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『道浦TIME』

新・ことば事情

5316「当面の間」

 

午前11時10分、11時半からのお昼のニュース担当のWアナウンサーが、お昼のニュースの原稿を持って尋ねて来ました。

「道浦さん、『当面の間』というのは『重複表現』ですよね?」

「うん?そのとおり!これは『当面』でいいよね。おそらく『当分の間』との"混交表現"だね」

「わかりました!」

ということで、問題が解決した後に、

「あれ?でも『当分の間』も、『当分』でいいのではないかな?これも『重複表現』かな?」

と思って辞書(『精選版日本国語大辞典』)で「当分」を引いてみたら、意味は、

「ここしばらく。あとしばらく。また、今この場合。現在のところ。さしあたり」

と列挙されていました。そして、「当分の間」も載っていました。意味は、

「ここしばらくの間」

で、用例はなんと夏目漱石の『吾輩は猫である』(1905-06)で、

「翌日から当分の間といふものは<略>昼寝もしないで」

というものでした。

(2013、12、27)

2013年12月27日 14:02 | コメント (0)