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『道浦TIME』

新・読書日記 2015_-83

『「過剰反応」社会の悪夢』(榎本博明、角川新書:2015、5、10)

 

著者の本は、過去に、『「上から目線」の構造』 (日経プレミアムシリーズ)などを読んだことがある。

今回は、昨今の何にでもクレームを付ける世の中=クレーマー時代に対応して、何でも事前に「あれは、もしかしたらこうなるから、ダメじゃないか」など「空気を読んだ対応」をすることで、ものすごく生きにくい、窮屈な世の中になって来ていることに対する"警告の書"だ。帯には、

「不快な人もいる、自重しろ!」

とある。つまり、「自粛」の世の中。「KY」(空気が読めない)ことが嫌われる世の中だ。本書はそれを批判し、警鐘を鳴らしている。

「気配りのすすめ」で鈴木健二アナウンサーが「気配り」を説いたのはもう30年以上前だと思うが、みんなに「気配りしろ、気配りしろ!」と強制する世の中って、とっても窮屈だ。もちろん、わがままなやつばかりの世の中も嫌だけど。日本人って、なんだか「全体が同じ方向を向かないとイヤがる感じ」なのだが、それが行き過ぎるのではないかなあ・・・。


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(2015、5、30読了)

2015年6月17日 21:37 | コメント (0)