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『道浦TIME』

新・ことば事情

4782「これまでに経験したことのないような大雨」

 

今回(711日以降)の九州での豪雨に関して、7月12日、気象庁は、

「これまでに経験したことのないような大雨」

という、これまでに耳にしたことのないような表現を発表しました。

これは、「短文」で災害への危機感を喚起する、

「記録的な大雨に関する気象情報」

で、実は先月(6月)下旬から、この言葉は導入されていたそうですが、実際に使われたのは今回が初めてだったとのことです。

気象庁はこれまでも、24時間から2~3日先に災害に結びつく気象現象が発生する恐れがある場合には、雨量や気圧配置などの解説や実況を詳しく説明する、

「長文形式の気象情報」

を発表していたのですが、去年の「紀伊半島豪雨」の後に地元の防災関係者から、

「総雨量が何ミリと言われて、危険の度合いが分からない」

といった意見が寄せられたことから、(「長文形式」に加え)「短文形式」でも発表するように改善したのだそうです。

その結果は・・・警戒してもそれを超えるような豪雨、また「避難指示」がその発表に答える形で発令されなかったことも含めて、死者の数を見る限り、残念ながら今回は有効な機能を果たさなかったのではないでしょうか。

ただ、今回これだけ注目を浴びたのですから、今後この「短文形式」の情報が発表されれば、

「これは、ほんとに大変なんだ!」

と感じてもらえるのではないかという気がしました。この言葉のさらなる浸透を図るとともに、我々の側も「心の準備」が必要なのかもしれません。

 

(2012、7、18)

2012年7月21日 12:28 | コメント (0)