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『道浦TIME』

新・ことば事情

6268「スタニスラフ・スクロバチェフスキ」

2月22日、93歳の世界的な指揮者、スタニスラフ・スクロバチェフスキさんが、2月21日に亡くなったというニュースが流れました。あのスタニスラフ・スクロバチェフスキさん、です。

「おい、スタニスラフ・スクロバチェフスキが亡くなったぞ!」「

「え!あのスタニスラフ・スクロバチェフスキが?スタニスラフ・スクロバチェフスキが死んだのか?」

「そうだ。あのスタニスラフ・スクロバチェフスキだ。」

「そうか・・・あのスタニスラフ・スクロバチェフスキが亡くなったか・・・」

と、落語の「寿限無」を思いださせる名前で、それで93歳まで長命だったのかな。

この長い名前に覚えがあるのは、私がクラシック・ファンだ、という訳ではなく、スタニスラフ・スクロバチェフスキさんが「読売日本交響楽団」の指揮をされていたからです。

大阪でもコンサートをされたことがあって、その際に「15秒スポットコマーシャル」のナレーションをやりました。その「15秒」の原稿に、ディレクターは何と、

「3回も」

フルネームでこの名前を入れて来たのです。表記も「バ」ではなく「ヴァ」で、

「スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ」

でした。さすがに、

「3回は多いのではないか?」

と抗議したのですが、

「それでお願いします!」

ということで、頑張って読んだ記憶があります。

「ウィキペディア」を見て見たら、こんな記述が。

「ファースト・ネームは日本では『スタニスラフ』と表記されることが多い。名前が長く読みにくい為、欧米では略して『ミスターS』とも呼ばれる。」

・・・やっぱり。

会社の、クラシック通の人に食堂で会ったので、

「スタニスラフ・スクロバチェフスキが死んだね」

と声を掛けると、

「長い名前ですからね。まあ普通は『ミスターS』って言いますけどね」

と、さすが!知っている人は、知ってる!

読売日響の指揮での来日履歴を見ると、

1978年5月、2002年2月、9月、2005年4月、12月、そして2007年4月(~2010年3月まで)に読売日本交響楽団の第8代常任指揮者に就任。同年9月に

3プログラム計5公演を振り、この際に「大阪公演」がありました。たぶん私がスポットCMを読んだのはこの時だな。

さらに2008年4月、9月、2009年3月、9月(この時には兵庫・西宮でも公演しています。たぶん芸文ですね)、そして2010年3月26日の「第491回定期演奏会」をもって常任指揮者を任期満了で退任し、翌月から「桂冠名誉指揮者」となり、同年10月に「桂冠名誉指揮者」就任後初の共演。2012年3月、9月、2013年10月まで「ウィキペディア」に載っていて、

「2014年年10月読売日本交響楽団に客演し、1プログラム計3公演を指揮する予定」

とあります。

2010年の時点で「すでに90歳」ですから、これはすごいことですね!!

読売日響の前にも「ミネアポリス交響楽団(現ミネソタ管弦楽団)」音楽監督。現在桂冠指揮者(1960年―1979年)、「ザールブリュッケン放送交響楽団(現ザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団)」首席客演指揮者(1994年から)で活躍されていました。ブルックナーが得意だったそうです。

いずれにせよ、その魂が安らかなることをお祈りします。合掌。

(2017、2、22)

2017年3月 2日 18:05 | コメント (0)