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『道浦TIME』

新・読書日記 2018_158

『サカナとヤクザ〜暴力団の巨大資金源「密漁ビジネス」を追う』(鈴木智彦、小学館:2018、10、16第1刷)

ネットで評判になっていたルポ本。タイトルがいいですよね「サカナ」と「ヤクザ」。語呂が言い。「サカナ」、つまり漁業には「ヤクザ」が絡んでいると。そう言うと、何だか漁業がうさん臭く思えてしまうが、そもそもその辺の境界線は、あいまいだったんですよね、どんな業界でも。それが白黒はっきりさせるような世の中になって来たので、従来型の境界線があいまいな産業は、後ろ指を指されるようなことも、あるのではないかと。

それと、やはり漁業の場合は、漁場・仕事場が広い。地球の7割は「海」で、そこが仕事場なんだから。でもそこも、かなり細かく区分されて漁業権がある。その隙を突いての「密漁」。東日本大震災の後、一時、漁業が禁止になった時期があった。そういう間隙を突いてくるのがヤクザ、密漁。海上保安庁との戦いの様子を取材したのが第1章。

第2章は、自ら築地市場に潜入して4か月働いてのルポ。築地市場にも「密漁もの」が入っているのか?を調査。ドキドキ。

その後、第3章は北海道の「黒いダイヤ」と呼ばれる「ナマコ漁」。今、密漁バブルなのだそうだ。

更に、千葉の暴力の港・銚子(良いのかな、こんな書き方して。本の目次に書いてあるんだけど)の支配者の歴史や、北海道のカニ漁、九州・台湾・香港で追跡するウナギ国際密輸など、漁業を巡る裏社会とのつながりは、深く暗い。。。


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(2018、11、12読了)

2018年11月23日 18:56 | コメント (0)