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『道浦TIME』

新・ことば事情

4074「あらへん」

以前から気になっていたのだけど、ふと思い付きました。それは、

「『ある』の『否定語』は、標準語にあるのか?」

という問題。標準語だと「ある」の「反対語」としては、

「ない」

ですが、「ある」の「否定語」は、存在しないのではないか?

ところが大阪弁の場合は、「ある」の「否定語」として、

「あらへん」

という言葉があります。これにあたる語が、標準語にはないのではないか?という話。

そして、「あらへん」と「ない」の違いは?

大阪弁の場合、「否定辞」の「へん」は、標準語の「ない」に置き換えられますね。つまり、標準語の、

「こない」

「ない」を「へん」に置き換えて

「こーへん」

という「ネオ方言」(BY真田信治先生)にすることが可能。そのほか、

「食べない」→「食べへん」

「寝ない」→「寝-へん」

「走らない」→「走らへん」

「着ない」→「着―へん」

「しない」→「しーへん」

という各動詞でも置き換えられます。

「ありえない」→「ありえへん」

もOK。で、「あらへん」を逆方向の矢印で変換して、

×「あらない」←「あらへん」

不可ですね。なんでやろ?

前まえから気になってたんだけど、まだ答えは出ていません。"宿題"ということで・・・。

(2010、7、24)

2010年7月24日 19:12 | コメント (1)

コメント

今回のテーマも興味深く読ませて頂きました。でも、疑問が一つ。大阪弁では、「しーへん」と言うんですか?京都というか、私は、「せえへん」か「しーひん」と言っていると思います。「する」は「くる」と同様に、イレギュラーな動詞だからだと思うのですが。この私が使う、「しーひん」の「ひん」は文法的な規則なのか、なまったものか、疑問は尽きません。これからも、オモシロ日本語の解説、楽しみにしています。

投稿者: 京都人 日時:2010年07月25日(日) at 06:03