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『道浦TIME』

新・読書日記 2019_153

『阪神タイガース 1985-2003』(中川右介、ちくま新書:2019、10、10)

タイガースファン(不安?)の中川さん、前作は、「2016読書日記176『阪神タイガース1965-1978」(2016、11、10)でした。もう3年もたつのか。その間に、今年、"金やん"こと金田正一さんも亡くなくなってしまったなあ...阪神じゃないけど。

柱として村山、江夏、田淵というスターがいた。

今回は、1985年の「21年ぶりに優勝」というエポックメーキングな出来事が、実はその後2003年まで18年間続く「暗黒時代」の始まりであったと。その「暗黒時代」を描く一冊。446ページもある、新書としてはかなり分厚い一冊。私は、実はホンマモンのタイガースファンではないのだが、関西在住者としては気になる球団であるし、最初の優勝した頃は仕事として取材をしたりもしていたので、この時代のターガースには、多少なりとも鼻が利く。56~57ページの「バックスクリーン3連発」は、バックネット裏で、生で見ましたからね。エッヘン!懐かしいなあと思いながら読み進めた。ある意味、私にとっては「青春の書」でもある。

開幕時のスターティング・メンバーがしっかりと書かれている年と、無い年があるが、それを抜き出してみた。この選手の名前を見るだけで、何と言うんでしょうね、歴史マニアが「歴史年表」を見るだけで、1時間~2時間楽しめるような感じだ。

阪神タイガース開幕スターティングメンバー 1989-2003

(数字は守備位置)

1番 2番 3番 4番 5番 6番 7番 8番 9番 

【1989】8大野6和田5掛布3バース4岡田9真弓7中野2嶋田1仲田

【1990】6和田8中野4岡田3パリッシュ7真弓9田尾5八木2嶋田1中西

【1991】7高橋慶6和田3オマリー4岡田8ウイン9田尾5八木2木戸1野田

【1991】

【1992】

【1993】4和田6久慈5松永3オマリー7パチョレック8八木9岡田2山田1仲田

【1994】8新庄4和田9亀山5オマリー7石嶺3ディアー6久慈2吉田1湯舟

【1995】4和田9亀山5クールボー3グレン7石嶺8新庄2木戸8湯舟6久慈

【1996】8新庄6久慈9桧山7石嶺3平塚5クールボー4和田2関川1藪

【1997】4和田6久慈8新庄9桧山3八木7平塚5ハイアット2山田1川尻

【1998】4和田9桧山5ハンセン7パウエル3大豊8新庄2山田6星野1藪

【1999】8坪井4和田7大豊5ブロワーズ3ジョンソン6今岡9佐々木2矢野1藪

【2000】7坪井5和田9タラスコ8新庄3大豊2矢野4今岡6田中1星野

【2001】7平下8上坂9坪井3クルーズ5ペレス2矢野4今岡8沖原1星野

【2002】8赤星4今岡5片岡3アリアス9桧山7坪井2矢野6藤本1井川

【2003】4今岡8赤星7金本9濱中3桧山5アリアス2矢野6藤本1井川

中川さんが生粋のタイガースファンならではの表現としては、

「ファンとすれば『優勝争い』をしていること、『九月に首位にいる』ことだけでも奇跡に近い。」(81ページ)

という"自虐的なコメント"が。(笑)

あ、ひとつ、気になった表現は、スコアの書き方で、たとえば127ページ、4行目に、

「一対七で負けた」

とあるのに、その後の別の試合で、9行目には、

「五対二で負けた」

とあります。結構、このパターンが何か所かあったので、気になりだすと気になる。やっぱり負けた場合は、最初の「一対七で負けた」のような形の方が「しっくり来る」と思いました。

しかしこれは、阪神ファン「座右の書」「必携の書」でしょうね。ぜひ!


star4

(2019、10、28読了)

2019年11月27日 11:51