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『道浦TIME』

新・ことば事情

6379「ニカブ」

「ブルカとニカブは違う!」

という記事を、2009年6月24日の「読売新聞」朝刊で見つけました。

え?「ブルカ」は聞いたことがあるけど、「ニカブ」って何?

<2009年12月18日に2行だけメモしたまま、8年が経過しています>

2017年7月12日の「毎日新聞」夕刊に、今度は、

「欧州人権裁 ニカブ禁止」

という見出しを見つけたので、ここで書いておくか!と思いました。

この記事には、

「イスラム教徒女性の顔のほぼ全体を覆う『ニカブ』」

とありました。割と簡単な説明です。今はネット検索したり、事典類を引いたら、図解付きで出て来ますよね。イスラムについて、この8年で、少しは理解が(名前だけでも)進んだのかな?まあ、その理解の原因が、あまり「良い意味で、じゃない」のが、残念ですけどね。

一応、国語辞典で「ニカブ」の説明を記しておきます・・・と思ったら、国語辞典には、なかなか載っていない。『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』『明鏡国語辞典』『広辞苑』『新明解国語辞典』『旺文社標準国語辞典』『岩波国語辞典』『新潮現代国語辞典』『現代国語例解辞典』には載っていませんでした。そして、新しい言葉をいち早く採用することで知られる『三省堂国語辞典』も、「ブルカ」は載せていましたが、「ニカブ」は載っていませんでした!新しく日本語の中に入って来た言葉のようですね。

『現代用語の基礎知識2017年版』は、さすがに載せていました。といっても「ブルカ着用禁止」という項目(366ページ)に、

「ブルカは、イスラム教徒の女性が目をのぞき顔や全身をすっぽりと覆い隠す衣装。目の部分が網になったニカブも含めて、ヨーロッパではブルカと総称されることが多い。(以下略)」

とあるだけなんですが。

ついでに、

「ヘジャブ」(ヒジャブ)

も、名前は聞きますが、よくわかりません。

ウィキペディアの「イスラム圏の女性の服装」などによりますと、以下の通り。

【アバヤ】アバヤはアラビア半島の伝統的な民族衣装で、黒い布で目と手足の先以外をすべて隠している。

【ヒジャブ(ヘジャブ)】ヒジャブはスカーフのような布で頭髪を隠すものである。もっとも一般的な服装である。

【ヒマール】ヒマールは、ヒジャブより隠す範囲が広がり、背中まで隠す。

【ブルカ】ブルカは、アフガニスタンで用いられている民族衣装で、目の部分も網状になっていて完全に隠れている。イスラム世界の都市で用いられた女性用のヴェール(ヘジャブ)の1種である。

【ニカーブ】ニカーブ(アラビア語版)は、目だけ見せるものである。色は黒が多い。

【チャドル】チャドルは、イランに多い服装である。顔だけ出して体全体を隠す。

【ブルキニ】ブルキニは、近代になってから登場したムスリム向けの水着である。イスラム教の戒律に合うように、全身を覆うタイプの水着になっている。

グーグル検索では(7月14日)

「アバヤ」 = 83万3000件

「ヒジャブ」= 41万8000件

「ヘジャブ」=  1万2800件

「ヒマール」=209万0000件

「ブルカ」 = 25万0000件

「ニカブ」 =  2万8600件

「ニカーブ」=    5450件

「チャドル」= 10万9000件

「ブルキニ」=  4万6800件

でした。とありました。イスラム教徒でない我々は、全部含めて「ああ、あれね」と、なんとなくしか認識していないのが現状です。

(2017、7、12)

2017年7月15日 18:55 | コメント (0)