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『道浦TIME』

新・ことば事情

5255「犬吠埼」

 

この秋、台風中継で頻繁に出て来る、千葉県の、

「犬吠埼」

ですが、よく見ると、

「『犬吠崎』ではなく『犬吠埼』」!

つまり、「ざき」の漢字は、

「埼玉の埼」

だったんですね!このほかにも、

「野島埼灯台」

というのも「ミヤネ屋」で出て来ました。「埼玉の埼」の「ざき」は、千葉県に多いのかな?

「埼と崎」はどう違うのか?ネット検索したら、「海上保安庁海洋情報部」のサイトに、

『「埼」と「崎」はどうなってるの?』

という、まさにおあつらえ向けのページが出て来ました。それによると(抜粋)、

 

『Q:海図上には「○○埼」と土へんの埼が書かれていますが、地図帳には「○○崎」と山へんの崎が書かれています。どうなっているのですか?』

『A: 海図では海洋に突出した陸地の突端部の名称としての(Saki)は、おおむね土へんの「埼」を用いています。例えば、東京湾付近では地図帳などには野島崎・観音崎・剱崎と「山へん」で記載されていますが、海図には「土へん」で野島埼・観音埼・剱埼と図載しています。土へんの「埼」は、陸地(平地)が水部へ突出したところを表現し、山へんの「崎」は本来の意味として山の様子のけわしいことを言い、山脚の突出した所を示しており、平野の中に突出した山地の鼻等を言う意味なので、海洋情報部では漢字の意味からも地形が判る土へんの「埼」を採用しています。なお、「みさき」の地形を表わす名称には「埼」のほかに「岬」、「碕」、「角」、「鼻」があり、まれに「岬」を(Saki)と読む場合もあります。海洋情報部は、明治時代の海軍水路部のころから、土へんの「埼」を海図に採用してきました。これは、埼、崎、岬で地形の意味を表現するために使い分けをして、海図の使用者である航海者が地名から地形が判断できるようにしていました。たとえば、野島埼は、「野島」が地名を表現し、「埼」がそこの地形を表現していると考えると判り易いと思います。国土地理院では、前身の陸軍陸地測量部が山へんの「崎」を使用していた経緯があるので、引き続き使用しています。』

 

ちょっと長い引用になってしまいましたが、そういうことだそうです。             

ふーん、その岬の「地形」によって漢字が違うのか!でも、そういう区別をしている所としていない所があるのか!海軍と陸軍で違ったのか!

これで思ったんですが、

「みさき(岬)」

というのは、

「み・さき」=「水・崎(埼)」or「御・崎(埼)」

なのではないか?ちなみに「みなと(港)」は、

「水(み)な門(と)」

から来ているんですよね。

この話、きのう(10月22日)、ニコ生の『第7回 道浦俊彦のことばのことばかり』で話しましたよ!

(2013、10、23)

2013年10月24日 20:56 | コメント (0)