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『道浦TIME』

新・ことば事情

7126「ド家元」

倉本聰さんへのインタビューをまとめた『ドラマへの遺言』(新潮新書、聞き手=碓井広義)の207~208ページで、倉本さんが、自宅に天皇皇后両陛下がいらっしゃったときのことを話しています。すごいな、どうも。家に両陛下が来ちゃったの?

その際、両陛下が倉本さんの家に上がる時に、ちゃんと膝をついて自分の靴を揃えて向きを変えられた、と。さらに出ていかれる時にも、土間に膝をついて吐いていたスリッパの向きを変えていらしたと。倉本さんはそれを見て、衝撃を受けたそうです。そして、こう思ったと。

「天皇家っていうのはお作法の家元なんだってことが分かったんです。家元の中の家元、ド家元なんですね(笑い)」

すごいこと言っちゃってますね、倉本さんは。ここで出て来た、

「ド家元」

という言葉、普通は使いません。使いませんが、あえて違和感を持たせる"セリフ"を、倉本さんは使ったんでしょうね。

「ど」「ド」の付く言葉、私はこれまでにも書いています。

平成ことば事情0486「どキレイ」、2946「ド平日」、4500「ドハマリ中」、4660「ドハンサム」、4827「どがいしょなし」、5444「ど生鮮」、5476「ど真ん前」、5481「ド真面目」、6053「どびつこう」、6062「どはやい」、6169「どストライク」、6182「どびつこう」、7063「ど真ん中」等もお読みください。

あ、「どびつこう」が2つあるな。

(2019、4、8)

2019年4月 9日 20:37 | コメント (0)