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『道浦TIME』

新・読書日記 2016_191

『日本語の建築~空間にひらがなの流動感を生む』(伊東豊雄、PHP新書:2016、11、29)

建築界のノーベル賞とも言われる「プリツカー賞」も受賞した世界的な建築家の著者。

東京五輪のメイン会場=新国立競技場のコンペでは、ザハ氏に敗れ、その後の「改修案」で敗れ、白紙撤回された後には、隅研吾さんの案には敗れと、合計「3回」敗れているという。しかし、その「建築思想」は隅氏に勝るとも劣らないものであったろう。

そして世界的な建築家である著者が言うのは、

「建築はグローバル化していて、その国の個性がなくなって来ている。だからこそ、日本には日本の建築が必要。その建築の基礎となるのは、『日本語による思考』で構成された『日本人の思想』なのだ」

と。たしかにそうだよね!現在、瀬戸内海の「大三島」で、建築のリアリティーを求めて展開しているプロジェクトというのも、見てみたいなと思いました。

「建築」は建物を作るだけじゃなく、「生き方」や「哲学」に関与していくものなのだなと思いました。


star4

(2016、12、2読了)

2016年12月20日 21:12 | コメント (0)