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『道浦TIME』

新・読書日記 2015_027

『南三陸から2011.3.11~2011.9.11』(佐藤信一、日本文芸社:2011、9、30第1刷・2013、12、1第9刷)

 

東日本大震災で津波に襲われ、町民1万7000人のうち、800人がのみ込まれて死亡・不明となった宮城県南三陸町。その写真館のご主人が撮り続ける町の姿をまとめた写真集。先月(2月)中旬、現地・宮城県南三陸町のホテルの売店で購入した。

南三陸町というと、最後まで津波からの避難を呼びかけていて亡くなった女性職員・遠藤未希さんがいた「防災対策庁舎」が、赤い鉄骨だけになって立っている。

ホテルの従業員の方も被災者で、現在も仮設住宅で暮らしてらっしゃるそうだが、その従業員の方が「語り部」として被災地の現状を案内してくれるバスツアー(1時間)に参加した。更地となった現地は今、津波被害を受けないように、10メートルもの土のかさ上げが行われている。「ふるさと」に住むことの困難さ、それでも「ふるさと」で住みたいという思い。安全を確保しつつ住むことのむずかしさ。それによって得ること、失うこと。その原点の「被災から半年の様子」が、この一冊には、しっかりと残されている。


star5

(2015、2、18読了)

2015年3月11日 19:15 | コメント (0)