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『道浦TIME』

新・ことば事情

4912「早戻し・早送り」

 

以前、情報を寄せてくれたアラサー・ママ、Mアナウンサーから、また情報が。

「ビデオテープからDVDになって、テープじゃないのに『泣き戻し』という表現はおかしいのではないか?って前に話しましたが、どうも最近のリモコンには『巻き戻し』とは書かれてなくて『早戻し』『早送り』とか書かれているみたいなんです!これって、いつからでしょうね?」

へーそうだったのか。全然、気付かなかった。

家に帰ってテレビなどのリモコンを改めてまじまじと見ました。

すると・・・15年ほど前」に買ったVHSのビデオテープデッキ」(日立製)のリモコンには、横向きの△マークとともに

「巻き戻し」

と書かれているのに対し、「9年ほど前」に買った「ハードディスク内蔵DVDデッキ」(SONY製)のリモコンには、

「横向き△マークだけで、文字が記されていない」

事がわかりました。そして「3年前ほど前」に買った「液晶テレビ・ブルーレイレコーダー内蔵型」(シャープ製)のリモコンには、横向きの△マークとともにはっきりと、

「早戻し」

と書かれているではありませんか!全然、気付かなかった!

ということで、DVDの登場とともに、やはり「テープではない」ということで「巻き戻し」という表現に対する違和感が出て来ていたのではないか?それがブルーレイに移行する中ではっきりと「巻き戻し」から離脱して、「早戻し」という表現を採用したのではないか?と推測できます。

と言っても、我が家にある家電製品を見ただけで、すべてのメーカーの物を検討したわけではないので、もちろん断定などできないのですが。

しかし、これだけは言えます。

「時代の変化とともに"言葉"も知らず知らずのうちに変わっていて、それを我々は自然と受け入れている」

ということなのではあないか、と思うのです。

グーグル検索では(1216日)

「巻き戻し」=240万件

「早戻し」 = 78700

まだ圧倒的に「巻き戻し」が多いけど、これはこれまでの「積み上げ」でしょう。

ネットで見るとい、既に200311月の時点で、

「現在はテープからディスク(あるいはディスク上のデータ)へと移行しつつある時代です。

オーディオはほぼ終了したと言っても過言ではなく,ビジュアルも進行中ですから,「巻き」戻しという表現は適当ではなくなりつつあり,逆に「早送り」は自然に思えるようです。そこで,「巻き戻し」にとってかわる言葉として「早戻し」という言葉を提案します。<実際に「早戻し」と書いてある機器も存在しているようです。(17/Feb/2004)>」

と書いている人がいました。

平成ことば事情4855「巻き戻しは死語?」もお読みください。

(2012、12、14)

2012年12月16日 21:28 | コメント (0)