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『道浦TIME』

新・ことば事情

5618「『馬油』の読み方」

ASKA元被告関連の栩内香澄美被告の裁判で、

「馬油」

というのが出て来ました。この読み方は、

「マーユ」

でしょうか?それとも、

「バーユ」

でしょうか?あるいは、それ以外でしょうか?「ミヤネ屋」では、

「バーユ」

と読みましたが、各社はどうしているのか?今月(2014年12月)の「新聞用語懇談会 放送分科会」で質問したところ、各社から、以下のような回答を頂きました。

 

(NHK)「馬油」はニュースでの用例はない。しかし「マーユ」と言うと「麻油」と間違いやすいのではないか。区別するなら「バーユ」。「バ」は日本語読み、「マ」は中国語読み。「バユ」の「バ」が、言いやすいので伸びて「バーユ」となる。

(日本テレビ)温泉などに行ったときに見る化粧品の一種は、「マーユ」。

(TBS)30年以上前から寒冷地のスポーツ・マラソンなどで使用しているのは、「バーユ」。

(KTV)30年ほど前に野球選手の間で「毛が生えてくる」と評判だったのは、「バーユ」だった。商品名は「尊馬油(ソンバーユ)」。

(MBS)ヤケドにも効く万能軟膏「バーユ」。

(TVO)先日の熊本での「新聞用語懇談会 秋季合同総会」の際に、土産物屋で見かけたものに、「よかばいバーユ」という商品があった。

(NHK)私がきょう持って来た実物(!)には「バーユ」とカタカナで表記がある。

(テレビ朝日)中国語では「マーヨー」。それが「マーユ」になったのでは?アナウンサーに聞いたところ、「これまで『マーユ』としか読んだことがない」というアナもいた。

 

ということで、「マーユ」「バーユ」両方の意見が出ましたが、多数派は「バーユ」ということで、「ミヤネ屋」では、今後出て来る「馬油」は、ルビを振って、

「馬油(バーユ)」

とすることにしました。

(2014、12、17)

2014年12月18日 10:12 | コメント (0)