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『道浦TIME』

新・ことば事情

6983「来春(らいはる)」

「来春」

と書いて、

「らいはる」

と読むのは、「重箱読み」で

違和感があると、法政大学の尾谷昌則教授が、ツイッターで呟いてらっしゃいました。

でも、能の流派、

「金春(こんぱる)流」

の場合も「重箱読み」だし、「らいはる」も「無くはない」が、と。

なぜ「らいはる」と読むのか?私が考えたのは、もし「音読み」で、

「らいしゅん」

と普通に読むと、

「らいしゅう(来秋)」

と聞き間違う恐れがあるからではないでしょうかね?そういえば、

「一日付(いっぴづけ)」

「いっぴ」という読み方も、これに似ていますかね?こちらも「重箱読み」かな?

それと、

「聞き間違いを防ぐ」

という目的で言うと、

「首長(しゅちょう)」を「くびちょう」

「私立(しりつ)」を「わたくしりつ」

「市立(しりつ)」を「いちりつ」

と読むのも、そういった目的ですね。

(2018、10、23)

2018年10月23日 18:52 | コメント (0)

新・ことば事情

6982「公式の場所 選手人生」

10月23日午後3時から、卓球の福原愛さんが「引退報告会見」を行いました。「ミヤネ屋」でも少しだけその模様をお伝えしましたが、読売テレビ夕方の「かんさい情報ネットten.」でもトップニュースで伝えていました。そのVTRの冒頭のナレーションを聞いて、「おや?」っと思いました。それは、

「引退を表明してから初めての公の場所」

という言葉。この中の、

「公の場所」

というのは少しおかしい。正しくは、

「公の場」

でしょうね。「場」と「場所」はどう違うか?

ほぼ同じと言えばそうなのですが、ニュアンスは違いますね。

「場所」は、

「具体的な場所」

で、「住所、所在地」などを示すでしょう。

それに対して「場」は、もう少し、

「抽象的な空間・スペース」

を指すと思われます。特にこういう場合の「公の〇〇」という言い回しでは、

「公の場」

がふさわしいでしょう。その旨、プロデューサーに伝えたら、

「その通りですね。気を付けます」

ということで、引き続き、愛ちゃん・・・愛さんのニュースを見ていたら今度は、

「26年間の選手人生に区切りを付けました。」

という文章が。この、

「選手人生」

もおかしいですよね。この場合は、

「選手生活」

が妥当です。「人生」と「生活」。似ているけど、明らかに違いますよね。「人生」はトータルで俯瞰しているけど、「生活」は日々連続して続けて来たものの積み重ねという感じがしますよね。

この原稿を書いたディレクター、言葉遣いが微妙にストライクゾーンからずれて、

「ボール」

になる球を投げて来ますねえ・・・。

(2018、10、23)

2018年10月23日 18:42 | コメント (0)

新・ことば事情

6981「やられてきて」

10月21日、卓球の愛ちゃんこと「福原愛選手」が引退を表明しました。

このニュースを伝えた、翌日10月22日の日本テレビ「スッキリ」で、「ハリンセンボン」の近藤春菜さんがこうコメントしました。

「ずっと(卓球を)やられてきて」

この「やられてきて」という"敬語"に違和感が。これだと、

「受け身」

のように感じられます。「やっつけられてきて」のような感じです。ここは

「ずっと やってこられて」

が正しいでしょうね。

ちなみに、愛ちゃんが出したコメントも、

「ご期待に沿えられず、すみません」

とあって、これにも違和感が。「ご期待に」の後は、

「沿えられず」

ではなく、

「沿えず」

でしょうね。「られず」を使うならば、

「ご期待に応えられず」

でしょう。混交表現かな。

それはさておき、小さいときから26年間、みんなの期待を一身に背負い、

本当にお疲れさまでした!

(2018、10、22)

2018年10月23日 18:41 | コメント (0)

新・ことば事情

6980「揺るがせた」か?「揺るがした」か?

10月22日の「ミヤネ屋」の放送でナレーターさんから質問を受けました。

「原稿には『揺るがした』と書いてあるが、これは『揺るがした』が正しいのか?それとも『揺るがせた』か?」

うーん、どちらでも間違いとは言えないけど、私の語感としては、

「揺るがせた」

かな、と答えました。

語構成を見ると、

*「揺るがせた」=自動詞「揺るぐ」に「使役の助動詞」である「せる」の活用形「せ」と、過去の助動詞「た」をくっつける。

*「揺るがした」=他動詞「揺るがす」の「連用形」である「揺るがし」に、過去の助動詞「た」をくっつける。

という違いですよね。どちらも間違いではありませんんね。

しかし、「せ」のほうが、より大きく「揺らした感じ」がします・・・と私は感じます。

(2018、10、22)

2018年10月22日 17:38 | コメント (0)

新・ことば事情

6979「ブサイ」

<2017年5月28日に書き始めました>

コンビニのイートインにいた女子高校生の会話が耳に入って来ました。

「ブサい」「ブサくない」

という言葉。これって、

「ブサイク(不細工)」

という「名詞」が「形容詞化」しているんですよね!

そういえば、生理痛の薬(バファリンルナi)のコマーシャルで、高畑充希さんが、

「ブチャクなる」

と言っているのがありましたが、従来であれば、

「ブサイクになる」

というように(さっきも書いたように)「ブサイク(不細工)」というのは「名詞」なのですが、おそらく女子の間では「形容詞化」しているのだろうなと思いました。

グーグル検索では810月19日)

「ブサい」  =     1

「ブサイ」  =6万3100件

「ぶさい」  =3万5800件

「ブサクない」=   163件

「ブサくない」=1万6200件

「ぶさくない」=  1380件

「ぶちゃくなる」= 8740件

「ブチャくなる」= 3050件

「ブチャクなる」=  785件

でした。思ったほど使われていませんでした。

(2018,10、19)

2018年10月22日 17:37 | コメント (0)

新・ことば事情

6978「亀の手、ペルセベス」

先日、行きつけのスペインバルのメニューに

「亀の手」

というのがありました。聞いたことはあるけど、食べたことはないので、頼んでみることにしました。それで、出て来たのが写真のようなもの。

201810192.jpg

なるほど、「亀の手」のような感じですね。その意味では、ちょっとグロテスクです。

「これ、何なんですか?」

とマスターに聞くと、

「貝の一種ですね。キュッとひねって食べるんですけど、その際にピュッと汁が飛ぶんで、気を付けてくださいね」

と言われました。食べてみると・・・確かに汁がピュッとかなり飛びました。なかなか難しいです。

あまり食べるところはなくて、そうですね、ピスタチオを食べるような感じでした。

ちなみにマスターによると、「スペイン語」では、

「ペルセベス」

といって、ガリシア地方では欠かせない高級食材なのだそうです。

ま、一度でいいかな、食べるのは。

(2018、10、19)

2018年10月19日 19:04 | コメント (0)

新・ことば事情

6977「オムすび」

先日、コンビニで見つけて購入したおにぎり。

こんな名前でした。

「オムすび」

201810191.jpg

これ、うまいなあと思いました。

「おむすび」を「玉子」でくるんでいるのでまるで「オムライス」のよう。

そこで「オムライス」の「オム」と、「おむすび」の「オム」をかけて、合わせて、

「オムすび」

いやあ、うまい!シンプルでうまい!

お味の方も「うまい!」でした。

やるな、セブン-イレブン!

(2018、10、19)

2018年10月19日 18:51 | コメント (0)

新・ことば事情

6976「LGBTQ」

アメリカの中間選挙を前に、ツイッターのフォロワーが1億人以上という歌手の、

「テイラー・スイフトさん」

が、「民主党支持」を表明し、中間選挙に登録して投票に行こうと呼びかけました。

その理由として、

「共和党候補は『LGBTQ』の存在を許容していないから」

ということを挙げていました。この、

「LGBTQ」

というのは、見慣れない・聞き慣れない言葉です。

「LGBT」

に関しては、「平成ことば事情6627LGBT(性的少数者)」で、去年の年末に書きました。昨秋開かれた「新聞用語懇談会」で、このことが議題に上がったからです。その後この1年で「LGBT」という言葉とその存在は、かなり急速に普及したと思いますが、それに「Q」が付いた、「LGBTQ」は、日本ではまだ一般的ではないでしょう。

「Q」=「Questions(クエッションズ)」

つまり、

「自分の性的指向が男女どちらであるのかが、わからない人」

なんだそうです。

去年11月の「関西地区用語懇談会」では、「LGBT」以外の「性的少数者」として、

・「インターセックス」=身体的に男女の区別がつきにくい人

・「アセクシャル」=無性愛者。同性も異性も好きにならない人

・「クエスチョニング」=自分の性別や性的指向に確信が持てない人

などがいて、「LGBT」が全ての「性的少数者」を含むわけではない、と。

そして、

「LGBTの認知度が上がる中で、かえって『その他の性的少数者』の疎外感が深まる恐れもある。」

と指摘していました。

また、同じく去年11月に岡山で開かれた新聞用語懇談会秋季合同総会では、

「最近ではLGBTの他に、自分の性別や性的指向に確信の持てない、模索中の人『クィアー・クイアー(Queer)』『クエスチョニング(Questioning)』の単語の頭文字である『Q』を加えた『LGBTQ』という表現も見かける他、『LGBTT』(最後の「T」は「身体と心の性が異なるため外科的手術によって一致させることを望む人=トランスセクシュアル(Transsexual)の頭文字)など、性の多様性を表す『頭文字語』は、まだたくさんある」

という発表がありました。この時点では、やはりまだ、

「『LGBTQ』は、まだ用例は少ないようだ」

とした上で、

《【ロサンゼルスAFP=時事】...ディズニー・チャンネルの番組に性的少数者(LGBTQ)が登場するのはこれが初めてではなく、2014年にドラマ「グッドラック・チャーリー」のあるエピソードにレズビアンのカップルが登場している。しかし同チャンネル番組のメインストーリーで性的少数派が扱われるのは今回が初めて。【翻訳編集 AFPBBNews】(2017/10/27-12:53)》

といったように、外信記事(翻訳含む)での使用例はあったようです。

また、

「2017年11月1日付『朝日新聞』のコラム『ことばの広場』で『SOGI(ソジ)』という言葉を紹介していた。『SO』=性的指向、『GI』=性自認。『LGBT』のうち『LGB』は『SO』であり、『T』は『GO』だ。」

という意見が、「産経新聞」の委員から出ました。

NHKの委員も、

「『LGBT・性的マイノリティー(の人々)』としている。『LGBTQ』での出稿はない。」とのことでした。

フジテレビの委員も、

「ここ1年の原稿では『性的少数者(LGBT)』『LGBT(性的少数者)』。少し前の原稿では『レズ、ゲイなどを指すLGBT』で『LGBTQ』はなし。」

とのことでした。

この1年を見ていると、表記は、

「LGBTなど性的少数者」「性的少数者(LGBTなど)」

が多いようですね。

とここまで書いて、一つ気付きました。

例の『新潮45』を休刊に追い込まれた「LGBT」を巡る杉田水脈(みお)議員と小川榮太郎氏の文章。読もうと思って本屋さんなどを捜したのですが見つからなかったので、それを報じた週刊誌などの記事しか読んでいないので、これまでコメントは差し控えて来たのですが、週刊誌報道によると、このうちの小川氏の文章に、「LGBT」を指して、

「性的嗜好」

という言葉が出ていました。ここはポイントではないでしょうか?

「LGBTは『嗜好』ではなく『指向』」

なのではないでしょうか?そこの「漢字の使い分け」「言葉の使い分け」から、「LGBT」がどういうものであるのかということを理解していないように感じたのでした。

(2018、10、19)

2018年10月19日 18:08 | コメント (0)

新・ことば事情

6975「100%を超えるパーセンテージ」

以前、

「2万パーセント、出馬はない」

と言って選挙に出た人もいましたが、その後も、

「200%ない」「120%大丈夫」

など、

「100を超えるパーセンテージ」

を口にする人は後を絶ちません。

でも、皆さんも経験上ご存知でしょうけど、そういった場合は、

「たいてい『ウソ』だったり、『そのようにはならない』ことが多い」

ですね。

そこで、きょう道を歩いていて、ハタと思い付きました。

「100%を超えるパーセンテージを示された場合は、そこから100を引いた分が、その主張と正反対のベクトルを持つのではないか」

と。いかがでしょうか?

(2018、10、18)

2018年10月19日 18:07 | コメント (0)

新・読書日記 2018_139

『下町ロケット~ヤタガラス』(池井戸潤、小学館:2018、10、3第1刷)

『下町ロケット~ゴースト』の続編、というか「ゴースト」が上巻で「ヤタガラス」が「下巻」ですね。他局でドラマも始まりましたが、まだ見ていない。

「ヤタガラス」というのは、神武東征の伝説に出て来る、神武天皇の道案内をしたとされる、太陽の中に住むと言われる「三本足のカラス」で、日本サッカー協会のマークにも使われていることで知られますが(知られてる?私はもちろん知っていますが)、この小説では、

「帝国重工の大型ロケットによって宇宙に送られた、準天頂衛星に付けられた名前」

です。その衛星を使って、数センチの誤差しかなく動く無人トラクターの開発の物語が、この『下町ロケット~ヤタガラス』です。

おもしろいです。

まず「悪役」をいっぱい設定するという意味では「時代劇」と同じで、しかも味方の内にも「内なる敵」がいたり、敵だと思ったら仲間だったり、その辺がさじ加減で面白いですよね。それでも「真心」というか「理念」を通す、「世の中を良くしたいという信念」で、周囲がうまく回るようになって行って、「めでたしめでたし」という「勧善懲悪」的なので、安心して読めますね。大体、読む前から、それは想像がつきましたが。安心理論。

ロケットの次は農機具。よく取材されていますね。

言葉で気付いた点。

(42ページ)満面の笑顔を浮かべた野木【満面の笑顔】

(62ページ)一時は佃製作所の売上げの相当部分を占めていたことすらある親密先だ。【親密先】

(82ページ)この日耕耘(こううん)するつもりの休耕田【耕耘(こううん)】

(95ページ)現在専務取締役の柴田和宣(しばた・かずのり)は(中略)いまの地位にまで上り詰めた。【専務=上り詰めた】

(154ページ)まさに背水の陣頭指揮を執ろうという考えなのかも知れない。まさに、乃公(だいこう)出(い)でずんばーーーである。【乃公(だいこう)】【背水の陣頭指揮】【まさに・・・まさに】

(174ぺーージ)的を射たらしい。【的を射る】

(212ページ)どこまで品質を追究するかが作り手に問われている。【追究】

(242ページ)ようやく訪れた汚名返上の好機なのだ。【汚名返上】

(272ページ)納得するまで原因を追究しているだろうよ。【追究】

(276ページ)第八章 帝国の逆襲とパラダイムシフトについて【帝国の逆襲】

(302ページ)その会議で檄を飛ばし【檄を飛ばす】

(311ページ)勿怪(もっけ)の幸い【勿怪(もっけ)の幸い】

(320ページ)"豪腕"の的場俊一【豪腕】

(325ページ)遊星ギアか【遊星】

(366ページ)重苦しく言葉を噤(つぐ)んだ【言葉を噤(つぐ)む】

ということで、「言葉の題材(ネタ)の宝庫」でもあります。


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(2018、10、15読了)

2018年10月18日 18:51 | コメント (0)
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