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『道浦TIME』

新・ことば事情

4534「きゃん」

 

『広辞苑の中の掘り出し日本語』(永江朗、バジリコ)という本を読んでいたら、

「きゃん」

という言葉が出てきました。犬が鳴いたのではありません。漢字で書くとこれは、

「侠」

です。『広辞苑』を読んでいてそれに気づいた著者の永江朗さんは、

「おきゃんの『きゃん』は『任侠』の『侠』だったのか」

新鮮な驚きを記しています。私も知りませんでした。「おきゃん」という言葉は知っていましたが、漢字で書くと「侠気」の「侠」だったとは!

これって今風に言うと、女性に使う場合の、

「男前」

なのではないかなと思いました。

先日、談志さんが亡くなった時に、「きょうき」という言葉を話しているところの字幕スーパーで、

「狂気」

と出してしまったのをチェックで見逃してしまったのですが、視聴者の方から

「『狂気』ではなく『侠気』ではないのか」

とご指摘を頂きました。ありがとうございます。ご指摘どおりです。同音異義語は難しいですね。

 

(2011、12、4)

2011年12月 5日 10:15 | コメント (0)