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『道浦TIME』

新・ことば事情

5013「生そば」

 

3月4日の「ミヤネ屋」のニュースコーナーで、群馬のおそば屋さんが火事というニュースで、店の名前に、

「生そば」

というのが入っていて、これをキャスターがが「なまそば」と読んだところ、

「『きそば』ではないのか!?」

と問い合わせがたくさん入ったそうです。

普通は「生そば」と書くと、

「きそば」

と読みます。意味は、

「そば粉だけで、混ぜ物は入っていないそば」

を言います。日本酒の「灘の生(き)一本」や「生糸(きいと)」「生真面目(きまじめ)」のように、「混じりけがない」「純粋」なのが「生(き)」です。

しかし最近は、「うどん」などで「乾めん」の逆で「生(なま)めん」が登場。「生(なま)うどん」という言い方もされることから、「生そば」と書いて「なまそば」と読むケースも出て来ています。そして、今回の火事に遭ったおそば屋さんは、店主によると「なまそば」と読むのだそうです。いやあ、ややこしい。

実は、この「生そば」の読み方については先月の用語懇談会でも話題に上りました。今、過渡期のようです。でも「なまそば」って、ゆで方が足りないような気がするのは私だけでしょうか?

(2013、3、4)

2013年3月 9日 17:55 | コメント (0)