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『道浦TIME』

新・読書日記 2018_135

『1968年』(中川右介、朝日新書:2018、9、30)

いつもの中川さんの本、ぶ厚い365ページ。最近の新書なんて大体200ページぐらいなのを考えると、倍近い。

「1968年」というとちょうど、50年前。半世紀。その年にあった出来事をいくつかの観点から見ていくという試み。今回は、

「グループサウンズ」(第一話「ザ・タイガースと若者たちの闘争」)

「少年漫画」(第二話「『少年マガジン』と漫画雑誌攻防戦」)

「野球と野球漫画」(第三話「若きエースたち~江夏豊と星飛雄馬」)

「映画」(第四話「映画スターたちの独立戦争」)

つまり「音楽」「漫画」「野球(スポーツ)」「映画」という「4つの文化」の側面から「1968年」という年を語り、分析するもの。

あれ?これってもしかしたら、これまでの中川さんの作品執筆の中から生まれた「副産物的」なものなのかな?だとしたら、こうやっていろんな観点から分析・抽出して組み合わせることで、別のものが出来るというのは、面白いですよね。

私は、中川さんより「1歳年下」という、まあほぼ同世代で、「1968年」は「小学校1年生」。その意味では一番リアルタイムで感じられて覚えているのは、「漫画雑誌の攻防」ですね。確か小学校1年生の時に「少年ジャンプ」という新しい漫画雑誌が創刊されたのは覚えています。私は買っていなかったけど、1~2歳上の友達が買っていて、いつも回し読みというか外で一緒に並んで読んでいました。読むスピードが違うと、「このページ、もう読んだ?」みたいな目線で「うん」なんて、うなずいたりして。なつかしい「子どもの頃の思い出」のひとコマですね。「ハレンチ学園」も、読んでいましたよ!PTAからの評判は悪かったけど、「教育ママ」から。永井豪さん、今も現役で描かれています。50年経って「おっさん」となった私にとっては、ちょっと線がなじまないのだけれど。

そしても、ちろん「巨人の星」はアニメで見ていました。まさか大人になって、そのアニメを制作・放送していた会社に入社するとは思わなかった。マンガ雑誌は、散髪屋さんで順番を待っている間に読んでいました。「あしたのジョー」は、三重に住んでいた当時20代前半の叔父が漫画の単行本を全巻持っていて、叔父の家に行ったときに読んだ覚えがありました。

グループサウンズやフォークソングは、後から学んだ感じかなあ。まだ幼稚園だったからねえ。「フォーククルセダーズ」が、(1968年)10月17日の解散コンサートの後に、読売テレビの「11PM」に出演したのが最後の活動になったのだそうだ。(72ページ)当時は大阪・南森町の社屋だったよな。今調べたら、この日は「木曜日」。たしかに「木曜イレブン」と「火曜イレブン」は「大阪・よみうりテレビ」から放送していましたからね。

現代につながる歴史のワンシーンを読み取ることが出来て、面白かったです!

これって、続編で「1969年」「1970年」「1971年」・・・と毎年の分を、「50年前」を振り返って、出せますよね、「半世紀前シリーズ」。なかなか良いアイデアだと思いますが。調べて書くのは大変でしょうけど。

なお、誤植1か所発見。「227ページの後ろから3行目」、

×「西本幸男監督率いる阪急ブレーブス」→〇「西本幸雄監督率いる阪急ブレーブス」

ですね。改名したということは、ないですよね?


star4

(2018、10、6読了)

2018年10月12日 18:19 | コメント (0)