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『道浦TIME』

新・ことば事情

4134「20世紀梨」

なかなか「秋」にならない今年。蚊(カ)の発生が少ないそうです。暑すぎてボウフラが育たなかったのが原因とか。そういえば確かに保育所に通っている娘も例年の夏は、「虫よけリング」を両手両足にしているのですが、今年は1回も出番がなかったな・・・。蚊も生き絶え絶えの猛暑って・・・。

ところで、そんな中でも秋の味覚「ナシ」の出荷が始まったというニュース、先週お伝えしました。20世紀梨」です。

この表記で、「梨」は常用漢字ではないことと、植物や果物の名前は、新聞・放送のニュースでは原則「カタカナで書く」ことになっているので、「ミヤネ屋」では、

20世紀ナシ」

とするようにオペレーターに指示したところ、

「お昼のニュースでは『20世紀梨』と出してしまいましたが・・・」

というのです。もしこれが「固有名詞=商品名」ということなら表外字でも使えます。ただし、ルビを振るようにします。そこで、

「じゃあ、『梨』にルビを振るか」

と言ってから気付きました。

「固有名詞の表記は『20世紀』じゃなくて『二十世紀』、漢数字表記だろ!」

ということで、

「二十世紀梨(なし)」

という表記にしたのですが・・・あとで 気付いたのですが、商品名としての名前は、

「二十世紀」

ではなかったか?つまり「梨」は付いてなかったのではないか、ということです。あとで調べると、やはりそのとおりで、商品名は「二十世紀」。それだけだと分かりにくいので、通称では「梨」をつけて「二十世紀梨」。ということは、「ナシ」はカタカナで書いて,

「二十世紀ナシ」

にした方がよかったんだ。夕刊各紙は「二十世紀梨」と漢字を使っていたけど・・・。

これは、「タンチョウ」が本当の名前なのに、それだけだと「鶴」だと分かりにくいので、一般には「タンチョウヅル」と言うのと似ていますね。

ところで、その「二十世紀」、調べてみると、こんなことがわかりました。

突然ですが、クイズです。「ナシ」の生産が日本一の県はどこか、知ってますか?

 

 

「鳥取県」

 

 

ブーッ。残念でした。なんと、現在のナシの生産日本一の県は、

「千葉県」

なんだそうです。2位は茨城県で、鳥取県はなんと3平成13年(2001年)までは長い間「鳥取県」が1位だったんですが、後継者不足で生産農家が減ったことなどもあり、現在は3位なのだそうです。知らなかったなあ。地方の人口減などの影響は、こんなところにも・・・。そう言えば今は「二十世紀」ではなく、「21世紀」・・・。

(2010、9、5)

2010年9月 6日 16:10 | コメント (2)

コメント

元千葉県市川市の住民だった私には常識の話でした。
武蔵野線沿線には梨園が沢山ある。
松戸には『「20世紀」生まれの地』という場所がある。
最も、今一番作られている品種は「幸水」だったと思う。
「1500円で梨もぎ放題」
懐かしい響きである。

投稿者: yoshi-q 日時:2010年09月07日(火) at 17:19

今朝(9/12)、録画していた9月5日放送の「アタック25」を見たら、
梨の生産高1位の都道府県を問う問題が出題されていました。

投稿者: yoshi-q 日時:2010年09月12日(日) at 22:32