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『道浦TIME』

新・ことば事情

6377「お金を儲けるのは悪いことですか」

<2006年12月16日13:40に書き始めました。そんな記録が残っていることが、すごいなあ。>

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今年(2006年)の流行語大賞などには出てこなかったけど、元・村上ファンドの村上世彰氏の、

「お金を儲けるのは悪いことですか」

という言葉、これには当時、誰も答えられなかったような気がしました。ウグッと詰まってしまったような。

「でもやっぱり違う、おかしい」

と思いました。なぜ違うのか考えた時に、この村上氏の発言は、7~8年前に頻出した、

「なぜ、人を殺しちゃいけないの?」

という子どもの質問に似ているなと思いました。

「社会的常識に欠ける」

という点で。「ダメだ」ということが、あまりに当たり前なので、盲点を突かれた気もしましたが。

その仕事の「社会貢献度」に応じた額でなければ悪いこと。

「マネーゲーム」は、その額に比べ「社会貢献度が低い」ので良くない。

「社会貢献度」とはその仕事によって「幸せになる人の数」と「不幸せになる人の数」差。

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と、ここまでが「2006年12月」に書いたメモです。

ずっと気になっていた言葉なんです。

それで、11年経った「2017年6月27日」に、急に閃いたんです、これに対する「答え」が。テストだったら、時間がかかり過ぎて落第ですが、テストじゃないから別に時間制限はないもんね。それを書きます。

「小泉内閣の『自衛隊の行くところは"非戦闘地域"』発言から始まり、『2万%ない』と言っていたのに出馬した橋下・元大阪府知事などの"劇場型の政治家"と、それを支持した人たちによって形成された。『結果が良ければ、手段は何でもいい』という考え方。『結果が全て』と。『儲かればいい、手段は問わない』。村上ファンドが『お金を儲けることは悪いことですか?』にようやく答えられる。

『その手段が法的にも倫理的にも正当で、その結果が大きすぎなければ、お金を儲けることは悪いことではない。しかし、『限度を超えた金儲けは悪いこと』である。なぜなら、儲け過ぎる反対側には、損をする人がいる。限度を超える儲けには、法的か倫理的に、正当ではない手段が、必ず使われているからだ。』

いかがでしょうか?

なんだ、11年前とほとんど内容が変わってないじゃん!むしろ11年前のほうが、よく考えられているのでは?進歩が無いなあ、長い事考えた割りには・・・ちょっとがっかり。

一方、これは「たまたま」なんですが、この発言をした、

「村上世彰氏」

が、十数年ぶりに(?)再びマスコミに登場しました。本を出したみたいです。その宣伝のためでしょう、『週刊文春』の、阿川佐和子のインタビューコーナーにも登場しました。(『生涯投資家』。出版元は、やはり「文藝春秋社」。「フジテレビ&ニッポン放送買収問題」がらみのことも書かれているようなので、つい買ってしまいました。この本を買ってもらうことで彼が得られる「お金(儲け)」は、正当なものだと思います。)

写真を見て驚きました。あの欽ちゃん(萩本欽一さん)みたいな、年より少し若い感じの風貌(この本の「帯」に、当時の写真が使われています)から、髪が真っ白で、まるで別人!裏表紙の折り返しに載っている「著者近影」は年相応、いや年齢以上に老けた感じになっているではありませんか!「1959年8月生まれ」なのでまだ57歳なのに「10歳以上も上」に見える。まるで、玉手箱を開けた「浦島太郎」のように・・・。

そう、

「『玉手箱』は『加速器』」

だったのです。「時間を加速させるもの」です。そして、

「『限度を超える金儲け』もまた『加速器』」

なのではないでしょうか?村上氏は「玉手箱」を開けてしまった・・・。

(2017、7、14)

2017年7月14日 18:19 | コメント (0)