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『道浦TIME』

新・読書日記 2014_063

『100年後の人々へ』(小出浩章、集英社新書:2014、2、19)

 

帯には「生まれ変わったら、生涯を廃炉技術に捧げたい」と記されている。小出裕章さんと言えば「半原発運動のシンボル的」存在。しかし「東京の首相官邸や国会議事堂を取り囲むデモ」に初めて参加したのは、意外にも、東日本大震災から2年以上もたった2013年8月30日だったそうです。それも「単なる一参加者」として。

放射能の問題は、100万年というとてつもない時空を超えなければならないが、それではあまりにも実感がない。しかし今年か来年かという短いスパンで見ていても、大局的な動きはできない。そこで「100年後」という、ある程度想像できる長期間を設定して(自分は、もちろんもう生きていない未来だが)考えていこうとしたそうだ。

色々な所での講演をひとつにまとめたかのような、わかりやすい話し言葉で書かれているが、内容には少しバラつきがあるように思う。もちろん、考え方は一貫しているのであろうが。その意味で、一冊の書物としては読むとちょっとわかりにくい感じになっている気がしました。


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(2014、4、10)

2014年6月 2日 20:25