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『道浦TIME』

新・ことば事情

7310「『特定抗争指定暴力団』の読み方」

2年目のSアナウンサーが、質問してきました。

「道浦さん、『トクテイコウソウシテイボウリョクダン』は、どこで区切って読めばいいんでしょうか?」

「???なんだって?」

「『トクテイコウソウシテイボウリョクダン』です。」

「特定コウソウ指定暴力団?」

「指定暴力団の『山口組』と『神戸山口組』の抗争事件の頻発を受けて、愛知や兵庫など6府県の公安委員会が、暴力団対策法に基づく『特定抗争指定暴力団』指定を正式決定するというニュースなんです。」

「ああ、『抗争』ね。一連の事件を受けて。それは『特定抗争』をしている『指定暴力団』だから『ト/クテーコ\ーソー・シ/テイボーリョク\ダン』でいいんじゃないの?」

と答えてから、ちょっと待てよと、改めて、

「特定抗争指定暴力団」

というのを調べてみると、今回の「抗争事件」を受けて、より厳しい指定をするもののようです。つまり、

「『特定抗争指定』の『暴力団』」

のようです。そうなると「切る所」「意味の塊」が変わって来ます。

あわててSアナウンサーの所に行って、

「ゴメン!やっぱり『ト/クテーコーソーシテイ・ボ/ーリョク\ダン』だわ!『特定抗争指定』の後に『の』を入れるような気持ちで、少しだけ間を開けて、『暴力団』を言い直す感じかな。」

と、さきほどの答えを修正したのでした。

長い単語の場合は、

「どこまでコンパウンドをするか」

が難しいですし、全部「コンパウンド」して「アクセントの山を1つ」にしてしまうと、

「意味の区切りが分かりにくい」

ので、ある程度のところで、一旦、アクセントの山を終わらせたほうが、聞いていてわかりやすいとは思うのですが、それはあくまでも、

「意味・内容を崩さないように」

しないといけないというところが、難しいですね。

(2019、12、26)

2019年12月27日 11:51