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『道浦TIME』

新・読書日記 2017_013

『蜜蜂と遠雷』(恩田陸、幻冬舎:2016、9、20)

この間の直木賞受賞作。直木賞を取る前に新聞広告で見て「読みたい」と思った。装丁がおシャレ。タイトルは「金文字」である。「蜜蜂」と「遠来」って、一体どんな話なんだろう?実は全編「ピアノコンクール」の話。500ページを超える2段組みのボリュームだが、一気に読ませる楽しさがある。と言うのも、「4人の登場人物=コンクールに出場する人」が、果たしてコンクール上位へ進んで行けるのか?というのが、まるでミステリーの様に読めるからだ。グイグイ引き込まれる。3人の天才と、1人の努力型の人。4人は皆、とっても魅力的な存在だ。天才は天才で、何か悩みを抱えているものなのだな。「蜜蜂」=養蜂業の父親について放浪の生活をしている最年少の天才ピアノ少年「風間塵(かざま・じん)」。「風神雷神」のようなイメージの名前。彼が主人公のように見えて、実は「狂言回し」的な存在なのかなという風に思った。本当の主人公は、母の死で一度は挫折した天才女性ピアニスト・栄伝亜夜だろう。

私は楽器(ピアノ)は弾けないけれど、合唱をやっていて音楽には興味がある。それと以前、仕事で「音楽コンクールの司会」をやったことがあるので、コンクールの雰囲気は少し知っている。課題曲で同じ曲ばかり聞かなくてはならない審査員の先生の大変さもちょっとはわかる気がする。司会もずっと演奏を聴いて・・・というか、舞台の裏で待っていなくちゃいけないし、聴いている内に、ある程度の上手い・下手というか、次に進めるかどうかが、最初の予選の段階だと、分かったりする。耳が慣れて来るのかな。

とにかく、読んでいると、まるでピアノの音が聞こえてくるような気がした。その曲も、どんな曲かは知らないんだけれども。これが文学の力か。

音楽好きの方には、絶対お勧めです!


star5

(2017、2、1読了)

2017年2月17日 19:17 | コメント (0)