浴槽にお湯が入った状態。そのあたりも影響しているのかどうかは全く知りませんが、2種類の言い方があるのはたしかのようです。

(2010、12、23)

2010年12月29日 19:20 | コメント (0)

新・読書日記 2010_244

『オレンジの呪縛~オランダ代表はなぜ勝てないか?』(デイヴィッド・ウイナー著、忠鉢信一監修、西竹徹訳、講談社:2008、7、7)

いま気付いたけど、77日というのは1974年西ドイツワールドカップの決勝戦「西ドイツ対オランダ」戦が行われた日ではないか?それにあわせて発行したのかなあ?

表紙が派手なオレンジ、もちろんこれはオランダ代表のユニフォームの色。

サッカー好き(というか、オランダ好き・クライフ好き)の友人から勧められて、ネットで中古本を購入。定価は1900円なのに、なんと100円で手に入りました(送料が別途250円)。でも、きれいな本でしたよ。得をしました。

さて、本の内容ですが・・・・なぜ、サッカーのオランダ代表は、あれだけ素晴しいサッカーを披露しながら、世界大会クラスで優勝できないのか?ということに関して書かれたマニアックな本です。

実際、ヨーロッパの大会でもオランダ代表が勝ったのは、1988年の欧州選手権だけ。決勝までは、欧州選手権でもワールドカップでも何度も進出しているのに、勝てない。そう言えば、今年の南アフリカ・ワールドカップでも、決勝に進出しながら延長でスペインに負けてしまいました。1974年、"空飛ぶオランダ人"ヨハン・クライフを擁し「トータルフットボール」と呼ばれたオランダ代表は、決勝戦開始早々にPKで先制したものの、泥臭いプレーをする西ドイツに敗れ、1978年にはクライフを欠きながらまたもや決勝に進出するも、地元アルゼンチンの前に延長で敗れてします。この試合、高校生だったけど、夜中にNHKの生中継を観ましたよ、私は。試合中にもかかわらず、ピッチ(当時は「グランド」と言っていた)に紙テープやらなにやらがたくさん投げ込まれて「汚いなあ・・・」と思ったのを覚えています。

その後も「勝負に勝って、試合に負ける」ようなことを繰り返す「オランダ代表」のサッカーに潜む、オランダ人の気質は?というような、本当に細かく幅広い分析が、当時の選手や監督へのインタビューを軸に構成されています。好きな人にはたまらない一冊です。

監修の忠鉢さんは、帝京高校時代は有名なサッカー選手。高校サッカー中継を担当していた頃ですから20年以上前ですが。今は立派な朝日新聞記者。私より8歳ほど年下ですがサッカーをよく知っているだけに、監修としてはうってつけでしょう。


star4

(2010、12、22読了)

2010年12月29日 12:18 | コメント (0)

新・ことば事情

4255「ユーラシア」

1212日の日経新聞「文化」欄に、作家の大崎善生さん「ロワールの森に響く鉄の音」という文章を書いていました。一昨年の夏に大崎さんはユーラシア大陸の東の端から西の果てまでをすべて列車で走りきるという長い旅をしたそうで、その際のことを書いた文章の中に、

「リスボンに着いたときにはユーラシアという言葉がEURO'ASIAと書くことに思い当たり、なるほどヨーロッパとアジアをあわせた大陸なのだと実感させられた」

という一文がありました。

「あ!」

と思いました。たしかに!そうだったのか!

「ユーラシア」は「ユーロ」たす「アジア」か・・・。

これは、

「インドシナ」が、「インド」たす「シナ」

なのと同じだな。

「目黒」と「蒲田」を結ぶ鉄道が、

「目蒲線」

というのと同じで、「大阪」と「和歌山」を結ぶのが、

「阪和線」

というのとも同じですね。「国分寺」「立川」の間にあるから「国立(くにたち)」というのとも似ています。意外と単純な成り立ちの言葉なのだなあ、そしてその名前が成分を表しているのだなあと思ったのでした。

 

(追記)

小駒勝美さんから書き込みを頂きました。

「目蒲線という名称は、200086日になくなりました。この日から目黒駅から多摩川駅までは目黒線、多摩川駅から蒲田駅までは東急多摩川線と呼ばれるようになりました。」

という情報。そうだったのですか!もう10年も前に「目蒲線」という名称は姿を消していたのですね。やっぱり済んでいないとこういう情報は分からないなあ。

私は、もう30年も前になる大学時代、初めて東京で下宿して住んでみて驚いたのが「目蒲線」というシンプルな略し方でした。そして、「国分寺」と「立川」の間で「国立」って・・・と驚いたものでした。もちろん関西も「阪神」「阪和」「京阪」、みんなそうだったのですが、それには驚かなかったのですけど。「播但(自動車道)」だってねえ。みんなそういう略し方なのかなあ。

 

 

(2010、12、22)

2010年12月28日 18:42 | コメント (1)

新・ことば事情

4254「きさんじ」

先日、『声~あなたと読売テレビ』のスタッフと話をしていたときに、スタッフの一人・Aさんから、

「最近あまり耳にしなくなったけど、『きさんじ』というのは、あれは大阪弁ですかね?」

という話が出ました。私も使わない言葉ですが、

「上方落語には出てきますね。大阪弁でしょう。漢字で書くと『気散じ』ですよね?」

と答えてから、『大阪ことば事典』(牧村史陽)を引きました。

 

「きさんじ(気散じ)」=明朗。快活。物ごとにこだわらぬこと。東京では、この語を気晴らしの意味に用いている。」

 

え、そうなの?私も「気晴らし」の意味で理解していました・・・。

また、『全国方言辞典』からの引用で、滋賀県愛知郡・京都・大阪・山口県玖珂郡・高知では「気持ちのさっぱりしていること。さばけていること」の意味ですが、江戸(仙台方言)・和歌山では「のんき。気楽」出雲では「痛快」の意味、さらに長野県東筑摩郡では「すばらしい、りっぱ」という意味であるとも書かれています。ヘエー。

『精選版日本国語大辞典』を引くと、

「(1)わだかまった気持ちを散らすこと。気晴らし。きのせいせいすること。また、そのさま。(2)気苦労のないこと。また、そのさま。気楽。のんき。」

とありました。

「きさんじ」で私が思い浮かべたのは、実は別のことでした・・・。

 

「きさんじ、小三治、アサンジ」

 

おあとがよろしいようで・・・。

(2010、12、23)

2010年12月28日 12:39 | コメント (0)

新・ことば事情

4253「森のハンバーグ」

先日、昼食をとりに会社の食堂に行った時に目に留まったのは、

「森のハンバーグ」

ついつい、そのメニューを選んでしまいました。

そしてそのハンバーグを食べながら考えたことは、

「なぜ?『森の』なのか?どこが『森の』なのか?」

ということ。もしかして、このハンバーグを作っているのが、

「森ちゃんでーす!」

というような感じで「製作者の名前」が付いた、「トレーサビリティー」「製造者責任」を意味する「森の」なのでしょうか?

そんなわけはないな。待てよ・・・このハンバーグにかかっているデミグラスソースの「具」は、「きのこ」・・・これかな。つまり、

「森の=きのこ入りデミグラスソースがけ、の意味」

なのではないでしょうか?「森」には「きのこ」が生えてますよね。『白雪姫と七人の小人』の絵本を見ても、きっと森の中には「きのこ」が生えてますよね。その比喩としての「森の」かな?

さっそく、「新しい日本語」を素早く取り入れる『三省堂国語辞典』を引いて見ると・・・・載っていない。『俗語』を取り上げた『日本俗語大辞典』を引いて見ると・・・これも載っていない。Google検索では(12月23日)

「森のハンバーグ」=42万6000件

もありました。京都にはハンバーグ専門店で「森のハンバーグ屋さん」というのもあるようです。長野県にも「森のハンバーグ屋さん」が。

辞書に載るようなものではないけど、かなり広まっているメニュー表示の用法かもしれませんね。

(2010、12、23)

2010年12月27日 18:38 | コメント (0)

新・ことば事情

4252「延坪島の読み方」

1123日、北朝鮮が突如砲撃を加えた、韓国の「延坪島」ですが、その読み方は放送では各社、

「ヨンピョンとう」

「延坪」部分だけ韓国語読みして、「島」は日本語読みで「とう」と読んでいるようです。「済州島」のことを昔は日本語読みで「さいしゅうとう」と言っていましたが、その後、「済州」の部分だけ韓国語読みで「島」は日本語読みで「チェジュとう」と言っているのと同じパターンですね。

ところが、新聞各社はちょっと事情が違うようです。1124日の新聞は、

読売新聞=ヨンピョンド

朝日新聞=テヨンピョンド

でした。その後1222日に確認したのは、

毎日新聞=ヨンピョンド

でした。

「淀川」を英語で言うとき

「ヨドガワリバー」

と言うか、

「ヨドリバー」

と言うか?みたいものですかね。

『日テレ放送用語ガイド』を見ると、「○○島」という地名は見当たらないのですが、一つだけ「島」の付く地名で、

「汝矣島」

というのが載っていて、これの読み方は、

「ヨイド」(×ヨイとう)

となっています。

 

(追記)

朝日新聞は「延坪島」ではなく、漢字表記は「大延坪島」でした。その「大」の部分が「テ」ですね。読者の方(中学生!)からご指摘いただきました。ありがとうございます。

地図で見ると「延坪島」は、大きい島と小さい島があるのです。

 

 

 

(2010、12、22)

2010年12月27日 12:37 | コメント (2)

新・ことば事情

4251「イピカイエ」

 

1223日の日本テレビ「スッキリ!!」で、クリスマスに相応しい映画ベスト10を紹介していました。その中に出てきた「ダイ・ハード」の中で、ブルース・ウィリスが扮する主人公が口にする言葉として、

「イピカイエ」

というのを紹介していました。これは「カウボーイ」が口にする掛け声だそうです。それを聞いて思い出したのは、小学生の頃通っていたYMCAのサッカースクールの夏季キャンプで歌った歌、

『チゾルム街道』

です。その歌詞の中に、呪文のように出てきたのが、

「ユピ カイワイ ユピユピエイ ユピエイ、ユピ カイワイ 

  ユピユピエイ」

というものでした。40年ぐらい経っても覚えているものですね。

『チゾルム街道』という曲の歌詞は、

 

「北へ北へ 牛を追って チゾルム街道 牛だらけ

ユピ カイワイ ユピユピエイ ユピエイ、ユピ カイワイ 

ユピユピエイ」

 

というものでした。たしかに、紛れもなく「カウボーイ」の曲ですね。でもYMCAで歌って以来、よそでは聞いたことがない歌です。アメリカではポピュラーなのでしょうか?

YMCAで覚えた曲で、他にもイスラエルの別れの歌『シャロム』というのがありましたが、これは1番は「原語」、2番は日本語でした

 

「1、   シャーロム チャベリヌ シャーロム チャベリヌ 

   シャーローム

    レーヒットラーオ レーヒットラーオ 

    シャーローム シャーローム」

2、また会う その日まで さよなら 

また会おう また会おう シャーローム シャーローム」

 

うーん、これもYMCA以外で、その後聞いたことがないのですが、ご存じの方いらっしゃいますかね?

(2010、12、23)

2010年12月26日 18:35 | コメント (0)

新・読書日記 2010_243

『KAGEROU』(齋藤智裕、ポプラ社:2010、12、15)

話題の出る前からベストセラー水嶋ヒロのデビュー作。

ないような「臓器移植」「自殺」「生きる意味」などをテーマにしたSF、といえるだろう。そんなに悪くない。236ページを、1時間15分で読めた。232ページに、例の主人公の名前の修正のシールがペタッと貼ってある。なんで間違えたかは、内容を読めば分かる。最後のその部分にいたるところが、「いきなり」なので、ちょっと「おや?」と勘違いするかもしれない。もう少し丁寧に「ネタフリ」をしていれば・・・と思う。だいぶ編集者の手も入ったのだろうが、普通そういうことは「よくある」のだと思う。(完全にプロの作家さんには、ないと思うが)

69ページに出てきたセリフで、

「先生の準備が整うまで『ドナー様』に問診票を書いていただいてもよろしいですか?」

の「ドナー様」・・・・。「ドナ・サマー」のダジャレ?「患者様」の流れで「ドナー様」なんて本当に言うのかな???


star3

(2010、12、20読了)

2010年12月26日 12:35 | コメント (0)

新・読書日記 2010_242

『マンガ狂につける薬 二天一流編』(呉智英、メディアファクトリー:2010、12、3)

 

大変知的レベルの高い一冊。読んでたら鼻血が出た。

私は「マンガ狂」ではないが、「マンガ好き」ではある。

この本では、マンガを糸口にそのマンガをより深く理解するために読んだら良いと思われる「ベスト・カップリング」の本をアドバイスするという画期的な企画。ワインとチーズのマリアージュのようなものだ。

 


star4

(2010、12、16読了)

2010年12月25日 12:19 | コメント (0)

新・ことば事情

4250「アサンジ容疑者」

 

 

性犯罪容疑でイギリス警察に逮捕された「ウィキリークス」の創設者の名前の表記が、新聞によってばらつきがあります。

1214日、産経に載っていた共同発の記事は「アサーンジ」容疑者。

1215日、読売は「アサンジ」。朝日は「ジュリアン・アサンジュ」。毎日は「アサンジ」容疑者保釈許可。産経は「アサーンジ」容疑者保釈決定。

1216日、毎日に載ってる共同発は「アサンジ」

ということで、まとめてみると、

「アサンジ」=読売、毎日

「アサーンジ」=産経

「アサンジュ」=朝日

ということです。共同通信発の記事でも、産経は「アサーンジ」、毎日は「アサンジ」でした。人の名前の表記は、共同通信発の記事でも、共同の表記に従わずに独自で決めるということでしょうか?

テレビ各局は私が見た(聞いた)限りでは、各社、

「アサンジ」

です。また、1216日発売の『週刊文春』は、

「アサーンジ」

だったので、「産経新聞と同じなのか」と思いました。

Google検索(1220日)では、

「アサンジ」 =2370000

「アサーンジ」= 60300

「アサンジュ」= 44900

でした。圧倒的に「アサンジ」ですね。

(2010、12、20)

2010年12月24日 19:17 | コメント (0)

新・ことば事情

4249「皇子はオウジか?ミコか?」

1210日の朝刊各紙(大阪版)では1面で、奈良・明日香村の「牽牛子塚(け

んごしづか)」に隣接する墓が、

「中大兄皇子の娘・大田皇女(おおたのひめみこ)の墓」

と分かったという記事を載せていました。その中で、

「皇子」のルビ

ですが、「中大兄皇子」「大海人皇子」に関して読売新聞だけ、

「みこ」

としていて、他社(朝日・毎日・産経=大海人皇子のみ出てきました)は、

「おうじ」

でした。産経は「中大兄皇子」は記事に出てこず、「大海人皇子」に「おうじ」、「大津皇子」には「みこ」とルビがありました。(下に一覧を載せます)

 

「中大兄皇子」 「大海人皇子」 「大津皇子」

(読売)みこ      みこ      ***

(朝日)おうじ     おうじ     ***

(産経)***     おうじ     みこ

(毎日)おうじ     おうじ     おうじ

(日経)ルビナシ    ルビナシ    ルビナシ

 

そこで質問です。

「皇子」を「おうじ」と読むか「みこ」と読むかの基準は、何かあるのでしょうか?

朝日新聞のFさんに聞いてみたら、

 

「朝日としての使い分けはありません。『皇女』が『ひめみこ』なら『皇子』は『みこ』でいいように思いますが、原稿にあったとおりにしたようです。『広辞苑』みたいな百科辞書類は『おうじ』、山川の教科書は『みこ』ですね。」

 

というお返事を。また読売新聞のSさんからは、

 

「おそらく、『ひめみこ』とそろえたのではないかと推察します。他紙は、呼称をそろえるより、一般的な言い方の『おうじ』を採ったのでしょう。『皇女』を『こうじょ』とするやり方もあったかと思いますが、こちらは『ひめみこ』が一般的なのでしょうか。」

 

とし、さらに文化部の記者にも聞いてみてくれるとのことでした。

後日またメールが届きました。

 

「東京の文化部考古学担当に聞いてみました。『みこ』と読むか『おうじ』と読むかは、基準・原則などはなく、呼び習わされてきたものによるそうです。『中大兄皇子』は『おうじ』が一般的だが、『みこ』の読みもあり、『草壁皇子』は『みこ』で『おうじ』と読むことは少ないなど、習慣上そうだというしかないようです。『皇女和宮』は『こうじょ』ですね。先日のメールにも書いたように、『ひめみこ』にそろえて、許容範囲である『みこ』とするか、『ひめみこ』とはそろわないが、より一般的な『おうじ』とするかの選択だったということです。やまとことばを使うか、漢語でいくかということとは、また別の問題でしょうか。」

 

詳しく聞いてくださり、ありがとうございます。

さらに、読売新聞のOBの元・文化財担当記者で、週に何日か読売テレビに来てもらっている方に伺うと、

 

「昔は全て『みこ』。直木孝次郎も『みこ』と言っていた。考古学者はみんな『みこ』。『おうじ』なんて呼ばれるようになったのは最近のこと。」

 

ということでした。うーん、なかなか難しいですねえ。

(2010、12、16)

2010年12月24日 12:05 | コメント (0)

新・ことば事情

4248「使い倒せ」

  

SMAPの木村拓哉さんが出ている「ニコン」のカメラのコマーシャルを見ていたら、

「連れ出せ、使い倒せ」

というセリフが出てきました。この、

「使い倒せ」

という言葉、普通だったら、

「使いまくれ」

となるところです。「~し倒す」というのは、きわめて関西的な言葉だなあと感じていました。「食い倒れ」「着倒れ」のイメージがあるからでしょうか(意味はちょっと違うとは思うけど)。その言葉を、関西人ではない木村さんが使うことに違和感があるとともに、「~し倒す」が全国区の標準語になったのか!?という感慨もちょっとあります。

そのあたりの語感が、関西以外の人はどう感じているのですかね。

以前「ドきれい」という言葉に感じたのと同じようなことですかね。

なお「平成ことば事情11 のりたおす」「平成ことば事情141「楽しみつくす」「平成ことば事情642"しまくる""したおす"もお読み下さい。

(2010、12、16)

2010年12月23日 20:28 | コメント (0)

新・ことば事情

4247「三股をかける」

 

「二股(ふたまた)をかける」

というのは、

2人の女(男)の人と同時に付き合うこと」

ですよね。これが3になると、

「三股」

これの読み方は「さんまた」か?「みつまた」か?

という問題が、1115日の「ミヤネ屋」の原稿に出てきました。私は、

「みつまた」

だと思ったのです。「ふたまた」の「ふた」は「和語の数え方」ですからそれに倣うと「みつまた」のはずです。

しかし、なんと辞書には、

「『さんまた』も『みつまた』も両方」

載っていました。そこで、担当ディレクターのW君が、

「それなら、『さんまた』でいきたい」

とのことでしたので、この日の読み方は、

「さんまた」

としました。なお表記は、漢数字を使って、

「三股(また)」

ちなみに「四股」は「よつまた」しかありませんでした。

 

(2010、12、16)

2010年12月23日 12:14 | コメント (0)

新・ことば事情

4246「腹の内」

1115日の「ミヤネ屋」の萩原ナウンサーの読む原稿に、

「その『腹の内(うち)』は」

というのが出てきました。それを聞いて、

「『手の内』はあるが、『腹の内』は聞いた事がない。これは『腹の中(なか)』ではないか?」

と思って辞書を引くと・・・なんと「腹の内」、ありました!意味は、

「『腹の中』に同じ」

ということです。間違いではなかったんですね!Google 検索(1115日・日本語のページ)では、

「腹のうち」=3000000

「腹の内」 = 42300

「腹の中」 = 387000

「腹のなか」=1520000

でした。

 

(2010、12、16)

2010年12月22日 20:14 | コメント (0)

新・読書日記 2010_240

『架空の料理空想の食卓』作家:リリー・フランキー、料理人:澤口知之、扶桑社:2009、4、30)

写真がもう芸術的、というか、料理が芸術的なんだけど。

文章もキレてる。私はリリー・フランキーという人は、何となくいい加減そうで、あまり好きではなかったのだが、この文章を読めば、好きか嫌いかは別にして「スゴイ!」と言わざるを得ないと思った。スゴイです。

色々あるんですがなかなか全部は書けないので、一つだけ挙げておくと・・・アイドル・酒井法子が20歳の誕生日パーティーで「私は処女です」と言ったそうで、それを覚えてていて、またこういうところにさらりと持ち出してくる、堂々下ネタというところが、いやらしくもあり、ヤラシクもあり、私にとって「リリーさんのスゴイけど好きではない部分」でしょう。この本が出たのは去年の4月、雑誌連載はもっと前ですから、酒井法子の事件よりも前に書かれて出版されているのですが。

 

 


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(2010、12、12読了)

2010年12月22日 12:09 | コメント (0)

新・ことば事情

4245「審決」

 

20101117日の「ミヤネ屋」の「ヨミ斬りタイムズ」で選んだ新聞記事の中に、乳酸飲料の「ヤクルトの容器」は、

「立体商標」

であると、知財高裁で認められたという記事がありました。(「知財高裁」というのは、知的財産権に関する専門の裁判所です)

この記事の中にあった、

「特許庁に対し、登録を認めなかった審決の取り消しを求めた訴訟」

という文章の中で、

「審決」

という言葉が出てきました。「審判」「判決」は見たことがありますが、「審決」は初めて目にする言葉です。辞書を引くと、

「しんけつ」

と読み、意味は、

「公正取引委員会や特許庁が、具体的な事件について審判手続きを経て下す公権的な判断決定」

とありました。いろいろ難しい専門用語があるのですね。

 

(2010、12、10)

2010年12月21日 18:10 | コメント (0)

新・ことば事情

4244「四十七士」

 

1214日、きょうは赤穂浪士の討ち入りの日。赤穂浪士と言えば、

「四十七士」

ですが、もちろん読み方は、

「シジューシチシ」

ですね。

きょうの読売テレビ関西ローカルの夕方ニュース番組『関西情報ネットtenで、五十嵐アナウンサーが、この討ち入りにちなんで、「思い切ってやりたいことは何ですか?」というファクス&メール募集をしていました。その際に、

「きょうは赤穂浪士47人(ヨンジューシチニン)が討ち入りをした日」

と言っていました。

うーん、「四十七士」ではなく「47人」だから「よんじゅう」と読んでも間違いじゃないけど、やっぱりここは「四十七士」を使って「シジューシチシ」と言った方が、

「お、この若いアナウンサーは、ちゃんと知っているな」

と思われるんじゃないか?と思い、あと2回、番組中に同じ原稿を読む募集があるということなので、

「赤穂浪士、四十七士(シジューシチシ)が」

と、原稿をかえて読んだ方がいいよとアドバイスしました。その後は、

「シジューシチシ」

と読んでいたので、ホッとしました。

(2010、12、14)

2010年12月21日 12:03 | コメント (0)

新・ことば事情

4243「領置」

128日の『ミヤネ屋』で、海老蔵さん殴打事件についてお伝えしました。

その際、海老蔵さんの会見途中、言葉を引き取った弁護士の言葉のフォロースーパーで、

海老蔵さんが店に置いてあった「携帯電話」に関して弁護士が、

「リョウチしました」

と言った部分を、

「了知しました」

とスーパーを出したのですが、正しくは、

「領置しました」

だったそうです。ちなみに意味の違いは、

*「了知」=「物事の内容を知ること。さとり知ること。会得すること。了承。」

*「領置」=「うけとっておくこと。領収しておくこと。特に刑事訴訟法上、裁判所や捜査機関が、被告人・被疑者その他の者が慰留したもの、または所有者・保管者が任意に提出した物を、そのまま取り上げて保管する処分。」

ということです。「領置」に関して「了知」しました。今後、この部分を使うことがあれば気を付けたいと思います。日本語、特に専門用語は難しいなあ・・・。

(2010、12、14)

2010年12月20日 19:18 | コメント (0)

新・ことば事情

4242「おつくり」

 

時間つぶしのためにコーヒーを飲もうと入った、大阪の南の方にあるとある駅の中の「ミスタードーナツ」。そこで、コーヒーとドーナツを頼んだときに、若い女性店員さんが言った言葉。

「ポイントカード、"おつくり"はいかがですか?」

思わず、

「え?『おつくり』!ドーナツ屋さんで!?」

と口から出そうになった言葉を飲み込んで、

「・・・・いえ、結構です。」

と断りました。いやあ、びっくりしますね、

「『おつくり』が『名詞』になってる!」

んですから。名詞の「おつくり」は、関西弁で言うと、

「お刺し身」

のことですからね。ドーナツ屋さんで「刺し身」が出たら、そりゃ驚きますわな。

ここは「名詞」にするのではなく、

「ポイントカード、お作りいたしましょうか?」

と言ってほしかったなあ。

意味も気持ちも伝わったけど、ものすごーく違和感がありました。

あ、もちろん、出てきたのは「ドーナツとコーヒー」だけで、「刺し身」も「おつくり」も出てきませんでした。ホッ。

(2010、12、13)

2010年12月20日 12:03 | コメント (0)

新・ことば事情

4241「CL」

127日の産経新聞と&朝日新聞の夕刊に、

「CL汚職」

という文字が出ていました。

「CL」

というのは何の略か?わたくし、サッカーファンですから、最近「CS」といえばやはり、

「(ヨーロッパ)チャンピオンズ・リーグ」

の略に決まっています。ワールドカップ誘致を巡って国際サッカー連盟(FIFA)の理事が接待を受けていたとかなんだか、そういう醜聞(スキャンダル)もあったので、

「欧州チャンピオンズ・リーグを巡っても、そういったことがあったのか?それにしては、新聞に記事が載っている面が、スポーツ面ではなく社会面で、地方の事件事故の記事が載っている中で、なんでだろ?」

と思って本文を読んでみると、なんと「CL」は、

「コンタクト・レンズ」

の略でした。うーん、メガネしか使っていない、コンタクト・レンズと文字通り接触=コンタクトがない私としては、「CL=コンタクト・レンズ」と結びつけるのは結構、難しかったです。

あ、そういえば、「目薬」の名前で、

「なんちゃらCL」

というのがあったけど「マイティアーCL」だっけか?あ、あれは、

「私の涙、コンタクトレンズ用」

という意味だったのか。あの「CL」は「コンタクト・レンズ」のことだったのか。ようやく思い当たりました。

 

(2010、12、13)

2010年12月19日 18:02 | コメント (0)

新・ことば事情

4240「グーグルのアクセント2」

 

2年前の8月に「平成ことば事情3334グーグルのアクセント」を書きましたが、ここに来て、尖閣の映像のユーチューブへの流出問題で、ユーチューブを運営する会社として「グーグル」に焦点が集まりました。

放送各社の「グーグル」の発音を聞いていると、特に統一されているわけではなく、ばらつきが見受けられます。私は、「頭高アクセント」の、

「グ\ーグル」

が好き・・・というか、「平成ことば事情3334グーグルのアクセント」に書いたように英語の発音にも近いだろうし、「頭高」しか使ってこなかったので、「平板アクセント」には違和感を覚えます。

オンエアーを注意して聞ていると、(よくOAで見るので、トップバッターに挙げさせてもらって申し訳ないのですが)日本テレビの豊田順子アナウンサー「平板」の、

「グ/ーグル」

を、お昼の「ニュースダッシュ」でよく使っています。

昨日(119日)の日本テレビ「every」で藤井貴彦アナウンサーは、「頭高」

「グ\ーグル」

でした。また、テレビ朝日の坪井直樹アナウンサーや、NHKのお昼のニュースを読んでいる男性アナウンサーも、「頭高」

「グ\ーグル」

でした。ということは、「男女で違う?」とも考えましたが、読売テレビの若手男性アナウンサー2人は、以前、「平板」

「グ/ーグル」

でした。ということは、

「若い人は『平板』なのか?」

とも思います。正解はおそらく、

「使い慣れている人は『平板』、そうでない人は『頭高』」

になっているのではないかとは思います。

私は10年以上Googleを愛用していますが、やはり昔はみんな、

「グ\ーグル」

「頭高アクセント」でした。「平板」が最近の傾向なんでしょう。

「平板アクセント」を使っている日テレ・豊田アナウンサーに、その辺の事情に付いて聞いてみたところ、

「外来語・横文字・カタカナの言葉のアクセントは本当に迷うが、『グーグル』(特にインターネット関連の用語)に関しては、私もかつては頭高(英語発音を基本)で発音していましたが、認知度や、利用している人の広まり具合を意識して、その都度考えております。『グ\ーグル』と発音することでその言葉がひっかかり、ニュースの本当の意味での大切な内容が聞き流されてしまってはマイナスとの考え『も』あるからです。こういう言葉は、少しフレキシブルに考えて使っています。」

という内容の大変丁寧なメールを頂きました。ありがとうございます!

そのほか、用語委員会でご一緒している日本テレビ解説委員の井田由美さんにも聞いてみたところ、

「私も『頭高』派ですが、同年代の会話を聞いていても『平板』の方が多いようですね。」

というお返事が。

 

読売テレビのアナウンサーはどういう傾向か?

(1)  ふだん

(2)  OA時

で、それぞれどのようなアクセントを選んでいるか聞いてみたところ、以下のような返事がキ届きました。

 

50代男性アナ)「平板」は聞いているほうとしても、普段も気持ちはよくないから「頭高」の「グ\ーグル」。あくまでも私見。

20代女性アナ)ふだんは「平板」の「グ/ーグル」、OAでは「グ\ーグル」。ほかのアナウンサーの人たちが読んでいるのを聞いて、知った。

30代男性アナ)ふだんもOA時も、「グ\ーグル」(頭高)です。「平板」は気持ち悪い。 「ツ/イ\ッター」(中高)も同じ。平板反対!

30代女性アナ)両方とも、「平板」。

40代男性アナ)ふだん・放送時、ともに「頭高」の「グ\ーグル」。「平板」だと、自らがネットのヘビーユーザーであることを暗に主張している印象を受けるので、今後日常で「平板」で言うことになっても、少なくともニュースでは「平板」で読むことはないと思う。

50代男性アナ)「頭高」の「グ\ーグル」。もうオッサンなので、正しくないと思うが・・・。

30代男性アナ)ふだんは「グ/ーグル」(平板)、放送では「グ\ーグル」(頭高)。「頭高」に関しては、その時なぜか無意識にで読んでいた。

20代男性アナ)私は「ふだん」「OA時」とも「平板」で「グ/ーグル」。

30代女性アナ)ふだんは(1)(2)どちらのアクセントも使っている。もしもニュース原稿に出てきたら・・・なんとなく「頭高」の「グ\ーグル」で読むような気がする。

20代女性アナ)ニュースでよく聞くのは「頭高」だが、どちらも「平板」の「グ/ーグル」で読んでいる。

40代男性アナ)「頭高」での読み方「グ\ーグル」のみです。

40代男性アナ)常に「平板」の「グ/ーグル」。

20代女性アナ)「ふだん」「OA時」とも「平板」で読んでいる。 ただ、OAでは「頭高」が多いような気もする。

20代男性アナ)普段もオンエアも「グ/ーグル」と「平板」で読んでいる。

30代男性アナ)「頭高」かなと迷いつつ、「平板」の「グ/ーグル」で伝えると思う。

20代男性アナ)普段もOA時も「平板」の「グーグル」で読んでいる。「グーグル」という言葉が出始めのころ(10年前くらい)は、「頭高」で読んでいた気がするが、いまでは、「平板」でなければ、違和感がある。

20代女性アナ)普段もOAも「平板」。ニュースを聞いていると、「頭高」が多かったように思うが・・・。

30代男性アナ)個人的には、「グ\ーグル」は、「頭高」。でも、放送で使用する際は悩む。この件についてほぼ100%、日テレ・豊田さんのご意見に同意する。唯一違うのは、東京では「平板」にしたほうが、大阪では「頭高」にしたほうが「違和感を感じない」のではないかということ。そうなりつつあるのが「グーグル」というコトバなのではないかと。標準語は「東京アクセント」に基本あわせるという原則に従うならば、放送では基本「平板」でいくべきなのか?とも思うが、「違和感を感じさせない」かつ「まだ、アクセントが、明確にかたまり、定着していない」ことから考えれば、関西ローカルの放送では「頭高」でいってもいいのではないか?現時点ではまだ「正解はない」と思う。「サポーター」や「クラブ」や「超」のたどってきている変遷と似ているところがあるようなないような・・・。

 

「男女」で分けてみると、以下のようになります。

 

(男性=網掛け

(1)=ふだんは?

<頭高>= 6 牧野、大田、萩原、森、小澤、道浦、野村

<平板>=10 山本林、小林、尾山、川田、虎谷、本野、清水、立田、吉田

<両方>= 1 森若

(2)=OAでは?

<頭高>=9 牧野林、大田、萩原、森、尾山、森若、小澤、道浦

<平板>=8 小林、山本川田、虎谷、本野、清水、立田、吉田、野村

 *「ふだん」と「OA時」でアクセントを変えている人=尾山林、(森若)、野村

 

というような結果でした。やはり「若い人」が「平板アクセント」を使っている傾向が強いようですが、「ふだん」と「OA(放送)」で使い分ける意識を持った人もいるということですね。

まさに「言葉は生き物」。それをどうアナウンサーが扱うかは、大変難しい問題だと思いました。でも「実態把握」は、まず必要ですよね。誰もあまり、やらないけど。

なお11月19日の『ズームイン!!SUPER』に出演していた池上彰さんは、

「グ\ーグル」

「頭高アクセント」でした。

また、11月18日に新聞用語懇談会総会でお会いしたフジテレビの川端健司アナウンサーに伺ったところ

「普段もOAでも『グ/ーグル』と『平板』ですね」

と話していました。ただ、OAで「グ/ーグル」をしゃべる機会は、今までになかったそうです。

(2010、11、22)

2010年12月19日 11:50 | コメント (0)

新・読書日記 2010_239

『テレビと芝居の手書き文字』(竹内志朗、イグザミナ:2010、11、10)

著者・竹内さんは、1954年から関西を中心に舞台装置製作やテレビのテロップ文字などを手懸けてきた職人さん、アーティスト。1933年のお生れだから御年77歳。喜寿のお祝いということもあるかもしれないが、これまでの仕事を一冊の本にまとめられた。

読んで感想、ひとこと。うーん、すごい!1日平均300枚も手書きテロップを書いていたと!ニュースは速報性が第一、1枚20文字を6090秒で書き上げねばならないと・・・。言うは易し、するは難し、です。私も手書きテロップを10年ちょっと前までよく発注していましたから、その意味では内部の人間。竹内さんは主に朝日放送でお仕事してはったようですが、うちの元美術部の人に聞いたら、お名前は存じ上げていました。

『探偵ナイトスクープ』や『新婚さんいらっしゃい!』『プロポーズ大作戦』『熱闘甲子園』、みんな竹内さんの文字だったんですね!感動・脱帽です。

 

 


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(2010、12、11読了)

2010年12月18日 18:43 | コメント (0)

新・読書日記 2010_238

『ネットテレビの衝撃~200XX年のコンテンツビジネス』(志村一隆、東洋経済新報社:2010、11、4)

前著、『明日のテレビ』を読んで私が書いた読書日記を読んで、著者がこの新著を送ってきてくれました。

さすが専門家、アメリカの通信・放送ビジネスを取り巻く現状を詳しく記しています。ただ詳しすぎて、私では理解できない難しいところや、日本のテレビの話とは少し遠い部分もあるように感じました。いずれにせよ、放送時間をテレビ局側が握ってコントロールするこれまでの地上波テレビのビジネスモデルは、近々崩壊するであろうこと、かと言って完全にすべてのテレビ局が潰れるというわけではないことなど、実感として伝わってきました。


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(2010、12、11読了)

2010年12月18日 12:42 | コメント (0)

新・読書日記 2010_237

『クマと闘ったヒト』(中島らも、ミスター・ヒト、メディアファクトリー:2010、8、25。単行本は2000年刊行)

いやあ、すごい!10年ほど前に出た単行本の文庫化。それまで、プロレス雑誌に連載されていた対談だったようだが、これ、確かにプロレスの内幕を全部しゃべっちゃうという意味で、ものスゴイ一冊だったんですね!あまりプロレスに興味を持っていない私が読んでも知っているようなレスラーの名前がゾロゾロ。そもそも、今年の夏、全国各地で「クマ」が出没したので、この本のタイトルにつられて買ったら・・・全然思っていたのと違う本だったのですが・・・期待せずに読んだら凄かった!馬場さんや猪木さんに対する見方が変わりました。おもしろい!

中島らもさん、死んじゃったけど・・・。ミスター・ヒトも死んじゃったけど・・・。

構成が吉田豪さん。インタビュアーとしても出てきます。伏字が一杯だ!テレビなら「ピー」っとか「ガオーッ」って感じですね。

この後に読んだリリー・フランキーさんの料理に関する本でも、吉田豪さんが構成をしています。同じ系統の本と言えるかもしれません。

対談の各章末に、らもさんが書いた各レスラーの解説(短い評伝のような)が面白かった!龍虎の解説で、

「『料理天国』などの番組で、グルメっぷりを発揮。」(119ページ)

と書いてました。「グルメっぷり」という「っぷり」、もう10年以上前に使っていたのですね。なお、「メディアファクトリー」の前身は、「リクルート出版」だそうです。

 


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(2010、12、11読了)

2010年12月17日 18:41 | コメント (2)

新・ことば事情

4239「最珍」

漫画雑誌『ビッグコミック・スピリッツ』(201111号=通巻1500号)を読んでいたら、裏表紙に載っていた広告に目が留まりました。それは、園山俊二さんの「はじめ人間ギャートルズ(ゴン)」の絵でマンモスの肉の絵が描かれたもので、

「マンモの輪切り肉。アニメのあの肉がついに食べられる!初回限定販売1000枚!神戸洋食倶楽部。」

という文字とともに、

「肉史上最珍の肉、出た。」

と。この、

「最珍」

というのは「最○」という言葉の中でも初めて見ました。正に「最珍」。めずらしい。「最薄」というのは以前書きましたが。(平成ことば事情1222『最薄』、平成ことば事情2869『最旬』参照)

Google検索(1210日)では、

「最珍」=218000

ありゃ!結構、使われています!

「最珍映像」「最珍風景」

など。お坊さんの名前として「最珍」というのも出てきました。

それにしても『スピリッツ』、おそらく30年前の創刊の時から、ほぼ毎週読んでるなあ。最初はたしか180円だったのではないでしょうか。今号は310円。物価は倍にはなっていないということですかねえ。

(2010、12、10)

2010年12月17日 12:03 | コメント (0)

新・ことば事情

4236「ノーミスをする」

中国でのフィギュアスケートグランプリ・ファイナルで、伸び伸びとした演技で見事、銅メダルを獲得した村上佳菜子選手16歳。帰国した昨日(1213日)、会見で今後の抱負を聞かれて答えたのが、

「ノーミスをする」

でした。「ノーミス」とは言うまでもなく、

「ミスをしない」

ですから、「ノーミスをする」を翻訳すると、

「ミスをしないことをする」=「ミスをしない」

という、なんとも持って回った言い方になってしまいます。

「ノーミス」に「する」を付けると、「ミス」と「する」がくっついて聞こえて、

「ノー・ミスをする」

ということでちょっと変な感じでした。専門用語としてあるのでしょうね。

「ミスをしない」

というよりも「ノーミス」という言葉は「パーフェクト」の意味でしょうから、

「パーフェクトな演技をする」

という意味でしょう。「する」を使った方が「しない」という否定形よりも、

「前向き=ポジティブ」

な表現に思えます。

(2010、12、14)

2010年12月16日 19:05 | コメント (2)

新・ことば事情

4238「抗命」

『永遠の0 』(百田尚樹)を読んでいたら

「抗命」

という言葉が出てきました。この小説は、自分の本当のおじいさんがどういう人だったかをたどるものですが、その話の中心は当然、戦時中(第二次大戦中)です、タイトルの『ゼロ』は「零戦」のことです。

「抗命」という言葉は次のように出てきました。

 

「あれは命令ではなかったから抗命にはあたらないが、やはり一種の抗命だろう」

「抗命とはなんでしょう?」 

「命令に逆らうことだ。軍隊では死刑に相当する」

 

初めて見た言葉です。「命令に抗(あらが)う」ことですね。

Google検索(1210日)したら、

「抵命」=219000

も出てきました。そのトップの「デジタル大辞泉」のサイトには、

*こう‐めい 〔カウ‐〕 【抗命】

 [名](スル)命令に背いて、従わないこと。「上官に―する」

こう‐めい 〔カウ‐〕 【抗命】  [名](スル)命令に背いて、従わないこと。「上官に―する」

とありました。『広辞苑』には、

「命令に服従しないこと」

『精選版日本国語大辞典』には、

「命令、制止に服従しないこと」

とありました。

(2010、12、10)

2010年12月16日 18:43 | コメント (1)

新・ことば事情

4237「団十郎か?團十郎か?」

11月26日の『ミヤネ屋』で、市川海老蔵さんが殴られて大ケガをしたニュースをお伝えしてから1週間あまり、連日のようにこのニュースを取り上げています。

1125日に海老蔵の父・十二代目・市川団十郎さんが、おわび会見を開きましたが、この「ダンジュウロウ」の表記は、

「団十郎」か?「團十郎」か?

という問題があります。旧字体(本字)か、新字体か?ということです。

『ミヤネ屋』では旧字体の、

「團十郎」

にしました。読売テレビ・日本テレビ系の他の番組では、

『す・またん』『ニュースZERO』=「団」

『ズームイン!!SUPER』『スッキリ!!』=「團」

だったとのことです。また、1126日&29日の観察では、

テレビ朝日『ワイドスクランブル』、TBS『ひるおび』=「團」

でした。

ただ、日本テレビの『スッキリ!!』は少し揺れているようで、

1130日は「団」、翌121日は、また「團」

に戻っていました。

ご本人さえよければ、原則「新字体」の「団」で記すところですが、歌舞伎という伝統芸能であるというイメージを出すためには、旧字体の方が雰囲気が出るであろうという配慮はあるのではないかなと思います。

その昔、作曲家の、

「團伊玖磨」

さんは、宛先に「団」と書かれた手紙は開封しなかった(読まなかった)という話を聞いたことがあります。「名前の文字」の問題は、こだわりのある方にとっては、そのぐらい大事なことですが、なかなか一筋縄ではいかない問題でもあります・・・。

(2010、12、10)

2010年12月16日 12:02 | コメント (0)

新・読書日記 2010_236

『戦後日本漢字史』(阿辻哲次、新潮選書:2010、11、25)

 

ちょっと専門的だが、漢字や言葉に興味のある人たちにとっては、格好の教科書となりうるだろう。タイミングも、1130日の29年ぶりの常用漢字の改定の内閣告示にあわせたベスト・タイミング。漢字の置かれた現状、今回の常用漢字改定で何が変わったのか、そもそも、こういった常用漢字って、どういった流れで生まれてきたのか?などに興味のある方は、ぜひご一読下さい。タイトルも、漢字ばっかしの七文字です。

私が新潮社の新聞広告を見て、早速本屋さんに注文、読みかけていたところに、阿辻先生から「謹呈本」が届きました。


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(2010、12、8読了)

2010年12月15日 12:12 | コメント (0)

新・読書日記 2010_235

『日本語ほど面白いものはない~邑智小学校六年一組特別授業』(柳瀬尚紀、新潮社:2010、11、25)

あの天才・柳瀬尚紀が、島根県の1学年1クラス16人しかいない小学校の子供たちに「日本語」「翻訳」についての授業をする・・・某局の番組『ようこそ!先輩』を思い浮かべてしまった。実際、そういう内容。交流が刺激的。島根の「根」と、柳瀬の故郷・根室の「根」つながり。

内容で「へえー」と思ったのは、「面白い」という言葉の語源は、天岩戸にこもった天照大神が、戸を開けて顔を出したときには、お日様(天照大神)の光が戻って、みんなの顔が白くなっていたから「面(おも=つら=顔)が白い」。これは『大言海』に書いてあるそうだ。知らなかった。

また「未来は向こうからくる」と天才・ダビンチが言っているという。上流から流れてくるそうだ。

そして「本末」=木の「下の方」に印を付けたら「本=もと」。「上の方」に付けたら「末=まつ・すえ」。気付かなかった!


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(2010、12、5読了)

2010年12月14日 19:10 | コメント (0)

新・ことば事情

4235「前か?元か?」

鈴木宗男氏が126日に収監されました。その関連の新聞記事で、宗男氏の肩書を見てみると、

鈴木宗男「前」衆議院議員=読売・朝日・毎日・日経

鈴木宗男「元」衆議院議員=産経

でした。ただ、中でも朝日新聞の記事ほとんど「ベタ記事」(1段の記事。見出しと数行の本文の文だけ、レイアウトの関係で2段になっていましたが)で、目立たない扱いでした。(最初は紙面に載っていないのかと思いました。)

テレビに比べると、新聞でのこの記事の扱いは一様に小さかったです。

なお読売テレビでは「前」を使いました。

収監された後は「受刑者」を使いました。

(2010、12、9)

2010年12月14日 15:20 | コメント (0)

新・読書日記 2010_234

『贖罪』(酒井法子、朝日出版社:2010、12、3)

 

123日発売というのは、『ミヤネ屋』でもお伝えしていたので知っていて、たまたま123日に東京出張で帰りに入った本屋さん(ここは村上春樹の『1Q84』を去年買った本屋さん)で見かけたので、帰りの新幹線の中で読もうと、買ってしまった・・・。

「あの日」の話から始まり、なぜか著者の生い立ちの説明。かなり複雑な生い立ちが、「家族」というものへの憧れやこだわりを生み、たとえ夫婦の愛がなくなっていても「家族」を壊してはいけないと考えてしまったことが、夫からの薬物の誘いに乗ってしまった理由・・・のようにも受け取られましたが・・・。全体から受ける印象は、やはり著者が「(誘惑に)弱い人間」であるという事実ですね。人間、弱気になったときには、何かにすがりついてしまうことがあるのは認めますが、それでも「超えちゃいけない一線」というものがあるのだと。

海老蔵さんの会見を見ていても、やはり「誘惑に対する人間の弱さ」を見た気がしました。「あとの祭り」にならないようにしたいものです。


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(2010、12、4読了)

2010年12月14日 13:09 | コメント (0)

新・ことば事情

4234「デゴイチ」

 

「蒸気機関車D51」。通称・略称はご存じのように、

「デゴイチ」

です。でも・・・この略称だと「D」は、

「デー」

と呼ばれていることになりますね。もし「D」を「ディー」と呼んでいるのなら、

「ディゴイチ」

になっていたはずです。「デゴイチ」と呼ぶからには、「デー51」と言っていたのでしょう。時代的なものでしょうか?

「デー」と「ディー」が混在した外来語には、私たちテレビ局員が毎日接している現場の人間で、役職(?)名の略称が「D」である、

「ディレクター」

があります。これも中には、

「デレクター」

と言う人が時々います。この「デレクター」系の人は「デゴイチ」。「ディレクター」系の人は「ディゴイチ」。でも、「ディゴイチ」とは言わないな。

逆のケースは「デジタル」でしょう。これは、本来は、

「ディジタル」

のはず。でももう「デジタル」で定着してしまった。いまさら「ディジタル」に変えるのは難しい。「地上デジタル」の略称「地デジ」を、

「地ディジ」

にしたら、舌を噛む人が続出して、みんな、

「やっぱり、アナログの方がいい・・・」

と言い出すかもしれませんし・・・。

結局こういった表記は、「慣用」が占める割合が大きく、なかなか規則で統一することは難しいのだなあと改めて思いました。

 

 

(追記)

川崎市の西尾さんから書き込みのご意見を頂きました。ありがとうございます。

 

『電気・電子・情報通信業界でも、「D」を「デー」と言います。

「ディー」は「ビー」と紛らわしいという理由です。T」も「ティー」ではなく「テー」です。業界用語というか「業界読み」です。

 

昭和29年の「外来語の表記」では、

『外来音の「ティ」「ディ」はなるべく「チ」「ジ」と書く』

となっていますが「D-51」を「ジー51」というわけにはいきませんね。

 

平成3年版の「外来語の表記」では、

『「ティ」「ディ」は、外来音ティ、ディに対応する仮名である』

という、分かったような分からないような文言です。』

 

仰るとおり、わかりにくいです・・・。

 

 

 

 

(2010、12、9)

2010年12月14日 12:08 | コメント (2)

新・ことば事情

4233「腕ぶす2」

平成ことば3548事情で書いた「腕ぶす」。これの続報です。

 

講談社が出している小冊子『本』の20108月号(だったと思う)のエッセイ「漢字雑談 8」で、高島俊男さんが、

「腕ぶす得意舞台」

というタイトルの一文を書いてらっしゃいました。神戸の山口正邦さんという人が2010728日の産経新聞に

「藍、腕ぶす得意舞台」

という記事を見つけたと。これを山口さんの奥さんが、辞書を引いても意味が分からず、

「腕がブスとは腕の格好が悪いことかと言っております」

という内容で、これに対して高島さんは、一刀両断、

「これは産経が悪い」

と。そして、

「『ぶす』は非常識である。『撫す』と漢字で書くべきところである。そう言うと産経新聞は多分、『撫』の字は常用漢字外だからかな書きをしたのだ、と言うことだろう。しかしそれならば、そもそも『撫す』などという言葉を使うのがまちがいなのである。と言って、『腕なでる得意舞台』では意味をなさないから、そこは『張り切る得意舞台』とか、『意気込む得意舞台』とか、別の言い方を考えるべきところだ。」

「『腕を撫す』という語は、諸賢とくにご存じのように、腕に自信ある者が、この腕を発揮するよき機会あれかし、とはやる気持ちで腕をさする意である。一見漢語由来のように見えるが、漢語に『撫腕』という語はない。類似の表現もない。これはまったく日本人が作った語、それもごく新しい語である。もっとも『腕をさする』という言い方は室町ごろからある。これに二十世紀の日本人が『撫』の字をあててそれを音(おん)で読み、『腕を撫(ぶ)す』という語を作ったものらしい。」

と書いています。

そうだったのか。確かに、わざわざこんな難しくて通じない言葉を使う必要はありませんものね。

それにしても産経新聞のスポーツ面の編集をしている人の中には「腕撫す」が好きな人が、確実にいるな、これは。

(2010、12、9)

2010年12月13日 19:04 | コメント (0)

新・ことば事情

4232「閉店しようと」

今年の夏のお話です。(ネタ、たなざらしでした。)

8月2日のお昼のニュースで、「ザめし屋」に強盗が入ったというものでした。その際の原稿がこういうものでした。

閉店しようとした店員が裏口から出たところ」

これに引っかかりました。「閉店」は、もちろん意味は分かりますけど、普通は、

店を閉めようとした店員が・・・」

となるのではないでしょうか、より「話し言葉らしく」しようとしたら。

「閉店」にくらべて、「開店」は、書き言葉だけれどもなじんでいる気がします。ですから、

「開店しようと」「開店準備のため」

は、それほど抵抗がない気がします。あくまでも個人の感覚ですが。「閉店」も、

「閉店準備のため店員が・・・」

なら、それほど違和感がありません。「閉店準備」が「四字熟語」的だから、こういった効果が出るのでしょうかね?よくわかりませんが。こういった語感は個人差が大きいですが、私はそう感じました。

(2010、12、8)

2010年12月13日 12:52 | コメント (0)

新・ことば事情

4231「キモ」

 

もう旧聞ですが・・・今年3月のこと。アメリカ在住のI先輩から、こんなメールが届きました。

「最近、『肝』ということばを、『大事なもの』『「肝心なこと」という意味でよく見聞きします。道浦さんも読書評で『この本の肝は・・・』として使っておられます。この使用法は正しいのでしょうか。『広辞苑』にも載っていないのです。新しい用法でしょうか。もちろん、『肝心』というのは、『肝』も『心』も大事なものだからですが、それを切り離して、『肝』だけで使うというのは『あり』でしょうか?この用法に気づいたのは、ここ2、3年ですが、なにか流行語的に誰かが使いだしたのでしょうか?』

お、タイムリーだなあ。ちょうどこの前、新聞で「キモ」に関するコラムを読んだばかりでした。そこで、こんな返事を出しました。

「私も『肝』、使ってましたか。それほど意識はしていませんでしたが・・・。

実は、読売新聞の金曜夕刊で連載されている『いやはや語辞典』というコラムで、今年の313日に東大の例の上野千鶴子先生が、

『キモ~無教養な「平成言文一致」』

というタイトルで書いてらっしゃいます。

おそらく東大の学生が、リポート(つまり「書き言葉」)で、

『この論文のキモは・・・』

と書いてきたので、

『リポートにはこういった表現は使わないものよ』

と注意したら、

『どうしてですか?』

ときょとんとしていた、という書き出し。まとめは、

『やっぱ、言葉も教養がキモだと思うけど・・・』

というもの。こうやって書かざるを得ないぐらい、増えているのでしょうね。

2011年度版の『現代用語の基礎知識』では『キモ』を取り上げようと思います!!」

 

ということで「キモ」です。「キモい」とは関係がないと思いますが。

こんな感じで、1117日発売の2011年版の『現代用語の基礎知識』に載せました。ほんまか、ウソか、確認のために買って読んでみてください。

***************************************

「大事なこと」「肝心なこと」という意味で使われる「キモ」。「この話のキモは・・・」のように使うが、『広辞苑』には載っていない。「肝心」の省略形としての俗語。2010313日付読売新聞夕刊の連載コラム『いやはや語辞典』で、東大上野千鶴子教授が「キモ~無教養な『平成言文一致』」というタイトルで書いている。それによると、学生がリポート(=「書き言葉」)で、「この論文のキモは・・・」と書いてきたので、「リポートにはこういった表現は使わないものよ」と注意したら、「どうしてですか?」とキョトンとしていたという話。まとめは、「やっぱ、言葉も教養がキモだと思うけど・・・」というもの。「話のキモ」でグーグル検索すると(201096日)999000件出てきた。それによると2004年ごろには既に使われている。20081月に出た『三省堂国語辞典・第6版』では「きも(肝)」の4番目の意味で「(ふつう「キモ」と書く)【俗】いちばん肝心なところ。ねらい。」という意味を載せているから新しい用法かと思われたが、『精選版日本国語大辞典』では6番目の意味として「物事の重要な点。急所」という意味を載せ、用例はなんと『長短抄』(1390年)から引いている。古いよう方が現代によみがえったのかもしれない。

 

(2010、12、7)

2010年12月12日 19:59 | コメント (0)

新・ことば事情

4230「解禁と禁断」

大阪市営地下鉄のホームで見かけた、歌舞伎の連獅子を思わせるレディ・ガガが大きく写っているauのスマートフォン「Android(アンドロイド)」のポスターにこんな文字が。

Android解禁」

言うまでもなく、「解禁」とは、本来は、

「禁止されていたものの禁を解くこと」

ですよね。別に「アンドロイド」は禁止されていたわけではないですが、そこに「解禁」という言葉を用いているのが新鮮なんですね、広告のコピーとしては。

「アンドロイド」と言えば近未来映画、SF。まさにレディ・ガガのような女性のアンドロイドが出てくる映画がありました。カタカナのタイトルで。なんだっけ?・・・思い出した、そう、

 

 

『ブレードランナー』

 

です。「アンドロイド」ではなく「レプリカント」でしたね。ハリソン・フォード主演。

うーん、懐かしい。独特の雰囲気を持つ映画でした。

さて、出張先のJR東京駅でも同じポスターを見かけました。やっぱりレディ・ガガは目を引くなあ。そのポスターの文字を改めてみると、

「禁断のアプリ、はじまる。」

と。この、

「禁断」

も、別に禁止されてないんだから・・・でも「禁断」というと「エデンの園のリンゴ」のようなものなのか?それとも「禁断症状」が出る?そうではないでしょう。

しかし、こういった少しアブナイ感じが魅力として伝わってくる。面白くて、便利で、

「ヤバイ」

感じを伝えたいのでしょうね。それはレディ・ガガを起用したことで、かなり果たされていると思います・・・。

(2010、12、6)

2010年12月12日 12:19 | コメント (0)

新・読書日記 2010_233

『アメリカン・デモクラシーの逆説』(渡辺靖、岩波新書:2010、10、20)

「民主主義は多数決とイコールではない。むしろ、勝者(多数派)が敗者(少数派)に対してどれだけ耳を傾け、信頼と共感を勝ち得てゆくかによって真価を問われる。『数の論理』を盾に敗者(少数派)を軽んずることは、トクヴィルが懸念した『多数派の専制』に他ならない。」(9ページ)というあたりに惹かれて読んだ。ちょっと難しかったけど。

「あとがきにかえて」が抜群に面白い。ハーバード大学の卒業式で、あるコメディアンが卒業生代表で挨拶したのだ。この挨拶が素晴しい。ユーモアが世界を救うのではないかというぐらい。ここだけ読んでも、この本の価値はあると思う。アメリカというのはやはり「奥が深い」のだなと感じざるを得ないと思う。


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(2010、11、20読了)

2010年12月11日 13:02 | コメント (0)

新・ことば事情

4229「演歌とフォークの譜割りの違い」

先週、歌手の坂本冬美さん『ミヤネ屋』にゲストで出演してくださいました。アルバム『LOVE SONGS』のPRも兼ねて。

その際に、「演歌」と「フォークソング」の違うところは?と聞かれて、

 

「フレージングが違う。一番と二番で"譜割り"が違うのが、いわゆる『フォーク系の曲』と『演歌』では違うので、苦労した」

 

と話してらっしゃいました。演歌では1番と2番で歌詞のリズム・音程が変わるということはないんだそうですが、フォーク系の曲は1番と2番、はたまた3番で、歌詞の振り分けが違ったり、音程が違うということが、往々にしてあるのだそうです。

確かに、私も合唱をやっていると、そういうケースが出くわします。この話を聞いて、

「ああ、そうだったのか!」

と思い、

「プロの歌手でも、そういうのは歌いにくいものなんだ!

とちょっと安心しました。

フォーク系の曲は「シンガーソングライター」というぐらいで、作った人が歌うことが多いので、多少の「譜割りのずれ・揺れ」があっても「作った本人の必然性」があるので、歌いにくいことはないのでしょうけど、純粋に「音楽を演奏する立場」からは、そのあたりは、やはり「難しく」なるのですね。いやあ、勉強になりました。そして、安心しました。

 

(2010、12、6)

2010年12月10日 18:05 | コメント (0)

新・読書日記 2010_232

『ポピュリズムへの反撃~現代民主主義復活の条件』(山口二郎、角川oneテーマ21:2010、10、10)

エドマンド・バーク、トクヴィル、バーナード・クリック。懐かしい!大学時代に読んだ人たち(政治学者)の名前が!(この人たちの著書、少しだけ読みかじっただけです・・・もう忘れたけど。)

山口二郎先生はかなり「リベラル」な方だったのですね。結構キツイです、口調が。

サブタイトルにあるように「現代民主主義」は「復活」しなければならない状態、つまり、ヘタっていると。そうですねえ。

「事業仕分けは民主党流のポピュリズムだった」

「こうして政治はどんどん劣化していく」

「(小沢氏にとって政権交代とは)既存の権力機構というものはそのまま温存しておいて、持ち主が変わるという政権交代」

「小沢さんは地方からの陳情を幹事長室で一元的に受け付けるという体制を作りました。そして都道府県ごとに公共事業関係の補助金が具体的にどこに付くかという情報を、民主党の県連を通して自治体に流しました。これは未曾有の不祥事です。自民党だって、こんな下品なことはしませんでした。私に言わせれば、そんなことは、民主政治ではなく、ソ連共産党のやり方にほかなりません。」

キッツーイ。

では私たちはどんな民主主義を作り直さないといけないのか?それは第4章に書いてあります。まず「命と教育を確保するための税論議を」。そして「これからの日本の社会のモデルを、国民自身が選ぶこと」。責任と決断ですね。「冷静な現実認識に基づく、楽観的な(前向きな)議論を重ねていく」ことが必要だと説いています。

 


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(2010、11、10読了)

2010年12月10日 12:02 | コメント (0)

新・読書日記 2010_231

『永遠の0ゼロ』(百田尚樹、講談社文庫:2010、7、15第1刷・2010、7、27第11刷。単行本は太田出版から2006、8)

テーマは家族、命。そして戦争、平和。友情、組織、国。人間の愚かさ。

発売16日で「11刷」って...ものすごい!

いやあ、もう泣きました。泣けました。咽び泣きました。鼻汁で顔がグジュグジュになりました。泣けるからいい、というわけではないですが。

さすが構成作家。うまいこと物語を構成してはる。よくもこんな物語を・・・ものすごい取材が背後にあるのだろうなあと想像させ、またそれを本当に上手に組み立ててるなあと感じ入りながら・・・文句なし、5つ星です!


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(2010、11、23読了)

2010年12月 9日 18:57 | コメント (0)

新・読書日記 2010_230

『ことばの四季』(外山滋比古、毎日新聞社:1980、6、25第1刷・1983年10、30第3刷)

古本屋さんで買いました。今からもう30年近く前に書かれています。当時『サンデー毎日』で連載していたことばのエッセイ75編を収めたもの。外山さん、最近また、注目されてますが、今読んでも、それほど古くないですね。「国鉄」なんて言葉が懐かしいぐらいかな。

中でも「ヘえー」と思った面白いエッセイ・・・いっぱいありますが、一つだけ挙げると、

「オーヤマゲッセン・ドン」!

著者が名古屋で過ごした子どもの頃(昭和3~4年)、「かけっこ」をするときの合言葉が、この「まじない」のような言葉だったというのです。

そして、それは実は「まじない」でも「呪文」でもなく、歴とした「英語」であったと。つまり、

「オン・ユア・マーク」(位置について)

「ゲット・セット」(用意)

「ドン!」(スタート)

まあ、「ドン」は日本語ですけどね。英語の、

On Your Mark Get Set

が、

「オーヤマ・ゲッセン」

に聞こえたと。正に「耳から学んだ英語」ですね!

アメリカでバスに乗ったとき、降りたくなったら、

「揚げ豆腐」

と言うと、降ろしてくれるという話と同じです。

I get off

ですね。おもしろい!

 


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(2010、11、19読了)

2010年12月 9日 12:52 | コメント (0)

新・読書日記 2010_229

『とかくこの世はダメとムダ』(山本夏彦、講談社:2010、11、15)

兎に角、語呂がいいなあ、タイトルの。七五調ですね。

久々に読んだ山本夏彦。

どうも復刻版ではないが、山本夏彦本を単行本で出す計画が進んでいるようだ。この本は、これまであちこちに書いた雑文を集めたものらしいが、初めて読んだものだ。

もう一冊出ていたが、そちらは文庫本で読んだような気が・・・と思って家に帰ったら、確かに文庫本が家の書棚にあった。でも、単行本で読んでみようかな・・・と、ちょっと思った。

今の時代だからこそ、山本夏彦を読んだ方がいいのかも知れない。


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(2010、12、1読了)

2010年12月 8日 18:36 | コメント (0)

新・読書日記 2010_228

『本は、これから』(池澤夏樹編、岩波新書:2010、11、19)

うーん、本のプロ37人が、「電子書籍元年のいま、電子書籍は?そしてこれまでの紙の本はどうなるか?」について、思い思いに書いたもの。「なるようになる」としか言えませんが、人間って大変環境に順応性のある動物だということだけは覚えておきたい。

この37人の書いたものの中で、一番しっくり来たのは、出久根達郎さんかなあ。池上彰さんは、ここに書いたのと全く同じ話を、先日のフジテレビの宮根さんも出てた番組で話していました。ネタの使い回しだなあ、媒体は違うけど。

帯に書いてあるように、みんな形は違えど、本を愛しているんだなあと、たしかに実感しました。

 


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(2010、11、29読了)

2010年12月 8日 12:38 | コメント (0)

新・ことば事情

4228「自発的辞任要求」

「法務大臣というのは、いいですよね、2つの言葉だけ覚えときゃいいんだから・・・」

という「問題発言」で辞めることになった柳田稔・法務大臣

問題が発覚してすぐにやめたわけではなく、周囲を巻き込んでグズグズ・ゴタゴタがありました。その中で、野党から、

「自発的辞任要求」

という記事の見出しを見つけました。この言葉って、「論理矛盾」がないでしょうか?

「自発的辞任」

って、そもそも「辞任」って自発的なのでは?そして「自発的」を「要求」したことによって、「自発的」には辞められなくなったのではないでしょうか?よくわからんのですが。

結局、柳田法務大臣は「自発的辞任」をして、要求通りになったわけではありますが、スッキリしません。

その「辞め方」に関しても「辞任」と報じた新聞と「更迭」と報じた新聞がありました。

「更迭」には「辞めさせる(られた)=クビ」というイメージがあり、「辞任」には「自ら進んで辞めた」イメージがありますが、広い意味で言う「辞任」の中に「更迭」が包括されるのでしょうか?

うーん、なんともスッキリしない幕切れでした・・・。

(2010、12、6)

2010年12月 8日 05:04 | コメント (0)

新・ことば事情

4227「我々の取材に対し」

 

先日、読売テレビの夕方のニュース番組『ten!』を見ていたら、林マオアナウンサーが、こんな原稿を読んでいました。

「我々の取材に対し・・・」

これを音声で聞くと(画面で見ると)違和感を覚えました。

というのも、若い女性のアナウンサーが、

「我々」

という言葉を使うことに違和感があったのです。ここは、

「私たちの取材に対し」

とするか、もしくは、

「読売テレビの取材に対し」

とした方が、なじむ気がします。

内容は同じでも、読み手が誰なのか、それによって視聴者が受けるイメージがどうなるのか、そのあたりまで、原稿の書き手も読み手も考えて伝える努力をすべきだなあと思い、林アナウンサーにはその旨、伝えました。

 

(2010、12、6)

2010年12月 7日 18:30 | コメント (0)

新・ことば事情

4226「子どもの数え歌」

5歳10か月の娘が、保育所で覚えてきた「数え歌」を、お風呂の中で歌ってくれました。

 

♪「いちわ(一羽)」のカラスがカーアカア、「にーわ(二羽)」のニワトリ、コケコッコ、「さーん()」はさかなが泳いでる、「しー(四)」はしらが(白髪)のおじいさん、「ごー(五)」はごきげん、さようなら、ほら、いち(一)ぬけた、ほら、にー(ニ)抜けた・・・♪

 

これは、

「おおなわとび(大縄跳び)」

の時に歌うのだそうです。わあ、懐かしいなあ、私の子供の頃にもありました。まだ今の子どもたちの間で伝わってるんだなあ。私の時は、

「さーん(三)はさかなが泳ぎ出す」

だったけれど。微妙に違います。

もう一つ。

♪いーち、にー、サンマのしっぽ、ゴリラのむすこ、菜っぱー、葉っぱー、くさった豆腐、豆腐は白い、白いはウサギ、ウサギは跳ねる、跳ねるはカエル、カエルは緑、緑は葉っぱ、葉っぱは揺れる、揺れるは地震、地震はコワイ、コワイはお化け、お化けは消える、消えるは電気、電気は光る、光るは、オヤジのハゲあたま、ピカーン!!

 

うーん、これもあったなあ。結構、昔からあるんじゃないですか?でも、「数え歌」と「言葉遊び歌」が混在したような感じかな・・・最後の、

「ピカーン!!」

は私のころはなかったですが。

これは保育所の先生が教えてくれたんじゃなくて、お友達の男の子が教えてくれたんですって。ふーん。テレビでは、やってないと思います。

(2010、12、5)

2010年12月 7日 12:28 | コメント (0)

新・ことば事情

4225「ニン」

121日の「情報ライブミヤネ屋」で、演芸評論家の河内厚郎さんが、インタビューに答えて、

「海老蔵さんのニンにぴったり」

と言っていました。これに字幕スーパーを付けるときには、

「海老蔵さんの人柄にぴったり」

としたのですが、担当ディレクターから質問が。

「これでいいのでしょうか?」

「うーん、『ニン』というのは"関西弁"でかつ"業界用語"のような感じだから、字幕は標準語で『人柄』でいいんじゃにの?」

と言いつつ、牧村史陽編『大阪ことば辞典』を久々にひもとくと、はたして、

 

「ニン(人)」=もって生まれた人柄。(例)ニンにないことしたらあかん。

 

と載っていました。たしかに「ニン」を、標準語(共通語)の中で聞くことは、あまりありませんね。

 

(追記)

『浅田真央はメイクを変え、キム・ヨナは電卓をたたく~フィギュアスケートの裏側』(生島淳、朝日新書:20111230という本を読んでいたら、170ページに、

「ニンは歌舞伎用語だ」

と書かれていました!そうだったのか!

 

 

(2010、12、1)

2010年12月 6日 18:44 | コメント (0)

新・ことば事情

4224「砲声」

北朝鮮が韓国の延坪(ヨンピョン)島に砲撃を加えたのは1123日、その3日後の26日、また北朝鮮側で、砲撃の音が聞こえたという情報が、「ミヤネ屋」の番組終了直前に入りました。その原稿には、

「砲声」

と書かれていました。しかし、

「銃声、銃撃」はよく耳にしますが、「砲声、砲撃」はあまり耳に(目に)しません。(「砲撃」はまだしも、「砲声」は・・・「♪法政、おおわが母校」ぐらいです。母校じゃないけど。)

これにすぐに気付いた宮根さんは、「砲声」を

「砲撃の音」

と言い換えて伝えました。さすが!

「砲声」が聞き慣れないということはつまり、

「ふだん戦争と無縁・平和」

ということなのではないでしょうか。

出来るだけこういった言葉とは無縁でいたいのですが、無視するわけにもいきますまい。

(2010、11、28)

2010年12月 6日 12:42 | コメント (0)

新・ことば事情

4223「石焼きバリューセット」

今日、街を歩いていると、「石焼きビビンバ」のお店の前にこんな看板が。

「石焼きバリューセット」

うーん、「バリューセット」はついに「石焼き」にまで・・・。私が、

「バリューセット」

という言葉を初めて知ったのは、おそらくMドナルドのコマーシャルだと思います。おそらくもう20年ぐらい前の話でしょう。「セット」は「日本語化」していましたが、「バリュー」という言葉は、まだなじみが薄かったのではないでしょうか?せいぜい使うとしても、「ネームバリュー」

ぐらいのものだったのではないかと思います。それがMドナルドのおかげで(?)すっかり浸透して「石焼き」にまで!となった2010年暮れ。ただ「バリュー」の意味は、ここでは、

「お徳」「お買い得」「お値打ち」

というような意味合いですよね。それに対して「ネームバリュー」の「バリュー」は、

「力」「影響力」

のようなイメージが私はあります。英語の時間に習った本来の「バリュー」の意味は、

「価値」

だったと思いますが、もう一度、英和辞典を引いて見ましょう。

value」=【原義:強い、価値がある】(1)価格、値段、(金銭的)価値(通例、高価なものに付いて言う)(2)(実用性から見た)価値、値打ち、評価、重要性、有用性(3)(...に対する)正当な報い[報酬](4)[~s](道義・慣習などの)価値観、価値基準(5)()歴時≪音符が示す音の長さ≫(6)()値(あたい)(7)()色価、色の明暗(度)(8)(音声)音価

おお、「名詞」だけでもこんなにたくさん!「動詞」もあります。

(1)<人が><人・物・事を>(優秀性・実用性などから)[...だと/...を基準に/...より高く]評価する、尊重する(2)<人が><物>を(金銭的に)評価する、値ぶみする、<物>を[価格と]見積もる

ふーん、結構ややこしそうですね、バリュー。バリューのある単語なんだなあ、「value」。

 

 

(追記)

「かくたさん」からコメントいただきました。

 

「Wikipediaによればマクドナルドの『バリューセット』の登場が1994年。
イオン系スーパーマーケット『マックスバリュ』の第1号店が同じく1994年。1994年はバリュー元年と言ってよさそうです。」


 

そうですか、1994年。平成6年。意外と最近なんですね「バリュー」が出てきたのは。まあ、16年も経てば、定着するものは定着しますね。消えるものはサッサッと消えると。

情報、ありがとうございました!

 

(2010、12、5)

2010年12月 5日 22:38 | コメント (1)

新・読書日記 2010_227

『日本人が間違えている日本語』(日本語倶楽部編、KAWADE夢文庫:2010、12、1)

タイトルのように間違えやすい日本語が、ほとんどニ択(たまに三択)のクイズ形式で書かれています。全部5秒以内で答えていったので、テンポ良く読める。私が間違ったのは、「知らなすぎる?知らなさすぎる?」「自信なさげ?自信なげ?」「十分?充分?」「初心忘るべからずの初心とは?」「中秋?仲秋?」など。答えは本書の中に!

 


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(2010、11、30)

2010年12月 2日 12:35 | コメント (0)

新・読書日記 2010_226

『言葉にして伝える技術~ソムリエの表現力』(田崎真也、祥伝社新書:2010、10、10)

ご存知ソムリエの田崎真也氏は、(当然の事ながら)豊富な言葉を操る"言葉の魔術師"でもある。アナウンサーが形だけをマネすると、鼻持ちならない感じになるかもしれないが、そうならない形で、そのつむぎ出す"言葉のきらめき"のおすそ分けをいただけないかな、と思った方、本書を読みなさい。そう思わなかった方、是非、読みなさい。思うようになりますから。何を食べても「うーん、おいしーい」「とーっても甘い」「香ばしーい」ぐらいしか言えないリポーターの皆さんも、是非、読んでください。

でも、表面的な「言葉のテクニック」を学ぶのではない。「伝える」事は自らが現れてしまうから、そのために「現れても良い自身」を磨く作業を24時間心がけるということが、一番大事だと思います。

「ワインの分析は、共有できる言葉を使うこと」

ニュースの情報も同じですね。

「クセがなくておいしい」

褒めているつもりが、けなしていることになるかも。

「手作りだからおいしい」

そう思いこまされているだけ・・・など、かなり辛らつな言葉が並んでいて、思わず自らのこれまでのリポートを思い出して赤面してしまいました・・・。

 


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(2010、10、11読了)

2010年12月 1日 20:34 | コメント (0)