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『道浦TIME』

新・読書日記 2016_204

『大人のSMAP論』(速水健朗・戸部田誠・みきーる、宝島新書:2016、12、24)

「SMAP」について語るべきことを持つ3人による鼎談集。速水健朗氏は「メディア論のライター」としての目線で、戸部田誠氏は「テレビっ子のライター」として、そしてみきーる氏は「ジャニヲタ・女子マインド研究家」の立場で「SMAP解散」について語る。

SMAPの「グループ」としての在り方、その音楽の持つ特性、5人+1人のメンバーそれぞれについての分析、テレビ界におけるSMAPの立ち位置、そしてSMAPなき後のジャニーズと芸能界の未来について、3人がそれぞれの意見を語り合う。3人ともSMAPのファンであり、その価値を高く認めている、速水氏は1973年生まれ、戸部田氏は1978年生まれ、みきーる氏は、わからないが、まあ若いんだろうな(1970年代か80年代生まれでしょう)

SMAPの面々の誕生日は、

中居 正広=1972年 8月18日(44歳)

木村 拓哉=1972年11月13日(44歳)

稲垣 吾郎=1973年12月 8日(43歳)

草彅  剛=1974年 7月 9日(42歳)

香取 慎吾=1977年 1月31日(39歳)

で、一番若い香取君が、もう39歳(もうすぐ40歳)、それ以外の4人は、みんなもう「40代」である。速水氏が稲垣君と同い年。中居・木村の2人は、この本の3人よりも「年上」なのだ。その世代の目線として語られている。「同世代の同時代人による話」なのである。私などはSMAPよりも「ひと回り(以上)」も年上になってしまうので、その辺の実感は違うと思う。この年末に「SMAP解散」にまつわる新書が、異なる書き手によって4冊出されたそれらを読んで来たが、簡単に言うと「著者の年齢によって感じ方・書き方は違う」ということだろう。

きのう(12月26日)「SMAP×SMAP」の最終回を見ていて思ったのは、

「ああ、俺は『スマスマ』って、ちゃんと見たことは、一回も無かったんだな」

ということ。

12月21日に発売された「デビュー25周年」の、ファンのリクエスト・ランキングによる3枚組アルバムも購入した。1位から50位までの「50曲」が収録されているが、「あ、聞いたことがある。知ってる」という曲は「世界に一つだけの花」「らいおんハート」「青いイナズマ」「SHAKE」など数曲しかなかった。大ヒットした、みんながよく知っている曲だけだ。つまり私は「SMAPのファンではなかった」のである。改めて、それを感じたのだが、とすると「平成」を、私はどういう風に生きて来たのだろうか・・・?

12月23日紙面に発表された読売新聞の「今年の十大ニュース」の国内版。ここには何と「SMAP解散」は入らなかった、「20位まで」にも入っていなかったのだ。これは「読売新聞の読者」は「SMAPを、平成を代表すグループである」とういう認識が無いことを意味する。これはとりもなおさず「新聞読者が、いかに高齢であるか」ということの証明のように感じた。


star4

(2016、12、20読了)

2016年12月30日 12:01 | コメント (0)