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『道浦TIME』

新・ことば事情

4843「ムーンジェリー」

 

5月に東京に行ったときに、開業間もない「東京スカイツリー」を見てきました。上には登れませんでしたが。7階までは行ったな。それで、横にある、

「東京・すみだ水族館」

には行きました。予約も要らず、そこそこすいていたので。そんなに規模は大きくなくて、「これなら大阪の海遊館の方がすごいかなあ」

とちょっと思いながらも、熱帯魚などの展示の仕方は、親しみやすくてわかりやすかったです。その中に、

「水クラゲ」

というのが展示されていて、その展示の英語表記は、

Moon Jelly

でした。へえー、「クラゲ」は「月」のような傘を持つ「ゼリー」なわけか。

そういえば、たしか男声合唱曲で『月下の一群』という曲集の歌詞の中に、

「クラゲは海の月」

という歌詞もあったし、漢字の熟字訓では、その通り、

「海月」

と書きますね!もしかしたらMoon Jelly」の中国語訳が「海月」で、日本語の「クラゲ」に中国の漢字表記を当てはめたのかも。

いま、英和辞典でJellyを引こうとしたらその前に、

Jell

がありました。「ジェル」・・・「ゲル」。あ、語源は同じか。

「ゲル状」=「ジェリー状」

なわけですね。クラゲはいろんなことを教えてくれますね。

そうすると「木クラゲ」は英語では「Wood Moon Jelly」か?

なわけ、ないか。一応「和英辞典」を引いてみると、なんと「木クラゲ」は、

Jew's ear

え!「ユダヤ人の耳」!?

1544、中世ラテン語auricula  Judae (逐語訳 Juda's ear)の誤訳;形が耳に似ており、Judas Iscariotが首をつったとされるニワトコの木(elder)に寄生することから」

と書かれていますが何やら、よくわからん。たしかに「耳」に似ているのは認めますが。

Auricula=アツバサクラソウ

Iscariot=キリストを裏切ったJudasの姓。(転じて)裏切り者、謀反人

ふーん。クラゲからは、ずいぶん離れてしまいました。

(2012、9、23)

2012年9月26日 16:08 | コメント (0)