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『道浦TIME』

新・読書日記 2009_173

『ハリー・ポッターと謎のプリンス(下)』(J.K.ローリング作・松岡佑子 訳、静山社:2006、5、17初版第1刷)

(上巻のつづき) そして、下巻の表紙カバーの折り返し部分には、原作の「the Half-Blood Prince」、つまり「混血の王子」を、日本語翻訳本のタイトルでは「謎のプリンス」としたことに関して、訳者の松岡さんが、「原作者のローリングの許可を取った」ということが書かれていました。やはり松岡さんも、そのあたりの表現は、相当気になったのでしょうね。
さあ、いよいよ「ハリー・ポッター」も第7巻、最終作に突入ですよ!


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2009、9、23読了

2009年9月29日 11:55 | コメント (0)

新・読書日記 2009_172

『ハリー・ポッターと謎のプリンス(上)』(J.K.ローリング作・松岡佑子 訳、静山社:2006、5、17初版第1刷)

この間、この「ハリー・ポッター」の映画を見た。原則の翻訳本が出たのは3年前。やはり映画化には時間がかかるんだなあと、改めて感じた。先に映像を見ているので、ややこしいカタカナの名前がたくさん出てくるけれども、理解しやすかった。しかしよくこんな話を映像化できたなあと感心。また、興味があったのは、原題が「the Half-Blood Prince」、つまり「混血の王子」なのに、映画の日本語訳タイトルでは「謎のプリンス(the Mysterious Prince)」となっている点。しかも映画を見たら、それに該当する部分が「半純血のプリンス」となっていたのだ。これはどうしたこと?映画の訳は、本の訳と違うのか?と思って図書館でこの本を借りてきたというわけ。本の日本語訳も「半純血のプリンス」となっていたので、映画が日本語訳に歩調を合わせているのですね、その点は。


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2009、9、21読了

2009年9月29日 11:54 | コメント (0)

新・読書日記 2009_171

『罪と罰』(本村洋・宮崎哲弥・藤井誠二、イースト・プレス:2009、4、22)

宮崎哲弥氏が中心となって、山口県光市母子殺害事件の遺族・本村洋氏に行ったインタビューをまとめたもの。同じく聞き手はノンフィクションライターの藤井誠二氏だが、メインは宮崎氏のように感じた。
この10月に、この事件の被告(加害者)の元少年を、実名で書いた本が出るという記事が今朝(9月29日)の新聞に載っていた。本村さんは、一体、このことに関してどう思っているのだろうか。被害者や遺族の感情を考えない"自由な報道"というのは、一体、誰のための報道なのだろうか。考えさせられてしまう。


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2009、7、20読了

2009年9月29日 11:53 | コメント (0)

新・読書日記 2009_170

『国語の先生も知らなかった日本語「ぢ」と「じ」の謎』(土屋秀宇、光文社智恵の森文庫:2009、6、20)

著者の名前は、日本語関連の著作でときどき目にするが、まとまったものを読むのは初めて。そうか、こういう人だったのか。たしかに「じ」と「ぢ」の使い分け、難しいですよね。そして理不尽な面もあるよね。旧仮名遣いと新仮名遣いが混在(しかも理論的ではないものもかなり含まれている)しているのだから、それも当たり前か。それもこれもある意味、日本語にちゃんとした正書法がないからではないか。大変勉強になる一冊。


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2009、9、14読了

2009年9月29日 11:51 | コメント (0)

新・読書日記 2009_169

『B型の品格~本音を申せば』(小林信彦、文藝春秋:2009、4、25)

2008年の『週刊文春』誌上で著者が連載したコラムをまとめたもの。小林信彦のコラムは毎週読んでいるのだが、このところ、それらをまとめた単行本も読んでいる。そんな中で、やはり去年の分は、記憶に新しい。(読んだ、読んだ)と。それより前のは「読んだっけ?」。しかし、去年(のコラム)って、そんなに血液型(B型)に関するエッセイが多かったっけなあ?著者(小林)は血液型がB型であり、けっこう「血液型」による人間の分類を信じている面がある。それはそれでおもしろい


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2009、9、5読了

2009年9月29日 11:49 | コメント (0)

新・読書日記 2009_168

『日本語は死にかかっている』(林望、NTT出版:2008、10、31)

「序章・日本語は死にかかっている」に始まり、「紋切り型という低俗」「保身はことばの品性を汚す」「偉ぶる男は卑しい男」「冗舌は駄弁の始まり」「上品ぶるという下品」「身ぶり口ぶりもことばのうち」「恥ずかしい卑しいいやらしいことば」「聞く力こそ話す力」と、攻撃的で耳の痛い各章の見出し。「美しい話し方への第一歩」でむすびとなる。対象とした読者層は、おそらく私よりは若い層だと思われる。テレビに対しては総じて批判的。まあ仕方ないとも言えますが・・・。リンボウ先生の日頃の、最近の日本語と日本人に対する気持ちをぶちまけた書。


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2009、9、21読了

2009年9月25日 11:47 | コメント (0)

新・読書日記 2009_167

『政権力~一国のリーダーたる器とは』(三宅久之、青春新書:2009、7、15第1刷・2009、9、10第7刷)

前半部分は、最近の政局(と言っても、8月の総選挙の前に書かれたもの)に関しての出来事に、三宅さんが取材で知った出来事が書かれていて、興味深い。
後半は、これまでに三宅さんが取材してきた総理大臣の「格」のようなものを、一人一人取り上げて印象深い話を書いてある。「歴史モノ」のような感じだが、それほど目新しい漢字はしない。番組などでお見かけすると「バカなこと言うんじゃないっ!」と「怒っている」イメージが強いのだけど、文章は、丁寧な感じがしました。それにしても、発売2か月で7刷、(隠れた?隠れてない?)ベストセラーですね。


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2009、9、20読了

2009年9月25日 11:44 | コメント (0)

新・読書日記 2009_166

『振仮名の歴史』(今野真二、集英社新書:2009、7、22)

タイトルに惹かれて購入して読みました。タイトルの「振仮名」「歴史」にもちゃんと「ふりがな」「れきし」と「振り仮名」が付いているなんて、ニクイ、ニクイ!
著者は私より3歳年上だが、世代的にはほぼ同じ、第1章が「振仮名とは何か」ですが、その第一節が「サザンオールスターズの歌詞に見られる振仮名」ですから、年がばれるというか、世代がわかりますね。とっても共感できる入り方です。途中の歴史的な平安時代とかの所はさすがに専門的で難しいですが、まあちょっと読み飛ばして(失礼!)、最後の明治期のところへ来ると、もう現代に直結ですからね。今後一体「振仮名」はどうなっていくのか!?歴史を振り返りながら考えるのも一興です。


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2009、8、5読了

2009年9月25日 11:43 | コメント (0)

新・読書日記 2009_165

『美人好きは罪悪か?』(小谷野敦、ちくま新書:2009、6、10)

著者の小谷野氏はこの「ちくま新書」から、彼の名を世間に知らしめた『もてない男』を始め、『バカのための読書術』、『性と愛の日本語講座』、『帰ってきたもてない男』を出している。うーん、でもなあ、別に「美人好き」は「罪悪」じゃないと思うけど。それで一応結論は出ました。
おもしろいテーマと言うか、普通はこういうテーマでは書かないよな、ズバリ過ぎて・・・みたいなところを突いてくるのが、著者の(ある意味)得意分野のように感じますが。連載していたものを、まとめたものだそうです。「あとがき」がおもしろいです。女性が書くと「イケメン好きは罪悪か?」になるんでしょうね。誰か書かないかな。


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2009、9、12読了

2009年9月25日 11:41 | コメント (0)

新・読書日記 2009_164

『量刑・下』(夏樹静子、光文社文庫:2004、10、20)

(上巻から続く)でも、やはり「推理小説」としては、それだけでは物足りなかったのかもしれません。「事件」が起きるのですが、その分、裁判制度のような面で言うと、ちょっと興味がそがれてしまった感じが・・・。最後まで読むと、それはそれで納得するのですけど。
これってもう、ドラマ化されたのかな。ドラマ化しないかな。
なんと「解説」は橋本五郎さんが書いているので、びっくり。それで勧めたのか・・・と邪推。いや、とても感動したからこそ「解説」も引き受け、新聞でもPRしたのだと、内容から言うと、そういうことになるでしょう。よく取材して書かれた小説。上下あわせて1000ページ近くにもなるが、読む価値はあります。


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2009、9、11読了

2009年9月25日 11:40 | コメント (0)

新・読書日記 2009_163

『量刑・上』(夏樹静子、光文社文庫:2004、10、20)

読売新聞紙上で橋本五郎さんが「裁判員制度を考える上でも、是非読んでおくべき一冊!」と絶賛していたので、読んでみました。おもしろかった!裁判員制度、というような観点からだと、この上巻のテーマだけで突っ切っても良かったかなと思います。(下巻につづく)


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2009、9、7読了

2009年9月25日 11:38 | コメント (0)

新・読書日記 2009_162

『言葉に魂(おもい)をこめて』(三宅正治、ワニブックス:2009、9、4)

フジテレビの現役スポーツアナウンサー、三宅正治さんの著書。アナウンサーは読むべし!
スポーツ取材、中継を通じて感じたこと、経験談が山盛りで、参考になります。また「恩師」と仰いだ、アナウンス学校の先生の追悼の書でもあります。私はその方とは、直接面識はなかったのだけれど、アナウンサーなら誰でもお名前は耳にしたことがある方でした。50代前半という若さで亡くなった、訃報を聞いたときには「え!?」と思いました。
とても読みやすい「語りかけ口調」で書かれていて、勉強になります


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2009、9、4読了

2009年9月25日 11:37 | コメント (0)

新・読書日記 2009_161

『キラークエスチョン~会話は「何を聞くか」で決まる』(山田玲司、光文社新書:2009、8、20)

著者の山田玲司さん、って漫画家かあ、知らないなあ・・・と思っていたら、急に、
「あ、『ゼブラーマン』の人か!」
と思い出した。知らないことありません、知っていました。なかなか結びつかないもんですな。山田さんの本は、以前も同じ光文社新書で1冊読んだぞ。
わりと薄い本ですが、「なるほど!」とためになりました。


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2009、8、23読了

2009年9月25日 11:35 | コメント (0)

新・読書日記 2009_160

『カンブリア宮殿 村上龍×経済人 社長の金言』(村上龍・テレビ東京報道局編、日経ビジネス人文庫:2009、2、1第1刷・2009、3、5第4刷)

テレビ東京の人気番組「カンブリア宮殿」。と言っても私は1、2回しか見たことないんだけど。要は、社長や経済人へのインタビュー番組なので、その中の「金言」を本にまとめたもの。ただ、全部載せるとめっちゃくちゃ分厚くなってしまうので、ほんのちょっとだけ、引用してるんですね。一人につき2、3ページ。これだと「おいしいとこ取り」だと思ったのかもしれないけど、やはり、短すぎて「浅い」!
「え?もう終わり?」
という感じで・・。ひとことに重みがあるのではなく、その周辺の話しをも含めて、ひとことに重みが出てくると私は思いますがね。どうでしょうか?


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2009、8、30読了

2009年9月25日 11:33 | コメント (0)

新・読書日記 2009_159

『プリンセス・トヨトミ』(万城目学、文藝春秋:2009、3、1)

全部で504ページ!もの分厚さ。2月か3月に買って、ようやく読み終わった。
この大阪を舞台にした物語のキーワードは、実は「ジャージ」だと思った。
「ジャージについた糸くずを手でつまんだ。」(58ページ)
「上下ジャージ姿の大輔」
「ジャージで授業を受けるように」
「大輔はジャージがあまり好きじゃない」(以上、66ページ)
「明日からジャージで登校することを」(74ページ)
「今日からジャージで学校に来るっていう約束」(75ページ)
「正面からジャージ姿の男子生徒が向かってくるのが見えた」(96ページ)
「大輔はジャージ姿で登校した」(138ページ)
「ジョギングに励むジャージ姿の少女らの列とすれ違う」(173ページ)
「Tシャツの上に、ジャージを羽織り」(310ページ)
「このジャージ姿に坊主頭という無様極まりない格好だった」(311ページ)
「大輔のジャージの肩口がびくりと反応した」(318ページ)
「あと一人ジャージを着た男子がいたが」(337ページ)
「いつの間にか、ジャージ姿の鳥居が」(339ページ)
「スーツに、ジャージ、作業着、店の制服、ありふれた私服ーー年齢も出で立ちも、まさに千差万別である」(393ページ)
「『鳥居さん、ジャージ』」
「鳥居はその場でジャージを脱ぐと、旭に手渡した」(以上、466ページ)
「『しかし真田、ジャージはどうしたんや』」(482ページ)
「スーツでびしっと決めた昨日の姿と異なり、何せ上下ともにジャージである」(486ページ)
「受け取った中身をのぞくと、鳥居に貸していたジャージだった」(278ページ)
というふうに、なんと「ジャージ」が20回も出てくるのだ。これが主人公でしょ?
そのほか気になった表現は、大阪弁の「なおす」(片付けるの意味。97ページ)を取り上げたり、「顔面どストライクや」(131ページ)という「ど付き言葉」、「朝食はいつも同じメニュー。(中略)テレビは『おはよう朝日です』を観る。」(373ページ)「よみうりテレビは、情報番組がのんびり芸能ゴシップを扱い」(388ページ)と、地元のテレビ局も出てくる。大阪入門書とも言える小説である。でもジュブナイルだな。一連の万城目の作品と同じく青春物。舞台が奈良、京都、大阪と北から、次は神戸?滋賀?和歌山だろうか?
そのほか気になった表現は、「極めつけの運動音痴」(59ページ:「極め付き」じゃないんだ)、「幾本もの太い川」「標語を記した垂れ幕が、幾本も帯となって下がっている」(以上、174ページ:「条」ではなく助数詞は「本」)、「辰野金吾は大正8年、スペイン風邪に罹患し死去。(290ページ:スペイン風邪は大正8年でしたか。辰野金吾はそれで死んだのか。)「梨の礫」(290ページ;漢字で「梨」と書くんですね)、「乳兄弟(ちきょうだい)と会わせたときの反応から」(278ページ:やはり「ち」と読みますな)
といったところでした。小説読んでも、こういったところが気になる。内容が頭に入っているのかと言うと、結構入っていますよ。


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2009、9、13読了

2009年9月22日 11:31 | コメント (0)

新・読書日記 2009_158

『いつでもクビ切り社会~「エイジフリー」の罠』(森戸英幸、文春新書:2009、4、20)

著者は1965年千葉県生まれ、上智大学法科大学院教授。(著者が私より若い人の本の場合、つい生まれ年をまず記してしまう傾向があるように、いま感じました。)見た目の硬い印象を裏切る(?)しゃべり口調の語り口で文章が綴られている。雇うときの年齢を問わないエイジフリーの考え方が日本でも法律で広がっているが、本当にエイジフリーを進めるなら定年もなくさなきゃいけない。そしてエイジフリーの利点は、雇われる側だけじゃなくて、雇う側がいつでも従業員の首を切れるということでもある、と。それを受け入れる覚悟が両者にあるのかを、わかりやすく問う書。これまでの"日本式雇用"を全面否定し"欧米式"を無批判に取り入れることをそれとなく批判し、"日本式雇用"の良さを見直すべきでは?と言っているように思えたが。
読み終わって、「あ、これは選挙制度と同じだな」と。ということは、一度やってみて体感してからじゃないと、直らないのだろうなあ。なぜ日本人は、バランス感覚を持たないのか、不思議で仕方がない。民族のDNAか?
・・・なわけ、ないよね。環境か?世間か?


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2009、9、3読了

2009年9月22日 11:30 | コメント (0)

新・読書日記 2009_157

『政党崩壊~永田町の失われた十年』(伊藤惇夫、新潮新書:2003、7、20)

6年前に出た本だが、今回の政権交代を受けて急遽近くの本屋さんで政治関連本のコーナーができてそこにあった本。著者は『ミヤネ屋』でも再三、ビデオ取材(インタビュー)で登場いただいている伊藤惇夫氏。各政党の事務局長を歴任した氏は、正解の裏側を知り尽くしていると言えるだろう。6年前にこの本が出た当時としては新党ブームのしんがりで登場した民主党も、唯一の政権交代のチャンスを逃したと書いてあるが、その6年後に政権交代がかなうとは、著者も思わなかっただろう。いずれにせよ、今回の政権交代につながる直近の"歴史(現代史)"を、本書を読んで知っておくことは、近未来の日本の行く末を占う上でも極めて重要だと思う。歴史はスパイラル状に進んで行くのだろう


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2009年9月18日 11:20 | コメント (0)

新・読書日記 2009_156

『映画×東京とっておき雑学ノート~本音を申せば』(小林信彦、文藝春秋:2008、4、25)

6年前に出た本だが、今回の政権交代を受けて急遽近くの本屋さんで政治関連本のコーナーができてそこにあった本。著者は『ミヤネ屋』でも再三、ビデオ取材(インタビュー)で登場いただいている伊藤惇夫氏。各政党の事務局長を歴任した氏は、正解の裏側を知り尽くしていると言えるだろう。6年前にこの本が出た当時としては新党ブームのしんがりで登場した民主党も、唯一の政権交代のチャンスを逃したと書いてあるが、その6年後に政権交代がかなうとは、著者も思わなかっただろう。いずれにせよ、今回の政権交代につながる直近の"歴史(現代史)"を、本書を読んで知っておくことは、近未来の日本の行く末を占う上でも極めて重要だと思う。歴史はスパイラル状に進んで行くのだろう


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2009、9、5読了

2009年9月18日 11:12 | コメント (0)

新・読書日記 2009_155

『<後期高齢者>の生活と意見』(小林信彦、文春文庫:2008、12、10)

<後期高齢者>にカギカッコをつけたところに、著者の「嫌味」を感じる。でも、その感情は、当然と言えば当然でしょうね。著者ほどの流行作家でも、そんなに前途が暗い生活を連想し、将来を悲観してしまうものなのか・・・
一般人をや、と思えてしまう。
でも、こうして「意見表明」出来る仕事というのは、その意味では、やりがいがあるのではないかなあ。


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2009、8、24読了

2009年9月18日 11:10 | コメント (0)

新・読書日記 2009_154

『天ぷらにソースをかけますか?ニッポン食文化の境界線』(野瀬泰申、新潮文庫:2009、1、1発行、2009、5、25第5刷)

そのままのタイトルですが・・・これは野瀬さんの著書『全日本・・・』の文庫版・・・だが、かなり手を入れたようだ。しかも知らない間に今年の1月に出ていて、5月の段階で5刷とは、隠れたベストセラーではないのか?やっぱり、おもしろい本はみんな見つけて読んでるんだなあ・・・(この前、いい本が必ずしも売れるとは限らない、と書いたけど、そうともかぎらないのだなあ。。。)


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2009、8、22読了

2009年9月18日 11:08 | コメント (0)

新・読書日記 2009_153

『「村山談話」とは何か』(佐高信・村山富市、角川ONEテーマ21:2009、8、10)

このところ世の右傾化の中で、「村山談話」が諸悪の根源のように言われることがあるようだ。すでに「歴史」になってきている「村山談話」に関して、佐高氏が改めてご本人のトンちゃんこと村山富市・元首相の口から聞いていく。
民主党が政権をとり、自民党が16年ぶりに下野した今、あらためて16年前の連立政権はどういうものだったのかを当事者の口から聞くという意味でも、なかなか勉強になる本。私は、社会党が自民党と手を組んで「自社さ」政権を組んだときに、陸海空の自衛隊の長に社会党委員長が就いたことをさして、
「眉ひとつ 動かさずして 回れ右」
という川柳を作ったことを覚えているが、動かさなかったようにみえた眉の苦悩、なぜ「非自民連立」を組めなかったのか?についても書いてある。
今回も民主政権樹立の陰の力を持っている"あの人"があの時も、「社会党」と組んでいる「さきがけ」とは組みたくないので、自民党から海部元総理を引き抜いて、「非自民」の首班指名候補とした。それで首班指名は「勝てる」と踏んだのだが、結果は自民票が、連立の約束をした社会党・村山に流れ、「海部首班指名」の目論見が崩れ去り、変則的な「自社さ」政権が成立してしまったようだ。「自社さ」の連立の変則性に比べれば民主・社民・国民新党の連立は、それほどおかしいとはいえない気がするのは、私だけだろうか。


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2009、8、29読了

2009年9月15日 11:05 | コメント (0)

新・読書日記 2009_152

『ノモンハン戦争~モンゴルと満洲国』 (田中克彦、岩波新書:2009、6、19)

言語学者・田中克彦の本なので買った。そして「ノモンハン事変」ではなく「戦争」というところにも注目。サブタイトルも、「満州」ではなく「満洲」という「サンズイ」が付いた表記にも、こだわりを感じる。その理由(わけ)は、本書を読むと書かれている。世に流布している「ノモンハン」での「戦争」が、如何に変形されているか、そのあたりを丹念に調べて書いている。
「満洲」とは、一体なんだったのか、またモンゴルとのかかわりは・・・!?


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2009、8、7読了

2009年9月15日 11:02 | コメント (0)

新・読書日記 2009_151

『僕が2ちゃんねるを捨てた理由~ネットビジネス現実論』(ひろゆき・西村博之、扶桑社新書:2009、6、1初版第1刷・2009、6、30第2刷)

2ちゃんねるの管理人をやめた「ひろゆき氏」(西村博之氏)が、「語りおろし」と「対談」で構成した一冊。
「ネット企業の上場は失敗する」
「株主がいると成長を止めることは出来ないが、日本人相手の商売をしている場合は日本人の数に限りがあるので、これ以上成長しようがない」
「短期的な黒字を目指すと2~3年しか運営が続かない」
「(全部とは言わないが、給料が高い企業は)本来そこまで能力が高くない人でも、給料がどんどん高くなっている。そもそも広告代理店のようなところが、給料が高いということ自体がおかしい」
「ネットはあくまでツール。メディアではない」
など刺激的な文言が次々と。さらに第4章が「テレビはもう、死んでいる」と『北斗の拳』のようなタイトル。アタタタタ!そこでも、
「短時間で中立的な情報をひと通り網羅したいと考えた場合、検索結果から広告などの無駄な検索結果を引き算しなければならないなど、すごい労力が必要とする。個人の思い入れだけでは難しい中立的な視点で書いたり、そういう情報を提供するのが、雑誌も含めたメディアの役割なのではないか」
「テレビと同じようなものというのは、一度潰れてしまうと、なかなか創ることが出来ない。今、テレビ局が1、2社潰れるのはアリだとは感じているが」
「日本のテレビ局は、テレビ番組を世界に売ろうという考え方を持って番組制作していないように思える」など、まさに言いたい放題で、「そりゃ、違うだろ!」という突っ込みどころもたくさんありますが、「ふむふむ・・・」というところもあります。
後半の第2日テレの土屋敏男プロデューサーとの対談は、とてもおもしろかった。土屋さんは、今、間寛平さんが行っている「アースマラソン」の仕掛け人。昔「電波少年」で「猿岩石」を世界へ行かせたような感覚で、今、寛平さんの地球一周に乗っていて、これをネット時代のコンテンツとしてグローバルな商品として売れないか、ということを考えているのだそうだ。いろいろな思惑があるのだなあと、改めて感心する次第。
という四字熟語を私は知りませんでした。(このワープロソフトでは、一発変換できましたが。)この本に載っている51の四字熟語のうち、私が知っていたのは32でした。皆さんはいくつご存じでしょうか?


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2009、8、3読了

2009年9月15日 10:59 | コメント (0)

新・読書日記 2009_150

『太宰治の四字熟語辞典』 (円満字二郎、三省堂:2009、6、10)

著者の円満字さん、出版社を退社されてフリーになってから、かなりのハイペースでいろいろな書物を出版されています。書きたいことが一杯あったんでしょうね。
これは「太宰生誕100年」の年に実にタイムリーな、そしてオタク的でありながらも一般性のあるテーマ。太宰の使った四字熟語をピックアップして、その意味や背景を解説していくという、漢和辞典の編集者で太宰ファンである著者ならではの企画と言えよう。「天変地異」「傲岸不遜」「切磋琢磨」と続く四字熟語、これはやはり漢字で書かないとね。交ぜ書きなんかになったら幻滅です。でも、その次に出てきた、「土崩瓦解」
という四字熟語を私は知りませんでした。(このワープロソフトでは、一発変換できましたが。)この本に載っている51の四字熟語のうち、私が知っていたのは32でした。皆さんはいくつご存じでしょうか?


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2009、8、3読了

2009年9月15日 10:56 | コメント (0)

新・読書日記 2009_149

『精進百撰』(水上勉、岩波書店:1997、2、20第1刷・1997、3、24第3刷)

12年も前に購入して、ゆっくり読もうと思っているうちに、"積んどく"の一番下になりました。そうしてゆっくりと熟成されて・・・えー、陽のめを見ないまま12年。ああ、月日が経つのは早いものよなあ・・・。
それが何の因果か、このお盆過ぎの時期に目に留まり、読み出したら、やはり味がありますな、料理の本だけに。写真はシンプルで、写真を見ただけで、「すんごくおいしそう!」というわけではありませんが、「精進」の精神を余すところなく示しているなあ、と思いました。しみじみ、おいしい一冊、ですね。


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2009、8、24読了

2009年9月 8日 19:50 | コメント (0)

新・読書日記 2009_148

『「空気」と「世間」』(鴻上尚史、講談社現代新書:2009、7、17)

2009読書日記120で読んだ(書いた)『どうしてニッポンはこんなに便利で息苦しいのか?~ドン・キホーテのピアス13』(鴻上尚史、扶桑社:2009、5、1)の系列。その「思い」を鴻上が一冊に凝縮させ、その答えを求めた一冊、と言っていいよね?
「KY〔空気が読めない〕」が取りざたされて2、3年経つが、その「空気」とは、これまで言われた「世間」であり、「世間」が復活した世の中って一体・・・と。これまでの「空気」や「世間」の研究書なども引き合いに出しつつ、持論を展開しています。


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2009、7、26読了

2009年9月 8日 19:48 | コメント (0)

新・読書日記 2009_147

『しがみつかない生き方~「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール』(香山リカ、幻冬舎新書:2009、7、30第1刷・2009、8、10第2刷)

この本の新聞広告を見て驚いた。そこには、
「<勝間和代>を目指さない。」
とあったのです。ほお、凄い!名指し、ご指名である。しかも、ある意味これは「全否定」ですよね。訴えられないのかな?と心配になった。そしてこれは、編集者がつけた「コピー=売り文句」なのかなと思っていたのだが、本書を手にとって目次を見たら、何と一番最後、まとめの章=第10章が、まさに「勝間和代を目指さない」だったのです。読んでみて、納得。そうだよなあ、と思う人の方が、多いのではないかなあ・・・。


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2009、8、19読了

2009年9月 8日 19:46 | コメント (0)

新・読書日記 2009_146

『向日葵の咲かない夏』(道尾秀介、新潮文庫:2008、8、1初刷・2009、7、5第20刷)

「このミス(=このミステリーがすごい!)」2009年度第1位。日経新聞夕刊のコラムで、この著者の書いたエッセイを読んだことはあったが、小説を読むのは初めて。友人に勧められて読んだ。友人は「あまり好きではない」と言っていたが、私も、好みではない。でもおもしろい。けど好きではない。ふーむ。


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2009、7、27読了

2009年9月 8日 19:44 | コメント (0)

新・読書日記 2009_145

『週刊誌は死なず』(元木昌彦、朝日新書:2009、8、30)

「死なず」と言うからには、「死んだ」と言う連中がかなりいるから、それへの反論と考えていい、そういうタイトル。「え、週刊誌、死んだの?」と思ってしまった。
新聞や放送では書けない(報じられない)部分を、週刊誌は担ってきたという「自負」がある。しかし、名誉棄損裁判における賠償額の高額化や、名誉棄損の立証責任が週刊誌側にある不利、それにて加え最近では『週刊新潮』の、朝日新聞阪神支局襲撃事件の犯人を名乗る男の手記で大誤報をしてしまったことなどで青息吐息である様子なども、赤裸々に記されている。5月に開かれた「週刊誌は生き残れるか?」というシンポジウムの様子などもおもしろかった。週刊誌の問題は、テレビ局にとっても同じ根っこの問題だと感じた。そういえば最近は「新聞」「(地上波)テレビ」も「消滅」なんて本があるし、雑誌を含め「マスメディア」は消えてしまうのだろうか?そんなことはありえないとは思うが、今までとは違った形態になって行くのは、間違いなさそうだ。


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2009、8、16読了

2009年9月 8日 19:40 | コメント (0)