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『道浦TIME』

新・ことば事情

4478「視覚を失うと・・・」

 

子どもの頃から目(視力)が悪かったので、

「もし、目が見えなくなったら・・・」

と考えることがありました。目が見えないと、「真っ暗」な世界なんだろうか?とか考えましたが、先日、夜中にふとこんなことを思いました。

「目が見えないと、『真っ暗』。これは光がない状態だが、例えば『白一色』とか、『赤一色』『青一色』でも、『一色』という意味では『黒一色』と同じだから、視覚を"失った"状態。つまり(逆に言うと)『視覚』とは『2種類以上の色のグラデーションを識別できる状態』を指すのではないか?」

と。実際は、視覚を失うと「光」を感じられないのですから、色が感じられるわけはない、その意味では「黒」なのだと思いますが、たしかに2種類以上の色を区別できない「一色」の状態の中では、視覚を失ったのと同じ状態になるのではないか?

それは例えば真冬のスキー場。山の中で猛吹雪に遭った状態を指して、

「ホワイトアウト」

と言いますよね。「白」という色はあるんだけれども、視覚を失うわけです。つまり、見えない。そういう状態はあるのだなと考えたのでした。

これって、「視覚」だけでなくて、「ある考え=常識」で塗りつぶされた時に、方向性を失うということでも同じではないか?

「民主主義の多数決に潜む恐さ」に通じるのではないか?てなことも考えました。

 

(2011、10、9)

2011年10月13日 12:44 | コメント (0)