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『道浦TIME』

新・ことば事情

7358「『取り沙汰されて』のアクセント」

2月21日「スッキリ」ニュースで、日本テレビの後藤春菜アナウンサーが、

「取り沙汰されて」

という言葉を、

「ト/リザタサ\レテ」

と読んでいたのが気になりました。これは本来、

「ト/リザタサレテ」「ト/リザタ・サ/レテ」

と読むべきではないでしょうか?

隣にいた立田アナウンサーに聞いてみたら、

「実はそれに関しては、わたしも後藤アナと同じアクセントだと思っていましたが、以前、W先輩に注意されて直したことがあります、でも実は納得はしていなかったんです」

と言うではありませんか!

そこで解説を始めました。

「これは『取り沙汰』という名詞に、受け身の『されて』がくっ付いているんだよ。それを『ト/リザタサ\レテ』と読んで、『取り』が接頭語で『取り沙汰され』で1つの動詞のようにコンパウンドしてしまうと、おかしいわけ。もしかして、『取り沙汰』という言葉を知らないんじゃない?『狂気の沙汰』『地獄の沙汰』など『〇〇の沙汰』というのは『〇〇の状態』というような意味なんだよ。たぶん『取り上げられて(ト/リアゲラ\レテ)』『取り下げられて(ト/リサゲラ\レテ)』『取りさばかれて(ト/リサバカ\レテ)』と同じように感じてるんじゃないかな。『取り沙汰』を『NHK日本語発音アクセント新辞典』で引いてみたら『ト/リザタ』という『平板アクセント』しか載っていなかったよ。」

これを聞いて立田アナウンサーは、

「腑に落ちました」

と話していました。

(2020、2、21)

2020年2月21日 18:41