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『道浦TIME』

新・読書日記 2012_007

『「ぐずぐず」の理由』(鷲田清一、角川選書:2011、8、25)

 

哲学者で大阪大学学長を務めた著者が、「擬態語・擬声語」について考えた。言葉の専門家(言語学者)ではないが、やはり言葉について深く考えていくと「哲学」にたどり着くんだということが改めて分かった。よって、かなり「深い」考察が行われている。

中でも「あ!」と私が思ったのは、

「ナ行は、鼻に息が漏れる!」

ということが記されたところ。実際、鼻の穴の下に人差し指を1本横にして「な」と言ってみると、「N」の子音を言うときに(母音の「ア」が出る直前に)息が漏れるのを感じた!つまりこれは「鼻濁音」と同じだ!フランス語の「鼻母音」はこれだ、きっと!フランス語は知らないけど。「鼻濁音」を言うときのヒントとして、小さい「ン」を付けてから「ンが」「ンぎ」...とすると「鼻濁音」が言えるというように若手アナウンサーを指導したりするが、これは「ナ行」の音と息の漏れ方が同じだからなんだ。改めてそんな発見もある、考えさせられる一冊でしたが、結構、難しかった。

 

 


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(2012、1、15読了)

2012年1月22日 14:09 | コメント (0)