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『道浦TIME』

新・読書日記 2019_057

『河鍋暁斎 暁斎百鬼画談』(安村敏信・監修解説、2009、7、10第1刷・2015、8、30第2刷)

兵庫県立美術館で開かれている『河鍋暁斎展』のグッズ売り場で購入。

大きな図録が2500円で、この文庫本が1080円。文庫本としては少し高いが、カラーの写真も多く、その意味ではお得。

絵を見ていると「鳥獣戯画」のようでもあり、「浮世絵」のようなものもあり、「屏風絵」のようなものもあり、「水木しげるの妖怪」のようでもある。ネットで検索したら、実際に過去の展覧会で、河鍋暁斎の絵の中に『目玉の親父』や『鬼太郎』をコラボさせたグッズもあったそうだ。その画像を見てみると、何の違和感もなく溶け合っていた。

骸骨が酒を飲んでいる絵画は「妖怪もの」と言うよりは「人間の骨格標本」を正確に書いたものではないか?そういう意味では「ターヘル・アナトミア(解体新書)」のようでもある。変幻自在の画風だなあと思いました。

以下、読んですぐに書いたメモです。

『鳥獣戯画から北斎漫画、水木しげるからジブリ宮崎駿・千と千尋の神隠しに繋がる系譜。蛙を題材に取る、魅力を感じるのは草野心平を想起させる。骸骨の絵は、ターヘルアナトミア、解体新書。人間を書くのに、その骨格をわかっていなくてはならないという意図か。そして骨格が分かると、肉は皮相に過ぎず、骨格のみで描いた方が、より伝わると感じたのではないか。』


star4

(2019、5、4読了)

2019年5月10日 12:18 | コメント (0)