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『道浦TIME』

新・読書日記 2010_188

『絶滅寸前季語辞典』(夏井いつき、ちくま文庫:2010、8、10)

 

20018月に東京堂出版より刊行されたものの文庫化。

著者の俳人・夏井いつきという人を、私は不勉強で知らなかったが、地元・愛媛では有名人なのだろう。『坊ちゃん』の地元(と言っても「坊ちゃん」は松山の人ではないが)、「俳句甲子園」までやっている愛媛・松山だから、その中心人物のお一人なんだろうな、きっと。「絶滅季語辞典」というのは、まあ「死語辞典」のようなもので、なんとなく「郷愁」とか「わび」「さび」とか「はかなさ」とか、そういった興味を掻き立てるものではありますな。伝統を守る、つなぐ意味でも、こういう試みを楽しみながらやるというのは、いいなあと思います。

400ページ近くもある「辞典」を「読む」のは疲れるので、まず現在の季節である「夏」から読み始め・・・読んでいる間に季節は「秋」に移り、ようやく、実際の季節を追い越して「冬」の季語を読み、その後は「新年」の季語になるのだがこれは後に残して「春」の季語を読み、最後に「新年」の季語を読みました。いつの間にか実際の季節は、すっかり「秋」になっていました。フー。

季語の中で気になったものは・・・

*「麝香連理草」。「じゃこうれんりそう」と読み、「スイートピー」のことだそうです。

*「童貞聖マリア無原罪の御孕(おんやどり)りの祝日(いわいび)」。長い季語!冬の季語だそうです。既に五・七・五=17文字を超えてますけど・・・例句はないそうです。だれが季語に認めたんだ?

*「雀(スズメ)大水(うみ)に入り蛤(はまぐり)になる」。晩秋の季語。七十二候の一つ。「七十二候」にはこういった「○○が◆◆になる」といったパターンの長めの季語が多いそうです。意味は、よくわかんないけど。

いやあ、世の中、知らないことが多いなあと実感。ボキャブラリーを増やしたい方は、是非お読み下さい。


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(2010、10、6読了)

2010年10月11日 10:21 | コメント (0)