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『道浦TIME』

新・読書日記 2015_170

『損したくないニッポン人』(高橋秀実(ひでみね)、講談社現代新書:2015、9.20)

 

この著者(私と同じ1961年生まれ)のルポと言うか、取材して書く「ノンフィクション」は、「バラエティー」的要素もあっておもしろい。文体も。「わからない」ことを武器に、臆せず、どんどん「わかっている人」に聞いていく。「インタビュー」の原点である。『弱くても勝てます』も面白かったし(それを原作とするドラマは、あまり数字を取れませんでしたが・・・)、『男は邪魔!』は快著だった。(もう2年前になるのか、出たのは。)『素晴らしきラジオ体操』は買ったけどまだ読んでいないが、着眼点が素晴らしい。それ以外の作品も、とっても興味深い。

過去に何冊か読んだ中では、この本は「まあまあ」という感じ。私にとっては"絶賛"というほどではない。(ゴメンナサイ。)それは、私がそれほど強く「損したくない」とは思っていないからかもしれない。「損して、得とれ」という言葉もあるように、必ずしも「毎回、得をしなければならない」という意識は、比較的低いのだ。そういった意味で、面白みに欠けた(私の、この本に対する適性が?)のかもしれない。

それでも、この本の帯の後ろに書かれている「損したくないニッポン人とは?」で挙げられている特徴17個(チェックボックスまで、ついている!)のうち、いくつかにはチェックが入ってしまう・・・あ、いや、本当は2つしかチェックが入らなかった。やっぱりこの本に出て来る「ニッポン人」とは、あまり共感部分がなかったということか。

 


star3

(2015、11、15読了)

2015年12月 7日 17:59 | コメント (0)