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『道浦TIME』

新・読書日記 2014_086

『喰らう読書術~一番おもしろい本の読み方』(荒俣宏、ワニブックス「PLUS」新書:2014、6、25)

 

このところ、いろんな「読書術」の本が出ているが、それを全部読もうとは思わない。つまり、一般的な技術としての「読書術」には興味はない。それを書いた人の読書術を真似できるわけでもないから。でも、「他の人は、どんな読み方をしているのかな?」というのは気になる。そして自分が「興味のある人」の読書術であれば、「ちょっと知りたいな」と思うので、読むこともある。今回はそういう感じ。

「知の巨人」の一人である著者は、如何にして読書しているのか?そして、その著者のさらに「先生」としては、梅棹忠夫や紀田順一郎がいた。紀田順一郎さんの本は読んだことがあるが、たしかにこちらも「知の巨人」である。

本の中に出て来た「本」を読むことで、「知の数珠つなぎ」になっていく。これが読書の楽しみの一つであり、知のネットワークを張り巡らせることになる。たしかに!そうやっています、私も!

この本の中にもいくつかそういった本が出てきたが、中でも、アンドリュー・パーカー『眼の誕生~カンブリア紀大進化の謎を解く』は、おもしろそう。動物に「目」が誕生したことが生物の大爆発の原因だと。先カンブリア紀に地球を覆っていた霧が一斉に晴れ、光線が海に差し込み、この光線が感覚器官(「目」)を急発展させ、目に映じた像をはっきりとした色彩立体として知覚させる画像創出装置「脳」を動物に与えたという箇所は、「そうか!」と膝を打った。たしかに、動物が持つ脳と眼は、植物にはないですね。ふーむ、何がどうなって来たかなんて、「なってしまった」ら、わからないものなのだなあ・・・。


star4

(2014、6、13読了)

2014年6月19日 11:14 | コメント (0)