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『道浦TIME』

新・ことば事情

6600「東大寺?」

中1の娘と一緒に、おじいちゃん・おばあちゃんの家(実家)で夕食を摂らせてもらった時のこと。夕食後に「おやつ」として

「水色の金平糖」

が出て来ました。それが、

「螺鈿(らでん)と漆の棗(なつめ)」

の中に入っていたのです。我が家には絶対にないような仕様の物でした。そもそも「棗(なつめ)」なんて、ないもんね。それはまるで、

「正倉院の宝物」

のような、と言うと言い過ぎですが、なかなか美しい器でした。そこで娘に、

「これはな、おじいちゃんが『正倉院』から盗んで来たんやで」

と冗談を言うと、口の中に金平糖をほおばった娘が、

「東大寺」

と言ったように聞えました。アクセントは、

「ト/ーダ\イジ」

です。

「お!ちょっとは、わかっとるやないか。でも『東大寺』ではなく『正倉院』やからね、宝物は。」

と言うと、

「ちがふ!ほーだあじ」

と言った後に、金平糖を呑み込むと、こう言い直しました。

「ソーダ味!」

つまり彼女は、"金平糖の味"についてしゃべっていたのでした。父の話など、何にも聞いていなかったのでした・・・。

(2107、12、12)

2017年12月13日 21:33 | コメント (0)