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『道浦TIME』

新・読書日記 2011_053

『メディアと日本人~変わりゆく日常』(橋元良明、岩波新書:2011、3、18)

まず、日本人はメディアをどう受け入れてきたか、明治以降のその歴史から始まり、新聞→ラジオ→電話→テレビ→インターネットの浸透までを概観したあと、1995年から2010年までのメディアの利用実態の変化について述べている。そしてメディアの「悪影響」について、ネット世代のメンタリティーについて、最終章は「メディアの未来に向けて」という興味を持てる献立。

一番興味があったのは、第2章の「1995年から201年のメディア利用の実態」。これはグラフを使って、5年ごとの各メディアの利用時間の推移を示したもの。全体としては微減、右肩下がりであるが、目を引くのは10代のテレビ視聴時間の減少である。1995年の180分から、2010年には120分と、なんと3分の2になっているのだ!新しいメディアに触れる新しい世代が、いかに旧メディアから遠ざかっているかが、よくわかる。

それに対して50代は右肩下がりの視聴時間が、2005年を底に、2010年では増えてきている。60台・30台も微増で、40代・20台は右肩下がり。「年代によるテレビとの付き合い方の違い」が見て取れるのが興味深かった。

 


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(2011、3、31読了)

2011年4月18日 12:30 | コメント (0)