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『道浦TIME』

新・ことば事情

7170「割卵」

一人で夕飯を食べていた「うどん・そば・丼屋さん」で、カウンターの中に、おそらく「食中毒予防マニュアル」のようなものがあるのが、目に入りました。そこには、こんな文言が。

「割卵は使う直前に」

この中の、

「割卵」

という言葉が目に留まったのです。初めて見る熟語です。おそらく、

「カツラン」

と読むのでしょう。意味は見て字のごとく、

「生卵を割ること」

でしょう。おそらく「カツドン」も「カツラン」して作るんだろうなと思いました。

果たしてこの言葉、辞書に載っているのかなあ?

『広辞苑』『精選版日本国語大辞典』『新明解国語辞典』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『旺文社標準国語辞典』『現代国語例解辞典』『三省堂現代新国語辞典』『新選国語辞典』『岩波国語辞典』を引いてみました。しかし、「カツライス」や「かつらむき」は載っていましたが、「割卵」は載っていませんでした。

しかし、

「料理関係の言葉は、料理に詳しいNHK放送文化研究所の塩田雄大さんが担当しているはずだから、もしかしたら載っているかも...」

と思った『三省堂国語辞典』には、予想通り、載っていました!素晴らしい!

*「かつらん(割卵)」=(文)たまごを割ること(例)割卵機・割卵工場

「文語」だったのですね、「割卵」は。勉強になりました。

と、ここまで書いて、ちょっと過去の原稿を調べたら・・・、

「平成ことば事情5357 液卵&割卵」

で、「割卵」について書いていました、5年前に!しかも『三省堂国語辞典』を引いていました・・・。

全然、身についてないじゃん!

(2019、6、19)

2019年6月20日 18:55