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『道浦TIME』

新・ことば事情

7224「在来線」

「ミヤネ屋」のOディレクターから質問を受けました。

「『在来線』というのは『JRだけ』でしょうか?『JR在来線』とすると重複でしょうか?」

あんまり考えたことはなかったけど、よく考えてみれば、答えは、

「YES」

ですね。「在来線」というのは、1964年「東京オリンピック」の際に、

「新幹線」

ができたことで、初めて出て来た(できた)できた言葉です、たぶん。何せ、

「新・幹線」

なのですから。線路の幅も、これまでよりも広いし。旧来の線は、

「従来からある線」

ということで、

「在来線」

と名付けられ、当時の「国鉄」から、現在の「JR」に至るまで使われていると考えられます。

ただ、もう普通名詞として使われているので、『広辞苑』を引いても、

「在来線=同一区間の新しくできた鉄道線に対して、それまであった線。特に、新幹線に対して昔からの線。」

と出ていますし、『新明解国語辞典』も、

「在来線=(新しく開通した新幹線などに対して)(ほぼ)同一の区間にあるそれまでの鉄道路線の称」

と、やはり「新幹線」に言及しているものの、それに限定はしていません。『精選日本国語大辞典』では、

「在来線=同一の区間に新しく別の鉄道線路が改行した場合、従来からの鉄道線路をさす呼称。たとえば、東海道、山陽などの新幹線に対して、従来の本線を呼称する。」

と、これも詳しく載っています。『新潮現代国語辞典』は、

「在来線=鉄道などで、新設の路線に対して、すでに敷設・運行されている路線」

と「新幹線」を使わずに説明。これだと「私鉄」でも使えるような感じです。

『三省堂国語辞典』は「見出し語」としては載っていませんでしたが、

「在来=今まで(あったこと)」

の用例として「在来線」が出ていますが、これは見出し語にした方が、いいのではないでしょうか?『現代国語例解辞典』『岩波国語辞典』も同様です。

『新選国語辞典』も「在来」しか見出しになく、用例も、

「在来線路の廃止」

というように「在来線」ではなく「在来線路」と、微妙に違う。

『三省堂現代新国語辞典』も「在来」しか見出しになく、用例も、

「在来線の廃止」

これは『新選国語辞典』の用例とは「線路」か「線」かの違い(「路」があるかどうか)ですが、どちらも「在来線(路)」は「廃止」という用例なのですね・・・。在来線も頑張っているのに!!そんなに「新しい」のが良いの?

といったことに注目していたら、10月14日のNHKのお昼のニュースで、仙台局からの台風19号の被害に関するニュースで、

「JR在来線」

とテロップが出ていました。「在来線」と「JR」は重複ではないのか?

ナレーションは「在来線」だけだったと思います。

(2019、10、15)

2019年10月15日 20:04 | コメント (0)