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『道浦TIME』

新・ことば事情

4844「上手と下手」

 

「上手」「下手」と書いても、「かみて」と「しもて」の話ではありません。

「上手い」

と書くと、たぶん100人中90人以上が、

「うまい」

と読めるでしょう。ところがこの「上手(うま)い」と書くのは「表外訓」(熟字訓)なのです。「下手」と書いて、

「へた」

と読むのは「慣用」で許容とされているのに、その反対の「うまい」を、なぜ慣用としないのでしょうか?

考えるに、「上手」は「じょうず」と読むのが「下手(へた)」の対語で「慣用」で許容だからではないでしょうか。でもたとえば、

「下手い」

と書いて、

「まずい」

というのも、なくはないですよね。「へたい」とは読まないでしょう。そう考えると、「上手い」を「うまい」と読むのを認めてもよさそうなものを。

それとも「味覚」の「うまい」とのすみ分けが難しいので、認めないのでしょうか?

味覚の「うまい」を、

「美味い」

と書くのも表外訓(熟字訓)ですしね。これも認めてもいいような気がするなあ・・・。

(2012、9、23)

2012年9月26日 22:10 | コメント (0)