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『道浦TIME』

新・読書日記 2015_114

『九月、東京の路上で~1923年関東大震災 ジェノサイドの残響』(加藤直樹、ころから:2014、3、11第1刷・2014、4、1第2刷)

 

去年の春に出てすぐに購入し、9月1日までに読もうと思ったけど読めなくて寝かせてあった。今年こそ9月1日までに読もうと。なんとか読めました。

「9月1日」は「関東大震災」。今から82年前、サブタイトルにあるように「ジェノサイド」=「大虐殺」があった。「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマ、流言飛語が飛び交い、暴動が起き、多くの罪もない朝鮮人が殺されたということは、歴史上の出来事として知っていたが、その詳細を読んだのは初めて。朝鮮人と間違えられて、日本人も多く殺されている。また、朝鮮人を「仲間」として守った日本人もいた。「群集心理」「パニック状態」において、どのような行為が起こり得るのか。虐殺は、震災当日と翌日限りのものではなく、数日にわたり続いたというのは、知らなかった。また警察や軍が、最初のデマを否定しなかったということも。阪神大震災や、東日本大震災においては、整然とした行動に海外からも称賛の声が上がったが、昨今の「ヘイトスピーチ」などを見ていると、いつまた、関東大震災のときのようなことが起きないとも限らない。しっかりと学ぶべきである。


star4

(2015、8、19読了)

2015年8月29日 22:18 | コメント (0)