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『道浦TIME』

新・読書日記 2013_174

『関東連合~六本木アウトローの正体』(久田将義、ちくま新書:2013、9、10第1刷り・2013、9、20第2刷)

 

従来はあんまり興味もない世界。でも「ミヤネ屋」でよく取り上げるので、ちょっと勉強しておかないとな、という感じ。「半グレ」と呼ばれる団体だが、本当は「半グレ」どころか「全グレ」だと。「関東連合」という名前はあっても、組織もないし本部もない。本当に「団体」と呼んでいいのか?という意味で、得体が知れない。もとをたどれば暴走族、チーマーにたどり着くが、その当時の団体とは似ても似つかないものになっていると。著者は1967年生まれ、明大中野高校出身で、当時ちょうど、チーマーなどが明大中野にはたくさんいたと。だから肌感覚で当時のことはわかるようだ。私よりは少し若い(6歳ほど)が、この差は大きい。地域差も。私なんかは全然わからないし、その後、流行った『BE BAP HIGH SCHOOL』なんぞも、私は全然、世代的にカスッていない。

それにしても、日本はこういった"不良文化"を受け入れる土壌があるのだなあと、改めてそれは認めざるを得ない。

この本を読んでいる途中の10月21日、いわゆる「クラブ」で客を踊らせていたということで(無許可でダンスホールを経営していた)、東京・西麻布のバー経営者(37)ら4人が逮捕される事件があった。これまでも問題になっている。風営法違反の現行犯だそうだ。店内にいた約600人の客の内約100人が踊っていたのだそうだ。どうやって数えたのだろうか?新聞では、「客が踊るのは表現の自由だ」というような主張も見られるし、私も「そのぐらい、いいのではないか?」と思っていたが、本書を読んでいたら、著者は「関東連合」の特徴として「OBのビジネスセンスが優れている印象が強い」と記し、その特徴は「クラブシーンを抑える」「ギャル業界に影響を持つ」「AV業界に進出する」「芸能界とつながる」「格闘技業界とつながる」「ヤクザになる者もいる」といった点を挙げていた。ということは、もしかしたら警察の「真の目的」は、「クラブで踊ることを禁止する」ということではなく、踊ってはいけないのに躍らせたという事を口実に、「ビジネスセンスの優れた半グレ連中の"資金源"を断ち、いわゆる"ハングレ集団"を壊滅に導くための一つの手段ではないか?」という気がしてきた。そういう意味では勉強になる一冊ではある。


star4

(2013、10、23読了)

2013年10月23日 15:51 | コメント (0)