Top

『道浦TIME』

新・読書日記 2014_056

『書庫を建てる~1万冊の本を収める狭小住宅プロジェクト』(松原隆一郎・堀部安嗣、新潮社:2014、2、25)

 

太い帯の写真が素晴らしい。口絵の写真も素晴らしい。

本好き(で、本を読んだり書いたりするのが仕事の人)が書庫を建てた、というだけの話だと思っていたらそれだけではなく、実は松原さんが、実家を処分するにあたって「仏壇」をどこに置くか?という大問題があって、その過程で、自らのルーツ、祖父の歴史を探ることにもなるという物語。そのルーツの落ち着き先、これからのあり方の"結ばれた点"として建てられたのが、この狭小住宅書庫。

「古い本の著者」は、大半が既に死んでいる「死者」。つまりその「本」を収めた「図書館」「書庫」は、「墓所」でもあると。それならば、仏壇があっても不思議はないかも。

そして、若い建築家との付き合いの中で、如何にその"夢"が現実のものになるか?という苦闘の歴史でもある一冊です。


star4

(2014、4、18読了)

2014年5月 5日 15:14 | コメント (0)