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『道浦TIME』

新・読書日記 2014_136

『ヒーローインタビュー』(酒井希久子、角川春樹事務所:2013、11、8)

 

盛岡駅の中にある大きな書店で、「去年のイチ押し」として出ていたので購入。表紙の子どもの描いた絵のような素朴なイラストに、バットを持ってユニフォームを着た人たちがいるので、「野球」の話だと分かる。

「野球」といえば、ことし出た(本当は去年の年末か)知り合いの放送作家・増山実さんのデビュー作『勇者たちへの伝言~いつの日か来た道』を思い浮かべるが、実は『勇者たちへの伝言』も、この盛岡駅構内の本屋さんには並んでいて「ことしのイチ押し」と書かれていた。しかも、

「『ヒーローインタビュー』の次に、今年はこれ」

と書かれていた。既に『勇者たちへの伝言』は読んでいた私は、この『ヒーローインタビュー』も、読まざるを得ないではないか!ということで読み始めたら・・・面白いです!これも「昭和」の香りをさせる物語。しかもよく見ると、出版元は『勇者~』と同じ「角川春樹事務所」ではないですか!こういう「野球路線」を狙っているのかな?

主人公は、阪神の選手ですが、「ヒーローインタビュー」を一度も受けたことのない、でも、接した誰もがその人柄に魅了され、分かる人はその実力を見抜く。みんながみんな見抜くわけではないが、見抜いた人たちは、常に彼を信じている。なんか、本編全部が「スピンオフ」のような感じなのですが、それによって主人公が浮かび上がるという、ちょっと不思議な魅力の作品です!


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(2014、9、29読了)

2014年10月 9日 10:55 | コメント (0)