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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_225

『クライフ哲学ノススメ~試合の流れを読む14の鉄則』(木崎伸也・若水大樹、白夜書房サッカー小僧新書:2010、12、1)

木崎さんの本は前に読んで、分かりやすく共感が持てた。確実に、若い世代のサッカー(というか、スポーツ)ライターが育っているなと。若水さんという人は知らないが、1982年生まれ。若過ぎ!1975年生まれの木崎さんよりさらに若い!6歳からオランダに住み、オランダ語、ドイツ語、英語を自由に操るとのこと。なるほど、クライフの言葉を解析するにはうってつけの人だ。しかしそれにしても、クライフのオランダのトータル・フットボールは、1974年のワールドカップ西ドイツ大会。その時にはまだ生まれていない二人が、こんな本を書くなんて、それだけクライフが偉大だということと、この二人は実は「遅れてきた昭和30年代生まれ」ということだろう。

それと、「サッカー小僧新書」なんてもんができたんだな。売れるのかな?その版元が、白夜書房!?あの、白夜書房...?「野球小僧」の応用でしょうね、「サッカー小僧」。

さて本書には、サッカーには(それ以外でも、何事もそうだろうが)「戦略」と「戦術」があると記されている。核兵器にも「戦略核」と「戦術核」がある。小学生にも「大きな目標」と「小さな目標」があるように。それぞれについて、クライフの考え方がまとめられている。そのクライフの哲学、簡単にまとめると、

「ボールから30メートル離れた逆サイドを見る」

など14の項目にまとめられている。中でもいくつか、「ほかの分野でも応用がきくな」と思ったのは、

「相手の一番弱いところを突け」

「チームのレベルは、一番低いところにあわされる」

など。大変勉強になったと同時に、「クライフはやっぱり天才で、天才はやっぱり生きにくいのだろうな」ということでした。

 


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(2010、11、26読了)

2010年11月30日 11:47 | コメント (0)