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『道浦TIME』

新・ことば事情

5239「『ゆすぎ』と『すすぎ』」

 

ふと、思いました。

「ゆすぎ」と「すすぎ」の違いはなんだろうか?と。

この名詞の元の形(動詞)は「ゆすぐ」と「すすぐ」ですので、その違いを見てみましょう。『広辞苑』では、

*「ゆすぐ」=水の中で物を揺り動かして、よごれをとる。また、中の水を何度も揺り動かして洗う。ざっと洗う。すすぐ。

*「すすぐ」=(1)水で洗い清める。(2)口をゆすぐ。うがいする。穢れをきよめる。(4)汚名を除き払う。

 

一方、『精選版日本国語大辞典』では、

*「ゆすぐ」=ゆり動かして洗う。ざっと洗う。いすぐ。

*「すすぐ」(1)水をかけて汚れを流す。水で清める。水できれいに洗う。(2)口中をゆすぐ。口の中を洗い清める。嗽をする。くちすすぐ。(3)けがれた心や世の中などを清める。不浄を除き去る。(4)汚名を除き払う。身の恥をはらす。

 

ということで、「すすぐ」の方が意味が多いですね。用例も「すすぐ」は10世紀ごろから載っていますが、「ゆすぐ」は17世紀末。700年ぐらいの差があり「すすぐ」の方が古いのですね。

意味の上では重なる部分もありますから、もしかしたら「すすぐ」からのちに派生して「ゆすぐ」という言葉が生まれたのかもしれませんね。

「ゆりすすぐ」が「ゆすぐ」になったのかも・・・と思いました。

(2013、9、19)

2013年9月23日 16:26 | コメント (0)