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『道浦TIME』

2012_158

『ALWAYS地獄の三丁目 本当は怖い昭和30年代』(稲村貴、鉄人社:2012、7、24)

『週刊文春』の96日号のコラムで、評論家の宮崎哲弥さんが紹介していた本。いわゆるコンビニ本(おもにコンビニで売っている500円ぐらいのペーパーバック)です。実際、これが524円+税とは安い!大変勉強になりました。

映画「三丁目の夕日」がヒットした2005年ぐらいから、「昭和30年代ブーム」が巻き起こっている。「あの頃はよかった」と、主に昭和20年代生まれより年配の人たちの間に湧き起っているブーム。「ノスタルジー」を、昭和30年代以降生まれの我々もなんとなく感じ、それが若い頃の「夢」につながっているのだ。しかし、本当に昭和30年代はよかったのか?と、データの裏付けで考えると、かなり「ヤバイ」状態であったと。今からでは考えられないぐらい"不潔"で"危険"で"無茶苦茶な国"であったと。そりゃあ、現在の基準で見たら、そうなるよね。単純には比較できないと思うけど、なんでも「あの頃はよかった」としてしまうよりは、冷静に見ることも大事であるということを思い出させてくれる一冊。

(2012、9、6読了)

2012年9月 9日 16:27 | コメント (0)