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『道浦TIME』

新・ことば事情

4791「中高アクセントの320円」

 

「320円」

 

という金額を発音するときに、もともとは、

「サ\ンビャク・ニ\ジューエン」

あるいは、

「サ\ンビャク・ニ/ジュ\ーエン」

と発音していました。

しかし、最近よくコンビニなどで耳にするアクセントは、「中高アクセント」の、

「サ/ンビャクニジュ\ーエン」

です。このアクセントについて考えてみました。

「中高アクセント」は最近、よく使うから、それが指す金額が「安く」聞こえるということは、『平成ことば事情3765「1500万円のアクセント」』に書きましたが、先日、

「もしかしたら・・・」

と思ったことがあります。それは、

「安く聞こえるのは、実際に価値が下がっているからではないか?つまり『金額を指す言葉の価値』の相対的低減。金額の価値が下がったから、それをよく使う人が、そのことを敏感に感じて、アクセントによって『価値が下がった』ことを告げようとしているのではないか?つまり、『言葉のインフレ』ではないか」

という「思いつき」です。

「超」や「バリ」「めっちゃ」あるいは「神」、テレビ業界における「生」などの、いわゆる「強調語」が多用されるのも、

「言葉の価値が下がっている」

つまり、

「言葉のインフ現象」

なのではないでしょうか?よく、

「言葉に手あかが付いた状態」

というのは「言葉のインフレ」と言えるのではないか、と。

皆さんはどう思われますか?

(2012、7、26)

2012年7月27日 21:52 | コメント (0)